セールスイネーブルメントの中心となる商談解析ツール(カンバセーションインテリジェンス)とは
こんにちは。
amptalk株式会社 代表の猪瀬です。
この度、株式会社マツリカ様より、デジタル時代を生き抜く営業のためのテクノロジーを徹底解説した書籍『SalesTech大全』が発売されます。
書籍『SalesTech大全』の発売を記念して、セールステックアドベント 2024にお声がけいただき、「商談解析ツール(カンバセーションインテリジェンス)」というカテゴリの記事を書かせていただきます。
この記事は 「セールステックアドベント 2024」 の6日目の記事です!
「セールステックアドベント 2024」では、セールステックの認知・活用を日本国内でさらに盛り上げることを目指し、各カテゴリのベンダーが集結します。
自社プロダクトやそれが属するカテゴリについて解説するとともに、プロが注目するセールステックについてもご紹介します。
本noteでは「商談解析ツール(カンバセーションインテリジェンス)」カテゴリを解説します!
ぜひハッシュタグ「 #セールステックアドベント2024 」をつけて感想などシェアをお待ちしております!
1. 商談解析ツール(カンバセーションインテリジェンス)とは? アメリカでのマーケット状況と導入目的
商談解析ツール(カンバセーションインテリジェンス)は、AIと自然言語処理(NLP)を活用し、営業やカスタマーサクセスにおける顧客との会話を分析して、重要なインサイトを提供するツールです。このテックは、営業プロセスのデジタル化を促進するとともに、ブラックボックスになりがちな営業の核である“商談”を可視化し、営業活動の効率化や成果向上を支える中核的なツールとして注目されています。
特にアメリカ市場では、商談解析ツールのマーケットは急速に成長しており、営業組織に欠かせないツールとして広く導入されています。代表的なツールであるGongやZoominfoは、営業会話を解析し、次に取るべきアクションや顧客とのエンゲージメント強化に必要なインサイトを提供しています。これにより、営業担当者はデータに基づいた提案や営業を行い、商談の成功率を大幅に向上させることが可能になっています。
もちろん、これらが広がる背景として、①地理的特性②転職の多さがあります。
米国は地理的に離れているメンバーも多く、そのメンバーに対してニューヨークからテキサスに同行したり、教育を頻度高く実施することはできないので、いかに教育するかの答えの一つが、営業を徹底的に型化することです。
二つ目として、転職が数として多く、オンボーディングの期間の短縮は圧倒的な課題感があります。
その為、可視化し型化していくことが必須であり、セールスイネーブルメントの発展や商談解析ツールが多く使われています。
この商談解析ツールは、近年日本でも取り組む企業が増えているセールスイネーブルメントの領域で、重要な役割を果たしています。
セールスイネーブルメントとは、営業チームの売上・受注率を最大化するための戦略であり、大きく12個のブロックで構成されるものです。
セールスイネーブルメントにおいて、商談解析ツールは商談を可視化することで営業パーソンの「トレーニング」「コーチング」などをはじめ、「営業メソッド」や「顧客理解」の促進などに、大きな価値を提供しています。
2. 商談解析ツールがセールスイネーブルメントで果たす価値
具体的にセールスイネーブルメントにおいて、商談解析ツールがどのような価値を果たすのか大きくは以下の三つになります。
「営業トレーニング・コーチング」の効率化
「営業メソッド」の最適化
「顧客理解」の強化
営業トレーニング・コーチングの効率化
従来のトレーニングでは、過去の経験や勘に基づいて指導が行われることが多かったですが、CIの導入により、商談データを基にした客観的なフィードバックやトレーニングが可能となります。営業担当者ごとの強みや改善点をデータで把握し、個別のトレーニングプランを作成できるため、効果的なスキルアップが期待できます。
また、一次情報があるため、コーチングやフィードバックを受ける営業パーソンもより納得感を得ることができ、実際の改善への意欲が高くなります。
例えば、ある営業担当者がクロージングの際に弱いと分析されれば、その部分に特化したトレーニングを提供することができます。CIが提供するデータに基づいたトレーニングは、効率的で、結果に直結するものになります。
営業メソッドの最適化
CIは営業メソッドの改善にも貢献します。商談データをもとに、どの営業プロセスが最も効果的か、どの部分が改善の余地があるかを特定できます。成功している営業担当者の話す内容や商談構成、ヒアリングを分析し、それを組織全体に展開することで、営業のベストプラクティスを共有できます。
多くの企業が過去の商談データから“セールスブック”などを作成し、オンボーディング期間の短縮や受注率や商談化率の向上などを実現しています。
顧客理解の強化
CIは、顧客の発言や質問などを詳細に分析し、営業担当者にとって不可欠な情報を可視化します。これにより、顧客が求めているものや、商談で解決すべき課題が明確になります。例えば、顧客が複数回にわたって言及する課題や、特定の質問に多くの時間を費やす部分などを把握でき、アプローチを調整することができますし、別の商談に活かしたり、マーケティングチームやプロダクト開発も実際のお客様との会話という“一次情報”から顧客理解をすることができます。
結果として、顧客に対してより適切な提案が可能になったり、より顧客が求めるプロダクトや訴求となり受注率が高まります。
3. 日本市場におけるカンバセーションインテリジェンスの可能性
アメリカ市場ではカンバセーションインテリジェンスが急速に普及していますが、日本市場においてもその導入は徐々に進んでいます。日本では、営業プロセスにおけるデジタル化が遅れている部分もありましたが、特にリモートワークやオンライン商談の増加により、デジタルツールの活用が急速に拡大しています。
SaaS企業やTHE MODEL組織の企業が活用により成果を出していますし、amptalkを使っていただいているイトーキ様では、プレイブックを作成し商談を型化し、フィードバックを強化するなど大企業でもすでにを導入が始まっており、その成果も見え始めています。
https://amptalk.co.jp/usecase/20240319_itoki
今後、日本市場においても、カンバセーションインテリジェンスは日本の営業組織強化の土台となり、営業活動のデジタル化が進む中で、営業チーム全体の知識共有と成長を促進し、組織全体の営業力を強化するための強力なツールとして機能することが期待されます。
4. “商談データ”を組織の価値にする電話・商談解析ツール「amptalk analysis」
さてここまで紹介してきた商談解析ツールの一つである「amptalk analysis」をamptalkは提供しています。
https://amptalk.co.jp/product/analysis
「amptalk analysis」は、ZoomやGoogle Meet、TeamsなどのWeb会議システムやZoom phoneといったIP電話と連携しオンライン商談に加え、オフライン商談でおいてもスマホやPCを使って録画することで、商談を書き起こしや商談構成を解析します。
そして、その解析結果はSalesforceやHubSpotといったSFA/CRMや、Teams、slackといったチャットツールに自動で連携します。
これによって蓄積された「商談データ」を元に、顧客理解の促進や、新人のオンボーディング、トレーニングを行い、受注率や商談化率の向上を支援しています。
-通電率の可視化と、架電フレームワーク✖️チェックの仕組み化で商談化率2倍に
ユーザベースのFORCAS事業部(現スピーダ)様では、インサイドセールスの架電のフレームワークがあり、それらを実行できているか実行できていないかの確認を「amptalk analysis」を用いることで架電を可視化し、チェックができる環境を整えました。
結果的に商談化率が2倍になる成果を出しています。
https://amptalk.co.jp/usecase/20230929-forcas
-商談を可視化し、営業の属人化を解消。オンボーディング期間を50%短縮!
株式会社ビザスク様では、ブラックボックスになっていた商談を「amptalk analysis」で可視化しうまくいった商談からベースケースを作成しています。全員共通の話し方の目安となるものができた結果、新人のオンボーディング期間が非常に短縮化できています。
https://amptalk.co.jp/usecase/20230919_visasq
このようにamptalkは「商談データ」を活用し様々な企業の営業組織力をサポートしています。
今年に入ってからはさらなる「商談データ」の蓄積を実現するために、Salesforceへアクセスしなくても、Teamsチャットから話すように商談データの入力・検索が可能な「amptalk assist」をローンチしました。対面商談やどうしても録画録音ができなかった時、移動中などの音声入力や秘書に依頼するようにTeamsチャットからデータの入力が可能になります。
https://amptalk.co.jp/product/assist
5. 注目のセールステック
今、私が注目しているセールステックのカテゴリが「セールスエグゼキューションプラットフォーム」です。
現代の営業チームにとって、パイプラインの作成とクローズは非常に重要です。しかし、限られたリソースでこれを達成するのは容易ではありません。そこで、Outreachのようなセールスエグゼキューションプラットフォームが登場します。このプラットフォームは、営業プロセスを統合し、AIを活用してデータを一元管理することで、効率的な営業活動を支援します。複数のツールを使い分ける必要がなくなり、営業の生産性を向上させ、より多くのパイプラインを確実にクローズできます。
https://www.outreach.io/