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27歳になったから話せる、20歳の自分へ伝えたいこと

今までの人生を振り返ってみると、何も分からないまま行動してすぐに失敗して、その失敗から色んなことを学んできたように思います。
僕は3人兄妹の長男で、昔から自分が外に出て経験した数々の失敗を、
下の兄妹に伝えてきました。それは単純に、僕と同じ失敗をする必要はないし、もっと早く前に進んでほしいと思うからです。そしてそれが長男という役目なのかなと思うこともあります。

27歳の僕が伝えることが出来るのは、まだ27年分の経験と失敗だけです。
でもそれは、必ずこの世界に生きる誰かの為になると思いました。
なぜなら、
例えばもし20歳の自分に何か伝えることができるとしたら、
27歳の僕は、その自分にたくさん言っておきたいことがあるからです。
20歳の自分に伝えるように、18歳の自分に伝えるように、去年の自分に伝えるように、色々と伝えたいことを書きたいと思います。

僕が親元を離れたのは18歳の頃でした。
僕は高校を卒業したら東京へ行くことに決めていたので、高校の卒業式を
終えてからすぐに、一人で東京へ行きました。
僕が選んだ進路は、フリーターでした。母親には大学へ行くように言われ、
父親には自分の思う道を進めと言われました。
進路を決めるのは簡単ではありませんでした。毎日自分の気持ちは変わり、大学へ行こうと思う日もあれば、専門学校へ行こうと思う日もあれば、フリーターから始めようと思う日もありました。
半年ほど悩んだ末、僕は進学せずに東京へ行くことに決めました。

東京へ引っ越してからは、毎日が一瞬で過ぎるほど忙しい毎日でした。
高校を卒業したばかりの18歳が、何のコネもなく、仕事もなく、たった一人で知らない土地で生活を始めるのは簡単なものではありません。
今振り返っても、当時の自分はよくやったなと思います。でもその生活はそんなに綺麗なものではなく、6畳にも満たないワンルームで暮らし、毎日10時間以上もアルバイトをするだけの毎日でした。やっと採用してもらった赤坂の飲食店ではなぜか先輩にものすごくいじめられていました。
アルバイト先には、上智や慶應や早稲田や青学などに通う大学生らもおり、
なかなかみんなとも馴染めない日々を過ごしていました。

僕が東京に来た理由ですが、それは、映画俳優になる為でした。
でも当時の僕はどうやって俳優になるのかを知りませんでした。
(どうやって俳優になれるのかの答えはありません)
だから僕は俳優デビューするまでに3年もかかってしまいました。
その3年間は、ほぼ毎日アルバイトをして、そこで得たなけなしのお金で養成所に通い、たまに小劇場の舞台に出たりと、そんな生活を送っていました。結果的に3年後には、小さな役でしたが大きな映画に関わらせて頂くことになり、まぁそこでまた色々なことを思ったのですが、僕は一応俳優デビューをすることができました。長い映画の撮影が終わり、まわりを見渡すと、就活、就職の時期になっていました。

友人たちは新卒一括採用の為に頑張っていました。どこどこの内定が決まった、初任給はいくらだ、ボーナスは何ヶ月分ある、何年後には部長に昇進して、、、などの話しをよく聞きました。
18歳からフリーターをやってきた僕はもちろん、そんな話題とは縁遠い世界で生きていたので、横で聞きながら、なんかボーナスとか福利厚生とか良いなぁなんて思っていました。そういうことを話し合っている友人らに、こばやしはどうするの?と聞かれ、僕は、俺は外国へ行くとだけ言っていました。よく分からないことを言う僕を、友人らは心配し、その心配から言ってくれる友人らの言葉に腹が立ち、言い合いになったりもしました。

あの頃は、全員が自分の選択が一番正しいと思いこみ、その価値観を押し付け合っていたなと思います。未来のことなんて何も分からないのに、これからの世界を語りながら自分は正しいと言っていたのもこの時期です。
結局、選択肢がたくさんある中で自分の決断が正しいと思わないと生きていけなかったのだと思います。でもそういうものだと思います。

あれからもう5年以上経ちました。
新卒で大手企業やベンチャー企業に就職した僕の友人らは、全員会社を
辞めました。僕も今は俳優になろうと思っていません。
でもそれなりに、いやあの頃思っていた以上に刺激的な人生になっている気がします。それは会社を辞めた友人らも同じです。みんな22歳の頃に描いていた社会人像とは違う社会人生活を送っていますが、全然絶望なんてしていません。それなりに自分らしく生きています。

選んだ人生の道は違っても、人間はそれなりに自分らしく生きられるように頑張る生き物だと、僕は思います。
何か大きな決断をするとき、未来が見えなくて不安になりますよね。
例えるなら、登山へ行ったときに出会う二つの分かれ道のようなものです。最初のカーブまでの道は見えているけどその先は見えない。
でもどっちへ行っても頂上には辿り着けます。そのとき大事なことは、
自分の人生はどっちへ行ったら楽しくなるのかを考えることです。
目を閉じて、想像してみてください。楽しそうな方へ、そして自分らしいと思う方へ進んでみてください。

ちなみに高校生の僕に何か伝えるとしたら、
夢ややりたいことが思い浮かばなかったら、とりあえず大学に進学したらいいと思います。でも進学するなら、出来るだけ勉強して上を目指すように。今の日本は新卒一括採用が一つのブランドのようになっていると感じます。だから就職や転職をするときに大学卒業や新卒入社というのはとても有利です。
夢があり、やりたいことがあり、進学せずにフリーターをやりながら夢を追いかけることも良い。でもその道を進むなら、夢を追うことと同時に人間力を磨くことを忘れないように。人間力というのは、今のところ行動力と自信と経験だと思います。年を重ねるほど、人間力が必要になってくると思います。だから楽しく自分らしく生きれるように、勇気と自信を持って行動し続けてください。

こばやしさん


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