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フランスの旅 2023.3〜4

フランスへ行くのは久しぶり

2000年ごろにイタリアへ3週間旅行し、旅の最後にニースへ行った。なぜその地を選んだのか忘れてしまったけど、イタリアから電車で行けて、夜行列車に乗ってみたら面白そう、と思って選んだ記憶がある。リラとフランからユーロに切り替わるタイミングだった。夏だったからビーチへ行き、地元のフランス人親子3人連れと隣のパラソルになり、私はひとりだったから2人席のあいてるとこ座っていいよと12〜13歳くらいの少年に座らせた記憶がある。有料席は全て2人席だったから。フランス語は話せなかったので英語で伝えたのだけど具体的なやりとりをあまり覚えていない。
2回目は、2005年。これもイタリアへ行ったついでにパリを経由して、半日観光した。出張でフィレンツェへ行き、学会発表したのだった。プライベートのために日程を変更することは許されていないから、なるべく長くパリに滞在できるエールフランスの便で移動して、12時間ほどのトランジットの間にエッフェル塔に上り、ルーブル美術館へ行った。楽しかったからまたすぐに来よう。そう思って18年、信じられないくらい長い時間が経過していた。私の中である種の時間が止まっていて、スローモーションというよりは時空を超えてしまった印象だった。右見て左見たらタイムスリップしたような。流石にこの流れを変えなければまた10年20年がすぐ経ってしまう。

どこへ行ったの?

2023年、3回目のフランス旅行は人に会いにいく旅だった。昨年モロッコで出会った友人に会いに行く旅。来たら?と誘われて、じゃあ行くね、と言って行った旅。毎日どこかしらを散歩してカフェでお茶を飲み、観光地をぶらぶらして歩いた。日本食材店でパン粉やソースを買いトンカツを作ったり、持参した高松のうどん、ジャンボフェリーで買ったうどんを作ったりして、日本の食もフランス人に紹介した。夕食に招待されてフランスの家庭料理をいただいたり、レストランで食事したり、楽しい旅だった。パリのレストランへ行った時のこと、若い日本人が修行していて食後に少し話した。地元で評判のレストランで日本人が働いて、彼がどのように自分の仕事に活かすのか、日本料理とここでの経験の展開が楽しみだ。

フランスへ行ったと言って聞かれるのはたいていは、どこへ?であって何しに?ではない。休暇の場合どこかへ行きたくて旅行するのが前提になっているからだ。どこへ行ったかと聞かれれば、Google mapを見ながら説明する。地図を見なければシークエンスになっている旅の道筋を説明できないからだ。パリからスラックの対岸までドライブしてね、ストで川が渡れなくてボルドーまで数百キロ迂回したのよ〜という話になる。この旅は人に会いに行く旅だったから誰々とここへ行った、と常に誰か登場人物が出てくる。

この旅を境にどこかへ行く旅はしなくなり、誰に会いに行くか?で目的地を決める旅にシフトしていったように思う。今このテキストの最後の部分はパリから帰ってきて6ヶ月後に書いている。今は日本で秋深まる10月末、去年はモロッコに行く直前だった。チケットをとってすぐ旅に出て日本の秋を見逃してしまったが、今年はこのまま日本の落ち葉を眺めたりするのかしら?

2週間後の予定は空いているからどこかへ行ってもいい。私は何かを待っているのだろうか?


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