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ブームを作るにはフラッシュモブから学べ

サプライズの定番、フラッシュモブ。結婚式やイベントなどで不特定多数の人が突如パフォーマンスを始め、周囲を驚かせます。

フラッシュモブの発祥は2003年NY、雑誌記者のビル・ワジク氏がいたずら心で始めたことがきっかけです。世界的に認知されるようになったのはImprov Everywhereが仕掛けた「Frozen Grand Central」

創設者でコメディアンのチャーリー・トッド氏はNYに来た当初、舞台に上がる機会がなかったため仕方なく公共の場を舞台として扱うことに。いかにもアートパフォーマンスが盛んなアメリカらしい発想ですが、世界的に広がったワケは決して彼が有名なコメディアンでも、参加者が有名になったり、お金を稼げることではありません。

本当の理由は「目に見えない人の欲求に基づいていたから」なのです。

Zoë Chance氏は影響力と説得の専門家としてYale School of Managementの助教授として教鞭を取りつつ、「なぜフラッシュモブが人々に受け入れられたのか」明快に解説します。

フラッシュモブは「重要だと思われたい欲求」を満たす。
人には「自分は重要だと思われたい」という欲求があります。妹や弟ができると上の子が赤ちゃん返りするのは母親の注意を引く=重要な存在だと認識してもらうためだと言われています。

フラッシュモブは一瞬で周囲の注目を集めることができ、自分が見られていることで大切にされている、周囲の人間にとって重要だと感じることができます。

しかし一方で、見られることや注目を集めることが不安や緊張に感じる人もいるはずですよね。

フラッシュモブは「安全でありたい欲求」を満たす。
フラッシュモブはグループで行うことが前提です。これは「群れの心理」、つまりみんなで行動すれば怖いことはないと思うため、参加者は安心してパフォーマンスを行えます。ただし、参加者同士が互いの目の届く範囲にいることが条件です。

フラッシュモブは「不確実性を楽しむ欲求」を満たす。
参加者の一番の醍醐味は周囲の人の反応です。これは事前に予測することができず、成功するか失敗するか誰にも分からない。フラッシュモブにリハーサルはありません。

この不確実性が人の行動をいい意味で後押しします。実際にやってみるまで何が起こるか分からない(プロジェクトでは避けたいですが)状態こそ参加者を引きつける要素なのです。

フラッシュモブは「繋がりたい欲求」を満たす。
この欲求によって人類は繁栄してきたともいえます。繋がりを作ることで自身のコミュニティを形成し、社会を構成してきました。フラッシュモブは参加者同士、ダンスや演劇などのパフォーマンスを通して共通の体験をすることで繋がりを生み、また参加したいと思わせるのです。

フラッシュモブは「達成・成長欲求」を満たす
街なかで突然動きを止めるだけのフラッシュモブであっても、人は「やりきった」と達成感を感じます。たとえ下手でもダンスができるようになれば、成長を感じることもできるでしょう。達成と成長感はスパイスのように人の心に働き、動かすのです。

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