Take RooTsインタビュー③後編

前回に引き続き、都留 孝治さんへの
インタビューをまとめさせていただきます。

はじめて読まれる方は
こちら(インタビュー前編)
から読んでくださいね(^_^)



◎インタビュー

Q.利⽤者さんも想定以上のペースで増えていると伺いましたが、業務内容から考えると⼤変に感じることも多いのではないでしょうか?
都留:必要として下さる⽅々の声に応えられるというのは私たちにとって⼤きな喜びですし、働く上での原動⼒になっています。ですので、夢中になって⾃分のやりたいことに打ち込めている今は、多少忙しくとも苦になりません。ありがたいことに、とても充実した⽇々を過ごすことができています。


Q.訪問リハを提供する上で⼤事にされていることは何ですか?
都留:当院の院⻑から「最初からできないと⾔うことほど簡単なことはない。」と⾔われたことがあります。「どうやったらできるのか?」を利⽤者さんやご家族の思いを汲みながら考えていくのが私たちリハ職の役割だと考えています。当院には「利⽤者さんの思いを否定しない」という⾏動指針があり、スタッフには⼝うるさく伝えています。訪問リハにおける専⾨職の存在意義はそこにこそあるのではないかと考えているからです。


Q.
患者さんへの退院⽀援を進めていく上でのアドバイスはありますか?
都留:病院で⼊院患者のみを対象として働いている⽅であれば、介護保険制度のことをそこまで細かく熟知している必要はないと思います。私も訪問リハの仕事に従事するまでは、制度のことは勉強しても正直、全く頭に⼊りませんでした(笑) 。ただ⼊院してきた患者さんが介護保険証をお持ちの場合、在宅では何のサービスをどのような⽬的で利⽤していたのかという情報を把握していると、退院⽀援がよりスムーズになるのではないかと思います。


Q.都留さんの⽬標や展望はなんでしょうか?
都留:⼿前味噌で申し訳ないのですが、当院の⾏動指針の⼀つに「やってみたい…を、できた!に。」を掲げています。まずは在宅で⽣活する病気や障がいを持った⽅々が好きなことを諦めない、やりたいことを⽀援できる訪問リハというサービスを、必要としている多くの⽅々へ届けることが⽬標です。そのために利⽤者さんの思いを汲みながら、既存の地域のインフラとのマッチングを図り、社会参加を⽀援していきたいと考えています。もしニーズはあっても地域にないものがあれば、私たちがつくっていきます。
 また私たちが提供している訪問リハ介⼊の効果を検証し、学会発表も⾏っていく予定です。⾃分たちの介⼊がどのような成果をもたらしているのかを調べて発表することで私たちのサービスを認知していただき、その結果と向き合うことで、サービスの質の向上を図っていければ、と考えています。

◎インタビューした感想

「できないと⾔うことほど簡単なことはない。
どうやったらできるのか?を
考えるのがリハ職の役割。」

 私が最も印象に残ったこの⾔葉は、都留さんの理学療法⼠としての姿勢が凝縮されていると感じました。ゆっくりと丁寧に話してくださいましたが、その⾔葉の裏にある決意や覚悟を感じ、背中を叩かれているような気持ちになりました。インタビューの最中、臨床で何かと理由をつけて「できない」と⾔っている⾃分に気づかされました。ある程度経験を積んだ今だからこそ、「本当にできないのか?」「なぜできないのか?」をもう⼀度ゼロベースから再考しても良い時期に来ているのではないかと思いました。都留さんから「何のために、何をするのか」と本質的な話を聴けたことで、「患者さんは⾃分に何を求めているのか?」、「私が理学療法⼠でいることの意味は何か?」、「⾃分が今後果たすべき役割は何か?」について思いを馳せるきっかけになりました。

 本⽇はお忙しい中、わざわざ時間を割いていただきありがとうございました。

 今後もインタビュー記事を配信させていただくので、ご意見・ご感想などいただけると幸いです。

都留 孝治さん
《略歴》
医療法⼈ 都留内科医院
訪問リハビリテーション管理者 理学療法⼠

H22.3 ⼩倉リハビリテーション学院 夜間部卒業
H24.4 ⾅杵市医師会 コスモス病院リハビリテーション部 ⼊職
H30.9 同上 退職
H30.10 医療法⼈ 都留内科医院⼊職 訪問リハビリテーション部⾨立ち上げ 管理者就任

インタビュー日:2020年12月16日

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