個性の出し方って、それだけですか?

物凄く久しぶりの投稿だが、センシティブな話題についてちょっと炎上しそうな視点で書く。以下の記事にのような問題についてだ。

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-55700870

まぁ簡単に言えば就活の画一的なルールのせいで女性や性的少数者に苦しんでいる人がそこそこいるみたいだね、って話。

始めに断っておくが、私はこの手の話題に対して無頓着だし、そのスタンスは割とこれからも変わらないだろうと思う。

この手の問題について私が無頓着なのは恐らくは私が男社会で生きてきた20代中盤の男性で、4年制大学を卒業して、一般企業に就職している日本人の健常者で異性愛者だからだと考えている。

で、この手の記事が出る度に疑問に思うことがある。

「君らのアイデンティティとか個性って、性自認とか好きな格好することだけなの?」
と。

就活のスーツは私も嫌いだ。暑いしネクタイとか面倒くさいし。そんな風習は消え失せたらいいと思う。
ただ、別に許容はできてしまう。全く苦痛ではない。

だって、私のアイデンティティや個性は格好で表すものではないから。
私は他人と全く同じスーツを着ていても自分らしく生きていけるし、自分の個性を発揮できる。

むしろその「自分らしい恰好」に拘泥する人は、そこにしか自分の拠り所とか、個性を発揮できる点がないのか?とすら思う。絶対にそんなことはないのだが。

まぁ、女性のスカートとヒールに関しては別だ。アレは足への負担とオッサン達のキモい視線が刺さるという実害がある。穿きたくない人は穿かなくていい、というルールができてほしい。さすがに気の毒だ。

服装に関しては本当によく分からない。就活の間くらい我慢しろ…とは言わないが、アイデンティティの喪失を危惧するような重大事件だろうか。

私はみんなと同じ制服を着て、スーツを着て、ユニフォームを着て、その中でどうやって個性を出すか、ということばかりを考えていた。奇抜な格好をしたがる同級生を「そういう方法でしか自己主張できない人」とすら思っていた。

でも私の考えは間違っているのだろう。彼らにとって服装が不自由なのは私が大好きな友人たちを笑わせることやソフトボールをすることを封じられるようなものなんだろう。

同時に安堵する。「そういう部分」が自分の最大のアイデンティティでなくてよかった、と。

続いて性自認について。

私は学生の頃しばしばゲイバーに通っていたが、そこの従業員さんがこんなことを言っていた。

「私、昼間は他の仕事してるけど普通にゲイなの隠してるし、それで生きにくさを感じたこと無いよ。夜はこういう居場所があるし、それは自分で探して作るものでしょ。そういうのが認められにくい環境で自分から「私はゲイです!理解してください!」って、そりゃ単なるワガママじゃない?」

聞いた時、かなり深く同意した。
それに私の感想を付け加えるなら、その人がゲイであろうとノンケであろうと、男だろうと女だろうと、それ以外だろうと正直どうでもいい。あまり興味が無い。

大事なのは私にとって良い人か、そうじゃないかだ。良い人だったらその人の大事にしている部分を大事にしてあげたいし、その人の性自認とか指向に対して配慮した行動や言動をとりたい。そしてその「良い人」かどうかを判断する材料にその人の性的指向や性別は含まれない。

私がゲイバーに行っていたのも面白い話や面白いものが見れるからであって、「ゲイ」そのものに会いに行っていたわけではない。

彼らが面白いのはゲイだからではなく、単純に「面白い生き方をした面白い人間」だからなのだ。

逆に言えば性的少数者でも没個性的でなんとも面白くない考えの持ち主はいる。
性的指向は確かに個性の一つではあるのだけれど、そこにしかアイデンティティが無い人は寂しいし面白くない。

私の友人はそれなりに多様性に溢れていると思う。4年制大学を出た一般企業のサラリーマン、借りた金を返さない浮浪者、元地下アイドル、中卒で出家した僧侶、やたらPCに詳しいヤツ、美味い店をたくさん知ってるヤツ、ソフトボールがめちゃくちゃ上手いヤツ…

私が知らないだけで、彼らの中にも性的少数者はいるかもしれない。でもそれを私が知ったとしても、一切関係は変わらないだろうと思う。そんなことが気にならないくらい、彼らには魅力的な個性が溢れているから。

まぁ、だから。
それが理由で就活が上手くいかなかった、希望通りの職場に行けなかったとしても、あなたの個性を大事にしてくれる人がいれば、そんなに悲観することでもないんじゃない?と思う。

私だって性自認とか関係ない部分の何かで希望通りに行ってないし。

ちょっと厳しい言い方になるが、行きたい場所ややりたいことが、自分の努力ではどうにもならない理由でできないことなんてナンボでもあるんだから、ある程度受け入れて自分を大切にしてくれる環境で生きるのが楽だし楽しいと思うんだけどなぁ…、という話でした。

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