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Ep016:自分の不幸の蜜の味-ニューヨークの追憶

あちらが覚えてるかは知らないが、私はよく覚えている。

職場の従業員の中でSという女性がいて、同僚のOと恋仲となった。Sは退職したが、Oは後に会社内での窃盗が発覚し、クビになった。

その後、他の従業員の証言から、実はSが主犯であり、Oを引き込み、二人で窃盗を繰り返していたという疑惑が発生した。

Oは証拠を押さえられていたが、Sの方には犯行に及んでいたという証拠はない。しかし人の行動を変えるには幾つかの疑惑で十分だ。

結果として、彼女は高級ブティックで働いた3年間の職歴が履歴書から消えた。人の噂も75日というが、どうだろう。

風の噂では今彼女はレストランで働いているらしい。

カルマという因果応報を意味する言葉は、こちらアメリカでもよく使われている。

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