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働きたくない(転居 その7)

 このときの私の気持ちは揺らいでいました。先ず、二つの物件で審査が通るのかどうかということと、最初の物件については住みたいのは街、二つ目の物件については住みたい部屋、という感じでした。引き籠もる生活になるので、それなら住みたい部屋の方がいいかなと、二つ目の物件に正直心は傾きかけていました。

 ただ、審査が通らなければどうしようもないので、審査が通ったと先に連絡があった物件に住もうという気持ちに固めようとしていました。

 東京滞在の5日目の午後3時過ぎくらいだったかな(翌日が帰阪日)、渋谷のIKEYAに偶然立ち寄り、引っ越すならこういう物がほしいなと物色したあとホテルへ戻る途中に電話がありました。気付いたのは電車の中だったということや、どこからの電話かが分からなかったこともありホテルに戻って調べてから対応しようと考えていました。普段は登録先の電話からしか出ないようにしているからです。

 ホテルに戻り電話番号を調べると最初に審査を依頼していた会社からだったので折電しようとしたとき、偶然ですがまた電話がありました。私は改めて電話をくれたのかなと何も考えずに出ると二つ目の物件の会社からでした。審査が通ったので、できればこのあとすぐに契約手続きをしたいという連絡でした。

 先に電話があったのは一つ目の物件の会社からでしたが、電話に直接出たのは二つ目の物件の会社。それに、住みたいと思った部屋は二つ目の物件の部屋。一つ目の物件の会社の担当者の方には迷惑を掛ける結果になるだろうけど、ここは我儘を押し通して二つ目の部屋に住める機会を逃したくないという気持ちが勝り、契約手続きをすることにしました。

 そして、一つ目の物件の会社の担当者の方に折電したとき、電話したのはまだ申請が始まっていないので連絡が当初の予定よりも遅れる旨の報告ということでした。私の罪悪感は少し薄まり、正直に経緯をお話し申請手続きのキャンセルを依頼しました。

 その後、二つ目の物件の会社に出向き契約。リフォーム中であったためにすぐに住めるわけではなく、早くても4月下旬からということになりました。私も早くてもそのタイミングでしか引っ越しはできなかったので、それも都合のよい形でした。

 結果として5泊6日の東京滞在期間中に住む場所が決まり、なんと契約手続きまで終えてしまったのです。

 ネットで広告が出て住めるかもと思ってから10日程度で、本当に東京に住むことが決まったのでした。元々(当時住んでいた場所の近くに)引っ越す予定だったとはいえ、今振り返ると急展開だったなと思いますし、よく自分がそれだけの行動力を示したなと、もう一年は経ったのですが未だに遠い目になってしまいます。

 今回の転居のお話は一旦これで終了です。まぁ、もう当分は引っ越さないとは思います。というか、もう引っ越しはしないかなと。引っ越しは大変ですから(笑)。

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