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「分からない」はサービスにとって大敵

行動科学系のオンラインコースMindWorxAcademyでの学びをまとめていきます。

時間のない人用サマリー
・モチベーションを上げる前に適切なタイミングで不安を取り除いてあげたほうが良い
・何をしてほしいのか明確に伝える
・ベネフィットをどれだけ伝えてもたった1つの不安が原因で動いてくれないことがある

ここでの不安(不確実性)とはユーザーが疑問を持ったり、解決されていない問題がある状態を指しています

この状態はユーザーにとって最も良くない体験の一つ。この体験を避けるため購入をやめたり、サービスから去ったりします。不安を抱かせてしまうのは体験としても売上としてもよくありません。

例えばbooking.comではカード決済をする直前まで支払いが発生しないことを何度も伝えたり、Uberは車の現在位置や車の色・ナンバーなどを伝えたり、メディアサイトでは記事を読む時間を伝えています。

「分からないこと」は不安に直結します。

有名な話に列車がダイヤ通り運行せず乗客からの苦情が殺到していました。そこで列車があと何分で来るか電光掲示板に表示したところ劇的に苦情が減ったそうです。

美しいコピーや営業トークでモチベーションを高めようとする前に「なにが不安なのか」「なにが分からないのか」を除いてあげる方が得策です。

つまり「こんなベネフィットが!」と訴え続けても、たった1つの不安や疑問のせいでユーザーが思ったように動いてくれないことがあります。

これを非常にうまく使っている企業がNetflixです。

彼らはユーザーがNetflixに登録する時もっとも不安に感じていることは「キャンセルできるのかどうか?」と考え、トップページに「いつでもキャンセルできます」と表示しています。(ABテストをしているので毎回そうではないのですが)

ここで大切なのは「適切なタイミング」です。

例えばプランを選ぶ時は変更ができるのか?カード情報を入れる時には課金のタイミングや無料期間前にはリマインドメールを送ること、もちろんいつでもキャンセルできることを伝えています。(今は変わっちゃっているかも)

コースの中で紹介された事例では求人サイトが取り上げられていました。

求人サイトから履歴書を送る人を増やすため、チームはまず調査を行います。結果として

「履歴書を送っても、書類で弾かれてしまうのではないか、、、要件をすべて満たしていないし、、、」

と不安になっていることを掴み、求人票ページから離れようとしている時に

「この仕事に興味があるけど、要件を満たしていないしと思っていませんか?この求人を見たあなたと同じような〇〇%の人が履歴書を送っています。数クリックで履歴書を送れるうえ、何のコストもかかりません」

とモーダルで表示したところコンバージョンは154%上昇したそうです。

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逆手にとれば不安を煽ることで売上につなげることも可能ですし、巷にはたくさんその手のテクニックが溢れています。スパイス程度に使うのは問題ないですが、長期的にユーザーと良い関係を築くのは難しいでしょう。

不安だけに不安定なんだと思います。

頂いた資金は子供支援団体などに寄付していきます。