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映画雑談 主人公と主演と主役

 映画だけじゃなくてドラマとか舞台も含めてですが、一般的というか大抵は、主人公役の俳優は主演俳優だし、主人公は登場人物の中でも主役だしということが多いですが、一部それらが異なるものが存在するのも事実です。

 主人公とは、その物語や展開の中心になり動かすキャラクターです。主演とは、その映画における主な出演者であり、本編内でのトップクレジット(最初に表示される)の俳優が該当します。主役は、その映画の主な登場人物を指します(大抵は主人公なのですが)。

 例えば、ティム・バートンが監督した1985年に公開された映画『バットマン』は、主演はジョーカーを演じたジャック・ニコルソンですが、主役と主人公はブルース・ウェイン(バットマン)であるわけです。

 映画『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』の主役と主演は、Mr.フリーズを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーですが、主人公はブルース・ウェイン(バットマン)というのもありました。

 映画『ターミネーター』では主人公はカイル・リースですが(サラ・コナーはヒロイン)、演じたマイケル・ビーンが当時はまだそれほど有名ではなかったということや、当初は主人公役をアーノルド・シュワルツェネッガーが演じることで映画化の話が始まったことから、主役・主演はターミネーターを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーとなっています。

 グランドホテル形式の群像劇的な映画やドラマの場合は、TVドラマでの例になりますが『太陽にほえろ』が分かりやすいでしょうか。主役、主演はボス役の石原裕次郎ですが、主人公は毎回異なるというか、初期は最後には殉職してしまう若手刑事(マカロニとかジーパンとか)が実質的な主人公といったものです。

 ただ、グランドホテル形式の場合、出演俳優のクレジット順がアルファベット順になっていたり、本当に誰もが主役で主人公である感を出すための工夫がされている場合もあり、参考にならないパターンもあることはご了承ください。

 主人公が少年、少女の場合、主演は大人の俳優といった形になることもあります。『ターミネーター2』では主人公はジョン・コナーですが、演じたエドワード・ファーロングが当時11歳くらいだったので、主役・主演はターミネーターを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーとなっています。

(シュワちゃんが多いなw)

 このように、主演、主役、主人公が異なることになるとき、多くは主人公役の俳優が他の重要な役を演じる俳優よりも知名度が低い、ギャラが低いといった理由のほか、主人公役ではない俳優が出演条件として映画本編のトップクレジットを要求したといったものが挙げられます。

 また、主人公役の俳優では観客動員に不安があると製作者側が考え、その他の俳優で有名で集客力があり且つ重要な役を演じている俳優をメインに据えようとした場合もあったりします。この場合は、日本のアイドル映画でもよくあったりします。原作での主人公は俳優のクレジット順では二番手や三番手になってるとか。

 ダブル主人公というのもこの派生バージョンと捉えることができます(単純に主人公格が二人いるといった場合は勿論除きます、ビー・バップ・ハイスクールとか)。事務所の力の大きさの影響がある場合もあります。

 勿論、例外もありますし、映画を鑑賞するにあたって、観る側がそんなことを気にする必要はありません(笑)。

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