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さよならライカ、ただいまニコン。

先日、2~3年ほど愛用していたLeicaM3を友人に譲りました。直接的な原因は夏の出費が思ったよりも大きかったことですが、実際には大事にしまいすぎて稼働していなかったので使ってもらえそうな友人に譲ったという流れになっています。

最後に撮ったM3

ライカを使わなくなった理由

私のM3の購入当初はレンズ曇りがあったり、距離計が少し薄くなっていましたが、広島光学さんに修理を依頼してそれなりにいい状態にして使っていました。レンズはSummicron50mm2.0(1st)とRussar20mm5.6で、RussarはLマウントですが手元にあったⅢcには後玉が干渉したためM3で使用していました。(ルサールは手元に残しています)
ズミクロンの描写はライカ判の中ではやはり優れていたように思いますし(ボケがニコンの一眼レフよりきれいな印象でした)、ルサールも軽快に使えて楽しい描写のレンズだったので、描写自体は気に入っていました。

Summicron50mm2.0(1st)
Russar20mm5.6

使わなくなってしまった理由は二つあるのですが、一つはRF方式が肌に合わなかったという事、もう一つはM型ライカの高騰でした。

RF方式は難しい

RF方式は二重像を合わせてピントを合わせる方式で、広角レンズの場合にはピントの山を見ている一眼レフよりも素早くピントを合わせられ、望遠レンズでは写る範囲の外側から内側へ移動してくる被写体を観察しながらシャッターのタイミングを計ることができるので便利です。しかしながら、二重像の見え方はシチュエーションによって一眼レフ以上に見づらくなってしまい、暗い時ほど開放で撮りたいのに二重像が見えにくいという事が多かったです。また、顔の輪郭に合わせる位ならできても、瞳にピントを合わせようとすると高い集中力が必要でした。
とはいえ、暗い所で頑張ってピントを合わせて撮影しても、自然光が美しく分散するような豊かな諧調にはならないし、ISO感度も大体400くらいが常用の限界なので、あえてフィルムで暗所を撮る必要のない人にはあまり問題にはならないでしょう。また、広角レンズ(35mmより短いレンズを想定)を愛用している場合には被写界深度が深いため問題なく合うので問題なさそうです。
実用面では問題ない事も多いのですが、レンズ側の摩耗や個体差で厳密には二重像の無限遠が合わないものがあったり、瞳にピントを合わせるのが一眼レフの方が素早くできたので、実用を考慮して一眼レフばかり使用するようになりました。

M型ライカはもはや実用しづらいほどに高騰している

M型ライカはM3, M5は比較的安価ですがそれでも高価なカメラになっていて、20~30万円くらいといったところでしょうか。ここが問題で、個人的にライカ判はたくさん数を撮りたいフォーマットで、持ち出す回数が増える分落下したりする可能性も高くなるので、あまり高価なカメラは敬遠してしまいます。
各自のカメラの扱い方やお財布事情などで大きく変わる部分ですが、個人的にライカ判は10万円くらいまでで、ある程度の修理や買い替えを前提にカメラを選びたいフォーマットです。RFが個人的に合わなかったことも踏まえると、国産一眼レフが選択肢になるわけですね。

ニコンに回帰した理由

最も大きな理由は、たまたまカメラを始めたときにニコンFMを持っていたので、そのままニコンを使い続けていたという点にあります。とはいえ、一応理由はあります。

なんだかんだ不変のFマウント

ニコンにおける「不変のFマウント」というのは非常に厄介な言葉で、ボディ側のマウントリングは基本的に同じなのですが、レンズ側の形状が微妙に異なっているせいで、初期のオートニッコール, ニューニッコールは今となっては無改造では付かないボディの方が多いです。また、最新の絞りリングがレンズ側に付いていないものは、現実的に使えるボディが限られてきます。VR機能は使えるものと、使えないものがあるのであまり期待しない方がいいかもしれません。
とはいえ、それさえ気を付ければ多くのレンズが使えるのが便利です。またZFマウントというツァイスが出しているレンズをMF機で使えるのは実質的にはニコンだけではないでしょうか。

Nikkor PC Auto 105mm F2.5

AFカメラも選択できる

現実的にフィルムカメラでAF一眼レフの選択肢があるのはニコン, キャノン, ペンタックスで、レンズとボディの両方で玉数が多いのはニコンとキャノンではないでしょうか。
キャノンの場合、MFとAFでマウントの互換性が完全に無いので、ニコンの方が便利かなと思います。その分、キャノンの方がだいぶ安く手に入るので、キャノンの一眼レフとフルサイズ対応レンズをすでに持っているならキャノンの方がコスパはいいですね。
AFカメラは露出も自動でできますので、気軽に撮ったり、旅行にポジフィルム詰めていくには良いと思います。ちょっと人に貸すにも、シャッターを押すだけでそこそこ撮れるので便利なんですよね。

ライカはもはや投資対象でしかないのか?

ライカの高騰ぶりを見ると、もはや投資対象でしかないのか?という気もしますが、RF方式ゆえのフランジバックの高い自由度は広角~標準レンズにて高い描写能力を持っていると感じました。あえてライカを使うのであれば、やはり広角側を使うのが強みを生かしていて良さそうです。
まぁ、好きなカメラを使って機嫌よく撮っている方がいい写真にも近づけると思うので手なじみが良いカメラを使うのが一番ですね。


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