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西巣鴨短歌、煙草

気怠げな情事の後の革のソファパーラメントの灰が散っている

灰色のお前の嘘が聞きたくて片道2時間窓を睨んでいる

手を繋ぎ換気扇の下キスをした煙が二人を隠してくれる

抱き合って胸ポケットのマルボロが音もたてずに折れるのを聞いた

雨の日は煙草が美味いと目を細め晴れた日にも同じことを言う

一晩中犬になった翌朝は咥えたフィルター血がついている

平然と煙草の先で虫を焼く野蛮な火種俺にも向くか

夜道からお前がやってくる音がする淡い光棚引かせながら

ニコチンと柔軟剤が混ざり合う野蛮な香り包まれて眠る

何度でも過ち犯す俺たちの灰皿の中シケモクだらけ

もういっそこのまま死んでもいいのさと幽霊みたいな煙を吐いた

暗い海蛍のようなふたつの火星月よりもずっと輝く

ヤニ臭い爪先触れる俺の首このまま絞められてもいいとさえ

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