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カジノに行った大学生の末路~蒼き狼に会いに#7~

モンゴルでの旅を終え、空港に向かった。
空港についてみると、なんてこった。

フライト時刻が15:20→19:15に変更されている。
「なんやねん。もっと前に連絡しとけよ。」と思いながらも、
人生すべてが思い通りに行かないなと観念して空港内を散策する。

カフェやバーガーキングなど色々な店があったが、面白そうな店を見つけた。
それがラーメン屋だ。

モンゴルのラーメン屋はどんな味がするのだろうか?
豚骨ラーメンを注文したが日本円では1200円くらい。
空港価格というのもあるが、モンゴルの物価も加味するとやはり高いなと思った。いやこれは日本人が貧乏になってきているだけなのか。
そんなことを思いながらも、ラーメンを食べてみた。

牛肉のラーメン

正直な感想を言うと、お世辞でも宮川大輔みたいに「うまい!」と青空に向かって叫んだり、彦摩呂みたいに「ラーメン界の王様や!」みたいなことは言えない。

私の舌が日本の味付けに慣れているのもあるだろうが、日本の飲食店は安くておいしいなと改めて思った。

時刻は19:00を過ぎ、仁川行きの飛行機に乗った。
座席は満席で、私の隣は中年くらいの韓国人男性だった。
この男性はとても岸田総理に似ているので以降キシダと言う。

私は窓側の席に座り、キシダは私の右側つまり通路側に座った。
ここで肘置きの覇権争いが起きた。
私は共通の肘置きには普段肘を置かない。
しかし、キシダが堂々と肘置きに手を置いた。
なんか、少しプライベートゾーンに侵入されたみたいで居心地が悪くなったので、私はキシダがCAと話している隙に肘置きに手を置いた。

それからは旅の疲れもあり肘置きを死守しながら30分ほど眠りについた。

はっと目が覚めると、雑誌が置いてある所に黄色い入国審査カードが挟まっていた。CAさんが私が寝ていることに気遣って置いてくれたんだと思った。

早速、入国審査カードを書こうと思ったがペンが無い。
入国審査カードも持ちながら辺りを見渡すも、CAはいない。

するとその様子を見たキシダが「ペンいる?」と言ってくれた。
キシダはとてもやさしかった。よく見ると心に余裕のあるイケおやじ的な雰囲気があった。

入国審査カードを書き終え、ペンを返した。
そして肘置きに手を置こうとすると、キシダの手があった。
個人情報を書いている間に肘置き覇権争いに負けていた。

それと同時に、自分の器の小ささにも気が付いた。
こんな小さな事をブツブツと考えていたのか。
しょうもないな。自分に嫌気がさした。


時刻は24:00を回っていた。
フライトが4時間ほど遅れたこと、入国審査場の混雑も重なって、韓国の到着が遅くなった。

日本行きのフライトは明日の8:00だ。
カジノに行ってベットするか、空港のベンチをベット代わりにするか、
葛藤があったが、何事も経験!と思い、パラダイスカジノへ向かう。

パラダイスカジノ行きのバスはもうなかったので、歩いて向かった。

ようやく到着したが、雰囲気がすごい。
韓国のカジノは外国人専用と言うこともあり、日本人プレイヤーが非常に多かった。

初心者でも非常にプレイしやすい環境だ。
カジノでやりたかったことは軍資金1万円でどこまで増やせるかということだ。

カジノ前にあるチェス
エントランス
パラダイスカジノ

ようやく大学で受けているゲーム理論を活かす時が来たかと思った。

バカラ、ポーカー、スロット、ブラックジャック、ルーレット、たくさんのゲームがあった。

その中で、シンプルかつ軍資金を1番効率的に増やせるのは何か?
バカラか、ルーレットだと思った。

この二つの内、バカラはディーラーがいたので少しとっつきにくかったので、ルーレットをすることにした。

様子見程度に30000ウォン(3000円)をかけた。
それが当たり一気に倍の金額になる。
ちなみに私の戦略は黒か赤のどちらかに一点張りするというもの。
それが功を奏し、15分で700,000ウォン(7万円)になった。
3000円が7万になった。

ルーレット

脳汁が出るとはこういうことか、この時の興奮はすごかった。

「こんなに上手くいくのか!
待てよ、次この7万をかけて2分の1を当てたら、14万円!」
「いや、でも少し怖いな」

そんなことを思い結局、リスクヘッジとして所持金の半分の3万円をかける。

外れた。ここからが負の連鎖が続く。

「やばい!」と思いながらも、7万円を取り返さなと思い、ベットし続ける。

時刻は5:00
気が付いた時には-3万円になっていた。
当初は軍資金1万円と決めていたのだが、1度7万円を手に入れてしまうと、「取り返そう!取り返そう!」と思い、ベットし続けた。
一睡もせず目がパキっている状態でベットし続けた。

今考えるとよく3万円もかけれたなと思う。だがあの時、異常なほどの興奮状態で脳もバグっていたのだと思う。

周りの客には、100万円の札束を5つくらい裸で持ってきていた成金や、
大学生集団、明らかにカジノのために韓国に来ているだろうと思うような男性などがいた。

またカジノやりたいなと思いつつも、カジノの怖さ、中毒性も知った。

空港に戻り、改めて、大学生には大きすぎる額を失ったことに気が付いた。
朝食を食べないといけないがお金も無くなったので、240円の一平ちゃんを食べた。

その後、
日本に無事に帰ってきた。
モンゴル、韓国での出来事を振り返ると色々あったが楽しかったな思った。

さあ次はどこに行こうか!



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