遼短歌、空腹

生焼けの脱法レバーの食感は欲情しているお前に似てる

ひび割れたパンケーキだけが見ていたのションベンかけ合う男２人を

甘じょっぱいキューバサンドを分け合って「キューバってどこ？」「さあ知らん」

ローションとバイアグラ２錠缶ビール夢の国への通行手形

夕暮れにイカれたエアコン蝉の声お前の汗でビールが飲めるよ

ビリヤードキューを構えて腰を落とす俺を突くのと同じ角度で

愛されてなどいないと知りながら抱かれることは麻薬だろうか

色恋で馬鹿になるのが最高と知らない馬鹿が多すぎやしないか

８秒のキスで交換する雑菌あと何億個でひとつになれるの

深夜２時悪夢に歪む横顔があんまり綺麗でこのまま死ねばいいのに

夕暮れに弓なり反った俺の腰パームツリーの影と揺れてる

もう一杯くれよ舌の隙間から口移しのラムもう一杯くれよ

モノクロの天国なんて退屈でド派手な地獄を見せてくれよ夏だもの