変わった病名
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変わった病名

 "PBC"は”primary biliary cirrhosis”だと長年思っていたら、気付いたら”primary biliary cholangitis”に名前が変わっていた。知識はアップデートしないとドンドン時代遅れになってしまう。「病初期には肝硬変(cirrhosis)はない」とのことで、患者団体の要求によって変わったらしい。このあたりの詳しい事情はよく知らないので、情報をご存知の方はご一報を。略語は変わらず”PBC”のまま。

 同じく名前が変わっても略語が変わらなかったものに”PCP”がある。”Pneumocystis carinii”が”Pneumocystis jirovecii”に変更されたため、”Pneumocystis carinii pneumonia”ではなくなったのだが、略語は”PCP”のままである。この呼び方がすでに広く知られているので、”Pneumocystis pneumonia”の略としてそのままでOKということになっている。

 変わったといえば、リウマチ関係の診断名であろうか。お馴染みの”Wegener granuloma”や”Churg-Strauss syndrome”はもうない。 ”granulomatosis with polyangiitis” と ”eosinophilic granulomatosis with polyangiitis”にそれぞれ変更されている。より病態を表すような名前にするというのが目的であるが、”Wegener granuloma”については、名前の元になったFriedrich Wegener医師のナチスドイツとの関係がわかったため、名前を変えたかったというのも影響しているらしい。

 ちなみに、病名は名を付けた人の所有物ではないとのことで、”Wegener’s granuloma”や”Parkinson’s syndrome”のような”’s”は、今では使わないことになっている。それぞれ”Wegener granuloma” ”Parkinson syndrome”という。とはいえ、”Meigs’ sydrome”のようにアポストロフィーをとっても”Meigs syndrome”になるものもあるので、なんでも”s”を取ってしまわないようにする。

米国在住の内科・呼吸器内科・集中治療医。 『フレームワークで考える内科診断』(原題:Frameworks for Internal Medicine)は発刊になりました。