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コミュニティを作るには

映画『ロマ金』でも追っている「コミュニティ」についてよく考えることが多いのですが、まずは自分自身がコミュニティを作れるのか想像してみます。

コミュニティの形

コミュニティの形は様々ですがふと思い浮かぶのは場所があることでしょう。『ロマンチック金銭感覚』には3つのコミュニティが描かれます。そのコミュニティには全て拠点が存在します。

全国で村というコミュニティを作っている方々の話を聞くと、共通しているのは「理想を掲げすぎない」ことでした。そしてそのコミュニティに共感した人たちが集まる場所であることが必要でした。

仲のいい廃材エコヴィレッジゆるゆるの村長、傍嶋飛龍さんはよく「ゆるいつながり」がいいと言います。「ゆるいつながり」というと抽象的ですが、同調圧力が少ない場所は幸福度が高いという研究結果から、そう言った言葉を使われています。

「お好きにどうぞ」のもと、住人それぞれが自由にこれからの暮らしを模索・実践していたサイハテ村ではその「お好きにどうぞ」の難しさを語られました。
リーダーもいない、ルールもない、各自に任せることで出てくる数々の問題点をどう解消していくのか。それは今の私たちにとってはあまりにも高度なことのようです。それもどこからどこまでをルールにするのかを一体どうやって決めるのか。コミュニティは社会の縮図であり、現在の日本、いや世界で無視できない問題とリンクすると感じました。

お祭りもコミュニティ

全国にあるお祭りは一つのコンセプトを基に設計されます。それぞれ厳しいルールもあればそうでない場合もあります。私が気がついたことはサイハテ村のように「お好きにどうぞ」が存在していた場合、大きな自由がありますが、その自由は各個人によって違います。はじめは何も描かれていない真っ白なキャンバスだとしても、結果はどうなるのか。あらゆる人たちが色々な絵の具だと仮定して、キャンバス上で好き勝手動くと白い余白はどんどん無くなって黒く汚れていきますよね。一回黒くなってしまうと元に戻すことはできません。上から全て塗り直すかキャンバスを変えることしか方法はないでしょう。
そのように好き勝手動いた結果、最初はできたことができなくなっていくという矛盾を見つけました。自由という余白が無くなってしまう。それこそ禁止の領域が増えていくのです。
例えば、最初に給水場所として挙げられていた場所に「ここで足を洗わないてください」とあったとします。ただその言葉通りにしない人たちが続出してしまうとその給水ポイントに「使用禁止」の貼り紙が貼られます。
備え付けのトイレのゴミ箱には「各自にゴミを持ち帰ってください」とあったとしても、捨てる人が続出した場合にはそのゴミ箱は排除されてしまいます。洗うべきではないトイレの洗面台で泥や汚れを落とした人が続出すれば、排水溝は詰まってしまい「使用禁止」の貼り紙が。
自由という輝かしい概念の結果が禁止を生み出す。それこそルールが生まれるきっかけになるかもしれませんが、ルールを設けない実験はとても面白い。ハードコアではありますが(笑)
でもコミュニティづくりは、まずは楽しいと感じることが重要!それがなければ続けることは難しい。飛龍さんも地域通貨『ゆーる』を村で作っていますが、楽しいと感じられる「ゆるいつながり」がやはり続けられる秘訣なのでしょう。場が廃れずに成長していくには各々がたくさん話し合って、見えてくる課題や喜びを共有し、一人一人の経験を語ることで作り上げてくことしかできないと感じています。

緑茶の独自の視点

私が研究して思うコミュニティづくりの重要な視点は
・「美しさ」を見つけ、実践する
・「ゆるいつながり」である
・「楽しさ」を感じている
・「辛さ」を溜め込まない
・「価値観を共有」する
・「完成しない一つの絵」をそれぞれが作っていると意識する

が必要ではないかと勝手に思いました。

旅するコミュニティ

では私はどんなコミュニティを作れるのか。
気がつきました。この『ロマ金』と共に映画館に行き、上映を行い、人と再会する。一つの作品をきっかけに知り合う仲間が増える。そう、すでに移動式コミュニティなのです。移動するたびに自然と作られていく拠点を持たないコミュニティの形もあっていい。
簡単に配信で映画を観ることが可能になった反面、ミニシアターが街から消えていっているのも現状です。そして映画館としても私たちとしても、人を集める困難さに直面しています。ですが人と会うことや話すことも場所があれば可能です。それはオンラインもアリですが、まず直接会うことを忘れてはならないなと思っています。
映画館離れしてしまった人も、コミュニティとしての価値を感じてもらえたら、その場所に集まるきっかけになる。そして、ロマ金にはその可能性を感じました。

一つの場づくりとして、お祭りとして、
これからも私たちは全国を回ります。
『ロマ金』と共に出会っていただけたら嬉しいです。


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ロマ金への応援コメント

映画『ロマンチック金銭感覚』
テアトル梅田にて9月20日(金)24日(火)26日(木)レイトショー上映!

まだまだりょくまゆの日記は続きます!
りょくまゆ


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