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三千円の使い方/原田ひ香

今日は少しこれまでと雰囲気の違う作品を。
とある古書ブースで発見し、読んでみた。タイトルに非常に惹かれて。
こちらの作品から今回は思考をまとめてみようと思う。

あの世に持って行けないから使いましょう、というのと、お金がどれだけあっても不安だから節約しなくちゃ、という相反した言葉が、同じ口から出てくるのが老人というものだ。

三千円の使い方/原田ひ香

→なるほど。自分はもちろん、両親や義両親のことも思い浮かべながら、覚えておこうと思った。

自分は稼いだ給料を全て女房に渡して、なんの不満もなく生きていける。そういう人間しか、家庭を持ったり、子供を育てたりできないのではないだろうか。これもまた特殊能力だ。

三千円の使い方/原田ひ香

→この特殊能力を僕はできるだけ持ち合わせていたい。

「費用対効果。そんなこと言ってたら、絶対、子供なんて作れない。子供なんて、結婚なんて、理不尽なことばかりだもの、じゃあ、今のあなたの生き方なんて、どこに費用対効果があるの?旅して、バイトして死んでいくだけなのに、何を偉そうに。旅行していったい何になるの?」

三千円の使い方/原田ひ香

→費用対効果は人生には不要だと思う。営業には必要な観点だが、人生は営業ではない。

「人生は理不尽なもの。でも、理不尽なことがなかったら、なんのための節約なの?経済なの?節約って生きていることを受け入れた上ですることよ。費用対効果なんてない、ってことを受け入れてからの節約なのよ。じゃなかったら、私みたいな年寄りはもう死んだ方がいいてことよね」

三千円の使い方/原田ひ香

→費用対効果なんて通用しない、理不尽なものが人生。その人生をどう最高なものにするのかを楽しむ。

「人生はいつからでもできることがある、ということ。二十年以上同じ会社にいて、ここをやめたら人生はもう終わりって思ってたけどそうではなかったから」

三千円の使い方/原田ひ香

→終わりなんてない。それは自分で決めているだけ。

「だから、あとは、そういうことじゃなくて、他人のことを期待するんじゃなくて、私やあなたがこれをどうするか、納得できる方法を考えていくしかない。事態は変わらないのだから、自分を納得させるしかない、たぶん」

三千円の使い方/原田ひ香

→お前はどうしたい?それに尽きる。

ストーリーや視点がいくつか重なった作品だが、テーマは一貫しており、非常に楽しめた。
お金、人生に関してビジネス書よりもライトに教えてくれる作品だ。

たくさんの人に読んでいただきたいなと思う。

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