見出し画像

向かいの棟から見える「ビジネスパーソン」の仕事っぷりが。。

いまや毎日テレワークなのですが、もうこの生活にも慣れてしまい、自分のワーキングスペースではデスクに足を上げて腕を組んで考え込んだり、とにかくできるだけふんぞり返るなど、オフィスでは考えられない大物っぷりを発揮しています。態度だけはアメリカン。

そんな私の窓に面した北部屋からは向かいの棟が見えます。10メートル以上は離れていると思われる向かいの棟の同じ2階には、私と同じように窓際にデスクを置いて働いている「ビジネスパーソン」がいます。

ビジネスパーソンは直射日光がお好きなようで、レースカーテンすらしていないことがよくあって、こちら側からはその横顔が見えるのですが、いかにも仕事をバリバリやっていますというのが伝わってくるのです。

というのも、30代中盤くらいの髪を73にきっちり固めたその人は、在宅にもかかわらずいつもスーツを着込んで、背筋をピント張ってパソコンに向かっているのです。

日中もそのデスクに座りっぱなしで一生懸命パソコンを見ているようです。しかもたまに窓が開けているときは、オンライン会議なのでしょうか。流暢な英語や中国語が聞こえてきます。キラっと光る銀ぶちのメガネも余計まぶしく感じます。

はて、一方で私はといえばどうでしょうか。いつもパジャマのような部屋着で仕事をしています。だらっとゆるい白シャツに黒のゆったりしたスエット姿です。外に出ないときは髪もボサボサです。態度もさきほどのようにオフィスでは発揮できないような所作です。

ようやくオンライン会議のときだけ、のそのそと襟のついたシャツを着て、髪に水をつけて寝癖をなんとか直します。だが下半身はそのままです。

一回オンライン会議中に、下半身短パン姿であることを忘れたまま、後方の飾りが落ちたので取りに行ってしまいました。もちろん私の下半身は映ったのでしょうが、まあいいやという感じです。

また以前こちらでも書きましたが、オンライン会議中に妻がいきなり帰宅して「ぶっころしてやる!」と言って荒ぶりながら部屋に乱入してきたことがあります。時はすでに遅し。そんなこともあったので、もはや怖いものなしです。

というわけで、その人と私は、まるで「できる人」と「できない人」の見本のような構図となっています。もちろんそのお方が「できる人」です。私が「できない人」です。悲しす。

こちらはそんな風にチラチラと気になりながら、そのお方を窓越しに見ているのですが、彼はいつも微動だにせず背筋をピン!と伸ばして仕事に取り組んでいるので私のことなど眼中にないでしょう。そんなふうに思っていました。

ところがある日、お昼にコンビニに行く途中でその人とすれ違ったのですが、なんとペコリと挨拶をしてくれたのです!それも素敵な笑顔で。

もちろんわたしもペコリと挨拶をしましたが、急なことでそんな素敵な笑顔は作れるわけありません。

すべてを知ったうえでの挨拶なのであれば「まったく人柄もよく、どこまでもできるビジネスパーソンなんだろう」そう思うとともに、えええ、こちらもあのアメリカンなダサいふるまいと見られていた!!!!、、と自分が急に恥ずかしくなり、顔をぽっと赤らめました。ああ、いとはづかし。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?