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自ら分析する撮影のポイント#7~構成要素による印象の違い~

今回は写真の構成要素の1つがあるのと無いのでは印象にどの様な違いが生まれるのか分析して見ます。
1枚目がPhotoshopで電柱と電線を消してシンプルな構成にしたこちらの写真です。

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2枚目がこちらの電柱と電線を残した写真です。

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全体の構成要素が少なく、画面を占める面積も大きいので電柱と電線があるのと無いのとでは全く印象が異なります。
まず、Photoshopで電柱と電線を消した方ですが、”シンプル"にすることをゴールにしていて平行と垂直を揃えた画面に傾いた電柱と電線は、邪魔になってしまいます。
一方で2枚目の電柱と電線を残した方は、"整然とした中の緊張感"をゴールにしているので、傾いた電柱が整然とした雰囲気を崩し"緊張感"を高めてる要素としては必要不可欠になります。
この緊張感は屋根の下端と水平線を意図的に合わせることで生まれた別の"緊張感"が基になっています。
屋根の下端と水平線が揃っていないと雑然とした雰囲気になってしまうので、電線と電柱の役割がなくなってしまいます。

水平線のズレ

建物と海によって作られた平行と垂直の秩序が傾いた電柱と電線によって崩されることでも"緊張感"が生まれています。

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個人的にはこの"緊張感"も好きなので、電柱と電線があっても写真としてはきちんと成り立っていると思います。

みなさんはどちらの写真が好きですか?

比較

撮影前に画面上の構成要素を作品の意図に合わせて取捨選択することが非常に重要で、本来であればphotoshopで消すことはあまりしたくありませんが、撮影時に電線と電柱による緊張感に魅力を感じて撮影していたことがはっきりと分かったので良い比較になりました。

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