見出し画像

私がリテイク地獄を切り抜けた時のお話【リテイクを切り抜ける考え方】

「なんか違うんだよねえ……」

って言われたこと、ありますか?

私は何度かあります。
最初らへんは「はぁ……?」という、
こいつ何言ってるか分かんねえなという感じでした。

タブレットを片手に悩む男性

でも修正しても修正してもリテイクは生まれて、
ストレスで眠れなくなったこともありました。

でも成長した今では、割と前向きに考えられてて、
リテイクが来てもそこまで落ち込みません。

そんな私なりの「リテイクとの付き合い方」を、
今日は昔を思い出しながら綴ります。

一人でもいい。誰かの心が救われることを祈って。


リテイクを逃れられないもの。

シナリオライターや小説家だけに限らず、
あらゆる仕事でリテイクという作業は発生しますよね。

「ここをこう直してくれ」
「赤ペン入れた所が変だから考え直して」
「面白くないので別案ください」

Re take.
つまりは「もう一度やってみて」ということな訳だが。

正直、リテイクなしで物事が通ることはほとんどありません

そしてリテイクを終えたら大体次のリテイクがやってきます

怒る男性上司

控え目に言っても無間地獄ですが、
これって結構よく見る光景なんですよね……

基本的にリテイクという作業の目的は2つ。

・作品の方向性を定めるため
・作品のクオリティを上げるため

前者は作品がブレブレにならないように必要不可欠。

男性向けの萌え萌えな美少女ゲームを作るのに、
主人公以外のイケメンな男は特別な理由がない限りいらんのです。
作品のターゲットと内容、つまり方向性がブレるから。

後者は他視点でのあら探しですね。

一つの視点では気付けないものってのはどうしても生まれる。
既知と無知では得られる情報に圧倒的な差があるから、
ダメな部分を減らし、良い部分を増やす必要がある訳だ。

バッテンする女性

一人でもできる! という人だっているだろうけど、
あいにく私は天才じゃなかった

機会に恵まれただけの凡人にすぎないからこそ、
できるのは必死で頭を回転させることだけ。

何が間違っていたのか、どうすれば通るのか……ってね。

そうして死ぬほど打ちのめされる中で、
ゆっくりとリテイクに対する考え方が構築されていきました


リテイク地獄で死にかけて、見えたもの。

会社に入って、フリーになったこれまで、
死にたいと思えるようなリテイクは何度もありました。

デビュー作となった、
「その花が咲いたら、また僕は君に出逢う」
とかは滅茶苦茶キツかったです。

画像4

《引用:Campus 製品情報》

まあ死ぬは大げさかもしれないけどね、
当時はそう考えちゃうくらい精神はズタボロだったんだ。

書いたシナリオはリテイクばかりされ、
何度書き直しても首は横に振られるばかり。

しまいにゃ「ここだけ別の人に書いてもらう?」とか言い始めるんだぜ?

会社としては理解できる考え方だけどさ、
クリエイターとしては首を切られてるくらいのダメージだった。
クリティカルヒット、痛恨の一撃だ。

何か言われる度に一人内心で、
「素人なんだから仕方ない」ってひたすらに言い訳しながら頑張ってた。

頭を抱える

そしたら仕事してない時もずーっと不安でさ、
23時に布団入ったのに深夜の4時辺りまで眠れなくなったりしました
初めて睡眠導入剤を買ったよ。まったく効かなかったけど。

会社に行きたくねえなあ、ディレクターに会いたくねえなあ。
って思いながら出勤してた。

それくらいしんどかったからか、
逃げるようにアニメと映画をガンガン観始めてさ。
多分ヒントを探していたのかもしれない。

でも、そんな逃げ道が転機だった

パソコンで動画を見る男性

色んな作品を見て、色んなキャラクターを見て。
その中でカッコいいと思えるキャラを見つけちゃうんだ。
こいつ好きだなーとか、頑張って欲しいなーとか思ってた。

そういうのを見て思い出したんだよね。
なりたかった自分を。
なぜシナリオライターになったのかを。

バッと視界が広がる感覚。
ただ自分のやりたいことを見つけただけの、単純なものだけど。

考え方が一気に変わった瞬間だった。

そうか、私はただ「物語の主人公」になりたかったんだ。


焦がれ焦がれて、そうなりたいと思った。

ちょっと話は変わるけどさ、
私の行動っていつも憧れが原動力になってるんだよね。

世間では「影響されやすい」って呼ばれるタイプ。

カッコいいと思ったものを真似したがるんだ。
自分もこうなりたい、なんて思いながら。

テニスの王子様を見てテニスを始めたり、
頭文字Dを読んでカッコよくドリフトしたいと思ったり、
映画のオーシャンズを見てジョージ・クルーニーに憧れ、
ウイスキーをロックで飲めるようにとチマチマ練習してる。

カッコいいキャラを見たあとは、喋りも動きも体が真似てしまう。
今でも上着を羽織る時はリボーンの雲雀恭弥になった気分でいる。

羅列すると何とも馬鹿っぽい……
だけど馬鹿だからさ、憧れてる瞬間が一番火力出るんだ。

画像7

《引用:Pixiv 雲雀恭弥のファンイラスト / 空音》

そんな憧れの対象をがむしゃらにいっぱい見た。
その結果、自分が憧れる人の共通点を理解した。

それは……「自分から行動する人」ということ。
(まあほとんどのキャラクターがこれに当てはまるけど)

カッコいいんだよ、自分から行動して世界を変える奴が。
自分の意見をしっかり口にして、自分の足で前へと進む姿が。

これぞ正しく「物語の主人公」なのだと思いました。

堪らなくカッコよくて、
比較した自分は酷くカッコ悪かった

手で顔を覆う男性

わたしは新入社員で新社会人だったこともあって、
ずっと受動的だったんですよね。
目をつけられたら敵わないから、相手から動くのを待ってました。

リテイクもそうだ。
ディレクターや先輩から言われたことを、ただ頷いて書き直してた

怒られたら嫌だ、こんなことも分からないと呆れられたら嫌だ。

怖がりな猫

そんなネガティブ思考が邪魔をして、
ずっと誰かが動いてくれるのを待ってたんですよね。

だけどなりたかった自分を理解して、今の自分がすごく嫌いになって。
そうしてようやく。

私は、俯いていた顔を上げることができた。


上手くいかないことを受け入れる。

とはいえね!

簡単には行かなかったよ!!

強気で打ち合わせしてやると決意しても、
いざとなったら変われずにいたりとか。
質問すると決意してから一時間声を掛けられなかったりとか。

やべえ超ダサい人間だ……と別の悲しみが私を襲ってきました。
でもまた考え直して、小さなことから挑戦し続けた。

一つだけ質問できたらOKだとか、
休憩中の人がいたら勇気を出して声を掛けて世間話するくらいとか。

それから原動力を切らさないように色んな作品を見まくりました。
ひたすらに憧れることで自分を奮い立たせた


そうしていく内に、
リテイクに対する私の考えは定まってきました。

いや、リテイクどころかあらゆる行動に対する答えが。

最初はリテイクが来たら、
「自信あったのに……自分はダメダメだ……」
なんて思ってたんだけど。

でも、それじゃいつまで経っても自分から行動できないと分かった。
というか高望みしすぎだ馬鹿。

自分が最初から何でもできる才能を持ってるなんて、
そういう物語の主人公になりたいんじゃないだろ

空を見上げる猫

そうして成長していく中で行き着いた、
リテイクを含めたあらゆることへの心構えの基礎は……

・自分の考え抜いたことに自信を持つこと
・他者の意見を受け入れること

この2つでした。


君は独りじゃない。自分と他者を受け入れられる。

クリエイターとして一人の人間として、
自分は間違っていないという自信は必要ですよね。

決して捨ててはいけないものだと私は思ってる。

「自分はこれが面白いと思う」
それを突き通すことがクリエイターの個性とも言えます。

だからこそ、
自分の考え抜いたことに自信を持つ必要がある

ガッツポーズ

でもその上で知っておかなければならない。

他者の考えや意見に耳を傾けて、
考え受け入れるというのも必要
だということを。

この記事を読んで、私の考えをあざ笑うも良かろう。
ただ一考もせずに突っぱねるのは、可能性を狭めてしまう行動でもある。

とはいえ誰かの指摘を一々鵜呑みにして、
自分の考えをただ間違いだと落ち込むのも駄目なんだ。

受け入れて、噛み砕いて、理解して

他者の言葉を自分の力へと変えることが必要だと私は思います。

悪手する格ゲーマー

こういった考えになった私は、
リテイクをもらった時やっていることがあります。

それは「自分が納得するまで相手の意見を聞き出すこと」

リテイクを出してきた側が何を考えているのか
この修正で何を求めているのか

それをしっかりと聞き出してから、
自分の考えを口にして互いの認識を合わせていく

「自分の考えへの自信」と「相手の意見を受け入れること」
を前提に考えながら、
そうしてリテイクの回数を出来るだけ減らしながら仕事をしてます

ノートとスマホでデザイン考え中

人は失敗する生き物。
失敗しない人生なんてクソゲーなんです。
そして疲れを感じる生き物でもある。
疲れた時はいつだって立ち止まっていいんです。

ただ重要なのは、自分の人生を他人に委ねないことだと私は思います。

できない自分は当たり前だと受け入れて。
できれなければいけない、なんて考えは捨ててみようよ。

あなたにだって出来るようになる、なんて言葉は言えんけどさ。
カッコつけで馬鹿に私に出来たんだから……まあ何とかなるさ。

私は宣言するぞ。この人生は、間違いなく私が主人公。

だからこそ行動して、カッコいい主人公になってやるからな!

画像14

(本人です)

という所で今日はここまで。

長い記事を読んでくれてありがとうございます。
誰かの参考になれば幸いです。

あ、よかったらフォロースキをお願いしますね!

では、また次回お会いしましょう。


もしも記事が参考になったら、スキやフォローよろしくね! 気が向いた時はサポートで支援していただけると嬉しいです。