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シーシャは茶をつくるように

こんにちは、株式会社TeaRoomの岩本です。
今日はシーシャのフレーバーとお茶のペアリングについてお話ししていこうと思います。というのも、最近不思議ですが本当にシーシャ屋さんからお話をいただくことが多くなりました。だいぶ場数を踏んできたのでそろそろまとめてみようと思い、noteを書くことにしました。

茶人からみたシーシャのおもしろさ

私は静岡で日本茶の製造から加工、開発まで行う会社を経営しています。ブレンドティーやハーブティーなどの製造もしており、毎日のように色々なサンプルを品評するのですが、その時に意識するのは特に「香り」です。

みなさんが日々生活している中で触れる香りは1種類かもしれませんが、科学的には2種類の香りが存在しているとされています。

香りは2種類存在する
①鼻から直接嗅ぐ香り(オルソネーザルアロマ)
②口に入れて飲み込むときに、喉から鼻に抜ける香り。
(レトロネーザルアロマ)と呼ばれています。
引用:ニチレイ
↑私は前・後鼻孔で香りを解釈していたもので、最近アロマの呼び方を知りました。カッコ良いですね。オルソネーザルとレトロネーザルです。笑

その中で、私たちがお茶の開発で特に気にするのは②番。レトロネーザルアロマです。お茶を舌の上にのせた時に、香り成分が揮発して、喉の奥から鼻腔に抜けて感じる香りです。この香りは、鼻腔の嗅細胞で感じるため、味覚と一体の感覚となって「味わい」として知覚されています。だからこそ、味や香りのバランス、香気成分の分析をしながらブレンドティーを開発しています。

一方で、シーシャはどちらかといえば鼻から直接嗅ぐ香り、オルソネーザルアロマです。香水などのアロマも同じ構造ですが、シーシャのフレーバーは基本的に鼻から嗅ぐように設計されています。

最近シーシャのフレーバーにお茶を合わせるペアリングのご依頼が増えているのですが、そこで面白いのがシーシャの鼻から直接香るフレーバーと、お茶の喉から香るフレーバー、これら2つを和えた時にどのように香りになるか実験することです。鼻から嗅ぐべき香りと、舌の上で気体化し喉の奥を通って嗅ぐ香り。これをうまく組み合わせれば、香りでブレンドティーが作れるのではないか?という仮説がたつと思います。(そしてそれはできました笑)

香りでブレンドティーを作る

例えば、シーシャのフレーバーにチャイ(シナモンやカルダモンなどの独立したフレーバーも含め)があると思うのですが、それと紅茶を合わせて香りのブレンドティーを作ることも可能です。

シナモン、カルダモン、クローブのフレーバーをシーシャで香りとして吸いながら、少しだけ砂糖を入れた紅茶を飲んでみてください。紅茶に関しては、味覚も香りを増強する一つの要素だったりするので、少し砂糖を入れて甘めにしてみたり、”シナモン香”と言われるような少し焙煎がかった紅茶を選択してみましょう。

シーシャを吸い、少し余韻が残っている時にお茶を飲んでみれば、、、とても不思議。香りでチャイフレーバーが完成します。

私は香りを吸っていると、特に喉が乾くのですが(みなさんそうですかね、、?)お茶を自然に飲むので、常に保湿がされ、喉が痛くなることもありません。

もう一つ例をあげましょう。

最近季節も夏になり、柑橘やミント系の香りのするシーシャも増えてきたと思います。冷えたシーシャもありますよね。そんな時にバチっと決まるのは静岡の山のお茶だったりします。旨味が強すぎず、カテキンが強く、山の香りと言われる清涼感のある香りが駆け抜けるお茶。例えばそのお茶にレモンピールを混ぜたものを作り、柑橘フレーバーのシーシャに合わせれば、もう抜群。

鼻からは甘めの柑橘の香り。喉から返ってくる”返り香”(レトロネーザル)は渋くキリッと爽やかなレモンと煎茶の香り。もう最高です。

まるで、海でコロナビールを飲むくらい、バチっとハマる組み合わせです(この例えはよくわからないかもしれませんが、バチっとハマります)

このようにオルソネーザルとレトロネーザルの組み合わせよって、シーンや季節に合わせた香りのブレンドティーをつくることが可能です。
シーシャ屋ではワンドリンク制が基本だと思うのですが、ワンドリンクすらも体験に落とし込んで価値提供ができるはずです・・・

日本のシーシャ屋には、お茶が必要だ。

いわしくらぶの大地さんと話していた時に、いわしくらぶはもともと喫茶店だったというお話を伺いました。だからこそ、シーシャがメインになった今も、喫茶店のように皆が自然に集まり、居心地がよく、帰ってきたくなる場所を作りたいと。だからお茶はいいよね〜なんて話をしてくださいました。

もちろんシーシャには色々な流派があり、CHILLをブランディングに使っているところもエモさが先行する喫茶店に近いところもあるでしょう。ただ、みんなおそらく根本にある思想は同じで、人が自然に集まる場を作りたい、そんな想いであるはずだと思っています。

もともとお茶屋さんに人が集まっていたようなあの姿を再現したい。そんな切な想いと共に、まだまだ日本的なシーシャの形や、単純に喫茶体験の向上、ドリンクの拡張をできると思っています。だからこそ、私はシーシャ屋にはお茶が入るべきだと思ってしまうのです。

「シーシャは茶をつくるように」香りを使って人をつなぐ場つくりを。これからも色々なところに顔を出すので、相手してください笑

#香りのブレンドティー

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岩本涼 | TeaRoom🍵

Photo Credit to @isokawadaichi



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