見出し画像

ファミレスで学んだ対人援助の極意

「二つの見る」を実践しよう。昨日は、このタイトルでnoteを書きました。今日は、このつづきです。

私は、障がいのある人が利用する事業所の経営をしています。日々、利用者の皆さんと楽しく毎日をすごしています。楽しくすごすということは、安心で安全な日々を送るということです。そのために、気をつけていることがあります。それが、「二つの見る」を実践するということです。

「二つの見る」とは

「二つの見る」は、「予測して見る」「全体を見る」の二つです。

予測して見るとは、利用者の次の行動を予測しながら見るということです。全体を見るとは、一つのことに集中しせず、全体を見渡すということです。これが、事故防止やより良い人間関係の構築につながります。私は、この「二つの見る」を、学生時代のファミレスのアルバイトで学びました。

タイミングを見る(ファミレスのバイトで)

私は、学生時代に江の島にあるファミレスでアルバイトをしていました。今から30年以上前の話です。当時は、テーブルに従業員を呼ぶボタンはありませんでした。ホール(客席)担当の従業員が常にホールを見渡せる位置に立ち、お客様の様子を見ていました。これを怠るとマネージャーから怒られました。

お客様から「すみませーん、注文」と呼ばれてから、お客様のところに行ったら怒られます。また、だからといって早すぎて「もうちょっと」と言われても怒られます。ちょうど良いタイミングを求められました

確かにお客様を見ていると、そのタイミングがわかります。それは、メニューから目を離したり、仲間同士で会話を始めたりした瞬間です。そのタイミングをつかんで注文をうかがいに行きます。常に真剣勝負です。笑顔を保ちながら、神経がピリピリしていました。

予測しながらホールを見ていました

通りすがりに見る(ファミレスのバイトで)

もう一つ、厳しく言われたことは「ホールに出たら、同じルートで戻るな、手ぶらで帰るな」ということです。

たとえば、料理を提供したあとは、空いている食器を持て戻らなければいけません。また、お客様の注文をとったあとは、いそいで注文を厨房に伝えようとします。そのときでもマネージャーからは、手ぶらで帰るなと怒られます

マネージャーは、他のお客様の食事の進み具合や、料理の提供状況を見て来いと言います。それで次の料理やデザートを出すタイミングや、水、コーヒーのおかわりの具合を計ります。

常に全体を見ることを求められました

ファミレスも変わった

現代のファミレスとは状況が違います。注文はすべて手書きです。レジも商品番号と個数を打ち込み、お釣りも自分で数えます。覚えることがたくさんありました。お客様から怒られることもいっぱいあったし、レジのお金が合わなくて帰れないこともありました。それでも良い経験をしたと思っています。

ファミレスの経験をそっくりそのまま障がい者支援の現場で活かしている支援者はめずらしいかもしれません。しかし、それが私の法人の特徴かもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?