スタンフォード大学名誉学長が教える本物のリーダーが大切にすることー④

第4章:リーダーと組織を形づくるものは、「共感」である

【意思決定の1つの要素に入れるもの】

 「共感」というものを意思決定の1つに入れるというのが、著者の見解である。重要な意思決定には、経験的な事実に基づくデータや、ロジックの成立性、感情など入れない判断が重要だと考える経営者もいるだろうが、それも重要であるものの、相手の立場に立って、見なければその本質は見えてこない。

【共感の性質】

 共感には、パーソナルな共感と組織的な共感がある。パーソナルな共感とは、自分の価値観や尊敬など自分の感性とマッチすることを指す。この考えは比較的簡単で、自分が「ビビッ」ときたものという印象がある。組織的な共感とは、その組織のビジョン・ミッションと照らし合わせて親和性があるのかどうかを考える事である。よって、意思決定において、個人的にすごく共感できても、組織的な共感にそぐわなければ、組織の決定として意思決定することは避けるべきである。一方、個人的に共感できるのであれば、個人として何らかの支援をするべきである。これはなかなか一般サラリーマンだと難しいが、例えば大きな資産家である会社の長が意思決定を下すときに、会社の金を投じるのか、私財を投じるのかをジャッジするときに役立つ考え方であると考える。

【この章のむずかしさ】

 この章は、前の3章に比べ、「共感」というキーワードを軸に、いろいろな体験や、示唆がちりばめられている。これも共感の定義に入るんだという驚きもあり、事例、情報量の多さから、これを自分の中でどうやって抽象化すればいいんだというのがモヤモヤしており、消化しきれていないというのが事実である。おそらく自分はまだその域に達していないのであろう。先へ読み進め、もう少し成長したなと感じたときに読み返してみたいと思う。

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