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西巣鴨の短歌

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気まぐれに書き溜めた短歌です。ちょっとエッチかも知れません。すいません。
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記事一覧

遼短歌、灯台

海沿いの街に住みたい灯台があるから迷子にならないで済む 終バスの時刻表に寄りかかり誰かを…

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遼短歌、海、桜

弱ってる時だけお前は優しいから毒でも盛ろうか好きだと言ってよ 「ナマはお前だけ」と愛を嘯…

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遼短歌、初夏

パーカーのフードをかぶってキスすると世界が全部お前になる気がして 鼠蹊部の血管伝いに舌這…

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遼短歌、空腹

生焼けの脱法レバーの食感は欲情しているお前に似てる ひび割れたパンケーキだけが見ていたの…

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遼短歌、真夜中

お巡りさん俺たちこんなことしてるだからお願い早く撃ってよ ただ眠ることすらまともにできな…

遼短歌、夏、参

長い指俺の前髪かき分ける瞳の奥まで踏み入るように 立ちションを並んでしながら海風が触れ合…

西巣鴨短歌、煙草

気怠げな情事の後の革のソファパーラメントの灰が散っている 灰色のお前の嘘が聞きたくて片道2時間窓を睨んでいる 手を繋ぎ換気扇の下キスをした煙が二人を隠してくれる 抱き合って胸ポケットのマルボロが音もたてずに折れるのを聞いた 雨の日は煙草が美味いと目を細め晴れた日にも同じことを言う 一晩中犬になった翌朝は咥えたフィルター血がついている 平然と煙草の先で虫を焼く野蛮な火種俺にも向くか 夜道からお前がやってくる音がする淡い光棚引かせながら ニコチンと柔軟剤が混ざり合

西巣鴨短歌、植物

君の指きゅうりと共にしゃぶりあげ蛇腹切りはエモいと思う 開襟の小花を散らした赤いシャツこ…

西巣鴨短歌、雨

絡み合う二人はまるでスコールに取り込み忘れた洗濯物 夕立に濡れた癖毛が愛しくて指を絡めた…

西巣鴨短歌、夏、弐

秘事を楽しむふりする熱帯夜好きと言ったら夏が終わるの マルボロとパーラメント絡み合う…

西巣鴨短歌、夏

甘美さに背中粟立つ焼けた肌アスファルトには腐った向日葵 絡み合う砂に塗れた影ふたつ仮設シ…