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熱発か発熱か?

 医療関係の本なので、『フレームワークで考える内科診断』では体温が高い患者がよく出てくる。

 そこで問題になるのが体温上昇関連用語のこと。一般に熱が上がることを、「発熱がある」と言うような表現で、 「発熱」と言う用語を使うのではないかと思う。ところが、「熱発」とひっくり返した言葉を使うことがある。本書の中でも、「発熱」とした訳者が多かったが、「熱発」と訳した人も少数ながらいた。 例によって訳語を統一する必要があるので、これもまた調べてみる。

 使い方を見ると、「発熱」は名詞として使い、「熱発」の方は「熱発する」のように動詞として使う、などの使い分けがあるような気がしないでもない。

 辞書好きなので、例によって物書堂で購入した辞書で「熱発」を調べてみると、大辞林には「発熱に同じ」、新明解国語辞典には「(病院などの通語で)発熱」とある。どうやら、医療村の用語のようである。

 結局、本書では「発熱」で揃えることに。「熱発」派のみなさん、申し訳ない。 使い分けというか、こだわりどころがあれば、ぜひ教えてもらいたい。

 そういえば、医療村での用語だと言ったが、どうやら競馬関係でも「熱発」と言うらしい。馬も熱発するのである。どこでどうつながっているのか興味深いところである。