NOT A HOTEL|”らしさ”にこだわるブランディングの成功要因を徹底分析
「世界中にあなたの家を」をコンセプトに、世界的な建築家やクリエイターが手がけるデザイン性と、テクノロジーによる快適性を両立した、ハイエンドな別荘を提供している「NOT A HOTEL」。
全国7拠点に美しい意匠の「NOT A HOTEL(=物件)」を建造し、利用の権利を販売している。
今回は「NOT A HOTEL」のブランディングの裏側を下記の記事をもとに徹底分析。
マーケティングチームの役割
ミッションは「ファンを増やすこと」
「NOT A HOTEL」のミッションは
「NOT A HOTELのファンを増やすこと」
ここに対して、マーケティングチームが「売れる仕組み」「セリングをなくす」状態を目指して活動している。
ファンになってもらうには「共感」だ。
効率的な売上の追求だけに固執せず、NOT A HOTELを売るプロモーションではなく、NOT A HOTELのブランドを作るプロモーションを行う。
シンプルなKGI/KPI
NOT A HOTELでは、
・マーケティング
・インサイドセールス
・フィールドセールス
・オーナーリレーション
4つのチームに分かれている。
マーケティングチームの仕事は、新規のお客さまの認知を獲得。
KGI:売上・オーナーの数
KPI:見込み顧客獲得数
と目標は至ってシンプル。
ただ、この活動の中にも、
「共感いただける方の数と熱量をつくっていく」ためのブランドづくりを見失わないこと。
この意識が強固なブランドを作り出している。
まだ建っていないCGの販売
「まだ建っていないCGの販売」なんて、難しいことは誰でも容易に想定できる。
ただ、NOT A HOTELはやってのける。
建っていないものでも安心感を覚えて、買っていただくコミュニケーション体験の全体を設計し、顧客との信頼関係を構築。
設計はもちろんだが、それ以上にコンテンツやプロモーション戦略に、「買いたい」と思わせるきっかけがあるからこそ、これだけの信頼を獲得できているのだろう。
タッチポイントの設計
共感を生み、ファンを生むための、ブランド作り。
ブランドの認知を獲得する上で、あらゆるタッチポイントにこだわりを持ち続けないといけない。
「NOT A HOTEL」では、
・「NOT A HOTEL」らしさを探ること
・「NOT A HOTEL」らしいコンテンツ作り
の二つを意識して活動している。
らしさとはどこから探るのか。
・プロダクト
・社員
・パートナー
・オーナーやファン
あらゆる要素を因数分解し、”「NOT A HOTEL」らしさ”を常に探求している。
またコンテンツ作りに関しては、
最後の1文、1行にこだわりを持つ
ということ。
私自身もNOT A HOTELのクリエイティブをよく目にするが、クリエイティブのこだわりが半端じゃないことは一目瞭然だ。
わかりやすくも考えさせられるNOT A HOTELらしいコピー。
心の底から体験したいと思わせられるNOT A HOTELらしい写真。
どこを切り取っても、NOT A HOTELらしさを感じさせる、タッチポイントの設計がここまでのブランドをつくる。
「NOT A HOTEL」から学ぶブランディング
プランニングからディレクションを一貫して内製化
ここはブランドを作る上で、1番大切だと思う。
代理店に依頼したとしても、ハンドルは必ず事業者側が握ること。
でないと、強固なブランドは創れない。
NOT A HOTELでは、プランニングからディレクションを一貫して社内で対応している。
だから、1行1文までこだわりぬける。
だから、あそこまでのクリエイティブを作ることができる。
内製化すべき理由は主に二つ。
・文化を表現することができる
・とことんこだわりを持てる
”「NOT A HOTEL」らしさ”という言語化されていない抽象的な表現かもしれないが、社内の共通認識として必ずらしさがある。
ここは少しの間一緒に働く代理店では理解できない。
日頃の活動から社内の文化が染み付いている社員が作るからこそ、”らしさ”を表現できる。
1文・1行へのこだわり
クリエイティブに必要なことは
”こだわり”
だ。
ほぼ完成しそうなクリエイティブでも、「なんか違う」とリーダーが言い出し、作り直すほどのこだわりがないと、いいクリエイティブは創れない。
なおさら、クリエイティブを外注していたら、こんなことできるわけがない。
ただ、そこにある”こだわり”が共感を生み、ファンを生む。
ブランド創りの根幹は”こだわり”でしかない。
判断基準が「おもしろいかどうか」
Appleもそうだが、
社内の人間が自社の商品を愛せているか
社内の人間が自社のプロモーションを愛せているか
はブランドを創る上で欠かせない要素。
プロモーション戦略について、
「おもしろいかどうか」を判断基準にしている企業は絶対強い。
おもしろいからこそ、ファンの心を動かすクリエイティブが生まれる。
おもしろがっているクリエイターがいるからこそ、ブランドが生まれる。
NOT A HOTELのこだわり
この記事を読んで、
”こだわり”の大切さを痛感した。
こだわるからこそ、自社内での対応が必要で、
こだわるからこそ、おもしろがる必要がある。
どこまでいっても「NOT A HOTEL」らしさにこだわり続けるマーケティングチームは、共感を生み続け、ファンを生み続けるのだろう。
これからも「NOT A HOTEL」らしさに期待したい。
参考サイト/画像引用元
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