走行時間に応じた適切な朝食の量
初めまして!今回の記事は現役E1レーサーでスポーツファーマシスト(薬剤師)のアベがお送りします!
みなさんはライドの前にどのような食事をとっていますか?
普段通りの食事、運動前にはバナナがいいと聞いたからとりあえずバナナ、いやいやエナジージェル一択でしょ、と様々な考え方があると思いますので、目的別にご説明していきます。
食事量が足りないとハンガーノックを起こしてふらついて落車の原因になることや、急に自転車に乗れなくなり一緒にいる仲間に迷惑をかけてしまうのでしっかりと自己管理をすることが大切です。
自分も乗り始めた当初は適切な食事量がはっきりせず、練習で十分にパフォーマンスを発揮できないことが多々ありました。
そこである程度まとまった時間運動する上での栄養の基礎知識を勉強して実践したところ、良いパフォーマンスを継続して出せるようになりました。
このマガジンでは皆様に、栄養に関して知っておかないと損することを網羅的にまとめてみました。
知っておいてほしい基礎知識
運動時のカロリー消費について
体内には約1500~2000kcal分のグリコーゲン(糖質)が貯蔵されています(このうち全てを使用することはできません)。
運動時の消費カロリーは糖質と脂質を同時にエネルギーとして使用されおりテンポ走等、軽く息が切れる程度で自転車に乗った場合のカロリー消費比率は一般的に
糖質:脂質=1:1
となっています。
また、自分が今日どれくらいのカロリーを消費するかをわかっておくことが大切です。
最近のサイコンには今日乗った時にどれくらいのカロリーを消費したかがわかる機能がついているので、そこからおおよその目安をつけると良いでしょう。
付いていない方は、体重50㎏の方が1時間乗ると300~500kcalくらい消費するので参考にしてください。
ライド前に食べる食事内容について
基本的にご飯や食パン、バナナなどの炭水化物で栄養補給をしましょう。消化に時間のかかる肉や魚、野菜類は避けるのが無難です。
乗る前の食事をとるタイミングですが、乗り始める2、30分前などでも問題なしです。
レース前などであれば2時間以上前に食事をとるのがベストですが、自転車はスポーツドリンクや補給食などで運動中にエネルギー補給をしながら乗るのが当たり前なスポーツなのでそこまで気を使わなくてよいでしょう。
走行時間に応じた適切な食事量とは?
”何を食べればいいのか?”というのがご理解いただけたところで、今度は”どれくらい食べればいいのか?”というところを解説したいと思います。
過不足なく適切に栄養補給をすることで、体重のコントロールにも繋がります。
①2時間未満のライド前の場合
相当激しく乗らない限りハンガーノックは起こさないので、ごはん茶碗1杯またはバナナ3本分ほどの量で充分で、カロリーでいうと250kcalほどです。
②2~3時間
食事をとらずに乗るとカロリーが足りずハンガーノックを起こす可能性があります。
ごはん茶碗2杯分のごはんや、乾麺のパスタ150gほどは最低とりましょう、カロリーでいうと500kcalほどです。
③4時間以上
ハンガーノックや筋肉が分解してしまう可能性が高いので、できる限り多めの食事をとりましょう。
②で紹介した内容に加えて、牛乳や卵、フルーツジュースを足して800kcalはとっておいた方が良いです。
また、羊羹やジェルなどの補給食も用意して、1時間に200kcalはとって乗るようにするとエネルギー切れのリスクも減らせます。
<番外編>あえて糖質を抜くメリット
休日のグループライドをする場合、自分がメンバーの中で明らかに速い時の対処法として朝食に糖質をとらないようにするという方法もあります。
体内にあるエネルギーを意図的に減らしておくことで、高強度で踏むのが辛くなるので自分のパワーにリミッターをかけることができます。食事の内容は卵や豆腐など糖質が入っていないものを選ぶようにしましょう。
また、スポーツドリンクも飲まないようにするとさらに効果が上がります。
ただし、ハンガーノックになるリスクが格段に増えるので、自分の体の変化には細心の注意を払い無理せず補給食を早めに取りましょう。
この糖質オフでのライドをこなすと脂質をエネルギーに変える能力が向上しやすくなります。そしてハンガーノックになりにくく、FTPの向上も見込めるメリットもあります。
自分のライドスタイルや練習会のメニューなどから、しっかりと考えて食事をとるのが一番大切です。
元気で健康な体を目指して、みんなでサイクリングを楽しみましょう!!
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