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酒に酔うとはこういうことか

8月の週末に彼氏と2泊3日の旅行に行った。

山と川と海が綺麗な田舎だった。

初日は車を借りて絶景各所を周り、グランピング施設に行ってバーベキューをした。夜には星が大量にでており、もはや夏の大三角形がどこにあるのかわからないほどだった。

2日目は川に浸かったり川にサングラスを流されたり現地の美味しい料理を食べたりした。夜も郷土料理屋でたらふく食べた。ちなみに私はアルコールがほとんど飲めないが、せっかくの旅先だし「1杯くらい」と飲んでみた。

そもそもアルコールが無理な体質の自分は、酒を飲んでも「酔う」状態になるということがほぼなかった。すぐに頭痛と嘔気が襲う。ほろ酔いも1缶飲めた試しがない。だから飲み会に行ってもジュースばっかり飲んでいる。そんな自分がせっかくの旅先だしと梅酒を飲んでみたらあら不思議。途端に笑い上戸になっていた。出てくる料理をヘラヘラと食べながらコップから水がこぼれて爆笑、料理をとりこぼして爆笑。典型的な笑い上戸の酔っ払いになってしまった。その時の感情も周りの状況も覚えているが、なぜ気分があんなに楽しくなってしまったのかわからない。あれが酒の力か。そりゃみんな飲むわ。やっとお酒の楽しさがわかった。

お酒の楽しさがわかったところで緩やかに襲ってくる気持ち悪さ。宿に着く頃には一言も喋ることができなくなっていた。彼氏の膝に巻きついて目を閉じていたら、明日で旅行が終わることがとてつもなく悲しくなって涙が出た。今度は泣き上戸か。なるほど、酒には感情の振れ幅を大きくする作用がある。ちなみに彼氏は酒に強いので宿に帰ってからも酒を飲みポップコーンをボリボリ食っていた。そして私が泣いていたことなど気づかなかったらしい。気づけそこは。

3日目は旅行らしく喧嘩して空気がかなり悪くなる事態にも見舞われたが、なんとか短時間でリカバーできた。1ヶ月に1度しか会えないのでお互い気持ちよく別れたかったのだろう。

空港で彼を見送り、自分の飛行機が来るまでの暇な時間は旅行中に撮った写真や動画を見返した。田舎の自然の暴力は凄まじく、撮った写真や動画の全てが綺麗だった。


酒を飲んだ日の夜、帰り道で彼氏が

「まあ、酔って今の感じになるなら男とサシ飲みとかはしない方がいいと思うよ。お持ち帰りされると思うから。」

と言っていた。

「男とサシ飲みしていいの?」

「いや、いやだけどさ。」

その場面こそ動画に撮っておけばよかった。



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