可視化できないものにこそ満足度を高めるヒントがある
こんにちは。
青山にてフリーランス美容師をやっております加藤と申します。
飲食店や旅先のホテル、近所のコンビニやスーパーなど、商品やサービスを提供している場所にはそれぞれに明確な目的を持っていきますよね?
食事をする、宿泊する、食品を買ったり日用品を買ったり。
間違っても今日の寝床にするためにコンビニに行く人はいないはずです。
では美容室とはどんな場所でしょうか。
当然美容室という場所は髪の毛をカットして、カラーをし、パーマをかける場所であり、お客様は綺麗に可愛くそしてかっこよくなるためにいらっしゃいます。
それだけでなく、中にはコンプレックスを解消することを目的とした施術を求めてくるお客様もいるかもしれませんし、直接言われなくとも僕たち美容師はそれを汲み取りカバーするスキルが必要となる場合もあります。
ここで美容師さんに思い出してみていただきたいのですが、自分としては自信満々な仕上がりでお客様も満足されていたのになぜか来なくなったお客様はいらっしませんか?
「あのお客様なんで来なくなったんだろう。」
原因が明確にわからないまま来なくなったお客様というのはおそらく何人かいるはずです。(ちなみに僕は何人もいます。)
もちろん急な転勤などによる引っ越しや、病気で入院してしまったりなど、どうしようもない理由などで来られなくなったという場合もあるかもしれません。
そもそも最もダメなパターンだと、完璧だと思っていたのは美容師側だけでお客様はそうは思っていなかったというケースもあります。
ではそうじゃなかった場合、なぜお客様は再来されなくなったのか。
この原因がお客様が美容室を変える理由で一番多いとされる「なんとなく」に関係してくると思うんです。
仕上がりは良かったし、自分の希望通りのスタイルになった。
満足はしているし別に文句はないけれどなんとなく美容室や美容師さんを変えてしまう。
お客様に満足していただくことや期待に応えることは大前提で、そもそもそれができなければ当然リピートしていただくことは難しいことです。
ここで言うお客様に感じていただけた満足というのはあらかじめお客様が求めていたものに対しての商品や価値を提供することができた、というだけなんだと思います。
少し話は変わりますが少し思い返してみてください。
美味しくて何度も通っていたのに最近行ってないなぁというお店はありませんか?
別にこれといった嫌な理由はないし満足はしていたんだけれど知らないうちに足が遠のいた、そんなお店や場所がいくつかあるのではと思います。
美味しかったけれどなんで行かなくなったのか?
美味しいものを食べてお腹を満たしに行くことが自分にとってその店に行く目的なのであれば、それに対しての価値は提供してもらっているので満足している。
それなのになんとなく行かなくなってしまている。
美容室であれ飲食店であれ、この「なんとなくとく」という気持ちにストップがかけられなかった原因は、求めていたモノに対する満足はあったけれどそれを超える感動や心に残るアクションがなかったからだと思うんです。
これは大きなものでなくちょっとしたちょっとしたもので十分だと思うんです。
「美味しかった!お腹いっぱいになった!」
大きな感動は確かに鮮明に残るかもしれませんが、ふとした時に思い出す感動というのは意外とちょっとしたものな気がします。
僕は東京に来て15年程になるのですが、唯一通い続けている安くて美味しい餃子屋さんがあります。
まだアシスタントだったある日、営業後のレッスン終わりで終電もない時間帯にお腹が空いたなと思いふとその餃子屋さんに立ち寄りました。
焼き餃子2枚と生ビールを頼む僕。
注文後、すぐさま女性の店員さんが生ビールを先に持ってきてくれたのですが、その時に「今日も一日お疲れ様でした」と一言添えてくれたんです。
当時アシスタントでお金もそんなになく、ほぼ毎日終電生活で疲弊していた僕はそのちょっとした一言にすごく感動したことを覚えています。
他の店員さんをみてみると「お疲れ様でした」を添えるている方はいなかったので、お店のマニュアルとかではなくその店員さんのオリジナルな接客だったと思います。
その一言をきっかけに、餃子が食べたいなと思うとそのお店が絶対頭の中に出てくるようになり長く通うお店になりました。
なのでその餃子屋さんに「なんとなく行かなくなる」と言うことはおそらく今後もないような気がしています。
その場所に行く目的というのは必ずあって、求める商品やサービスというのは明確にあります。
先にもお話ししたように美容室というのは髪の毛を整えることでなりたい自分になる場所です。
とはいえそれは最低限お客様が求めるものであり美容師が確実に提供しなくてはいけないものだと思います。
今回タイトルにも書かせていただいたように、お客様の満足度を上げる方法というのは鏡ごしに見える仕上がりだけではなく、目には見えない何気ない一言やアクションがその価値を高めるヒントになるのではと思います。
毎回ちょっとだけ心を動かす感動を。
そんな積み重ねを大事にしていきたいと思います。
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