物語において"偶然"は許されない。
ご都合主義、と呼ばれるものがある。
何でも都合よく進んでしまう物語、
それを指さして使われるようになった言葉です。
だから、どっちかというと悪い意味なんだよね。
「そんな都合のいいことあるかー!」
って感じで。
しかしご都合主義は悪いことばかりじゃない。
売れている作品にだって多い傾向でもありますので。
ということで、今日はご都合主義に関わることをご説明だ!
その内容は……
「偶然の描き方」
物語において偶然は許されるのか、
どうすればそれを描くことができるのか。
徹底的に、その考え方を語ります。
物語における偶然と必然。
まず偶然とは何かを知りましょう。
基礎を知らずに使うことなど出来ぬのだ……!
「偶然」とは、
必然性の欠如を意味し、
事前には予期しえないあるいは起こらないこともありえた出来事のこと。
(Wikipedia参照)
つまりは起きるかも分からないことが起きると、
それを偶然と呼ぶのです。
物語においても同じ。
「登校中に転校生と偶然ぶつかる」
「街を歩いていると偶然知り合いと出会う」
「家庭教師の仕事を受けたら、教える相手が偶然知り合いだった」
こんな風に予期していなかった出来事を偶然と呼びますよね。
では偶然の逆はどうでしょうか。
偶然の対義語として存在するのは「必然」。
その意味は……
必ずそうなること。
それよりほかになりようのないこと。また、そのさま。
(goo辞書参照)
こちらを物語として考えると、
「寝坊して慌てていたので、必然的に荷物を忘れた」
「彼女がバイトしている場所に行き、出会ったのは必然だ」
「私とあなたがこうして出会えたのは必然です」
こんな感じで使うかな?
しかし上記の物事は、実際には必然とは言えないんだよね。
だってその他の可能性もあるのだから、偶然かもしれない。
だけどもう既に起こったことだから必然だと言い切ることも出来る。
何だってそれが運命であると言えば必然になるし、
本当に偶々起きたのだと言えば偶然になる。
なので物語において「必然」というものはあまり重視されない。
物語として書いた時点で、ある意味すべてが必然になったとも言えるから。
さて。
偶然と必然について改めて理解できたと思う。
しかしただ偶然を書いてもご都合主義だと言われるだけです。
予兆も何もなかったのに急に出来事が起こる、
というのがご都合主義の本質ですからね。
ライトノベルなどの軽い物語ならそれでもいいと思うけど、
できるなら自然に納得できる偶然を書いておきたい。
なので次は、
「ご都合主義と言われない偶然の描き方」について考えていきましょう。
納得する偶然とは何なのか?
納得できる偶然、とはどのようなものでしょうか。
昨日書いた記事でも似たようなことを書いたけど、
納得とは「論理」から生み出されるもの。
ロジカルシンキング。
これがああなって、結果的にそうなる。
そうやって説明されてようやく納得させられる可能性が生まれるのです。
(本当に納得するかは、感情と信頼という2点も関わってきますが)
なら、論理的に偶然を作ればいいだけじゃん!
と考えて一度作ってみましょう。
主人公が夜更かしをして、寝坊して朝急いでいた。
ヒロインは転校初日で道に迷って、遅刻しそうだと慌てていた。
だから二人は道の角で偶然ぶつかってしまう。
……いや待て。
……これって、偶然か? 必然じゃね?
と、お気づきになられた方は多いと思います。
間違いなくその通りです。
偶然を論理的に説明したら、それは必然になっちゃうのです。
偶然らしく、必然を描け!
偶然が必然になってしまう。
それでユーザーを納得させられるなら、
このままでいいかもしれませんが……
偶然を書く、という目標は全く達成していません。
なのでここから伝えるのは、
「偶然らしく、必然を書く方法」です。
……と言っても超簡単。
論理的な理由付けを後に回すだけ。
ミステリーでの手法と似たようなものです。
1.先に、偶然に対する小さな伏線を1〜3つ書く。
起きる出来事を少しは理解できるようにします。
さっきの主人公とヒロインがぶつかる場合では、
「主人公が夜更かしする」くらいは情報出ししておきましょう。
2.偶然を書く。
「なぜ起きたのか」にフォーカスするのでなく、
「起きた出来事」の面白さを一番に伝えましょう。
3.その後に、偶然が起きた理由付けを書く。
なぜこうなったのかを説明して、ここで必然化させましょう。
先に謎を提示して、その後で解決させる。
この形で偶然を作ることでユーザーの納得を引き出すことができます。
ただ問題があるとすれば、偶然が起きた時点で理解できなくなり、
ユーザーが去ってしまう可能性があること。
なので、あくまでも偶然の出来事自体で楽しませなければなりません。
ヒロインの可愛さを押し出したり、ヒロインとの絡みを重視したり、
また「なぜ?」と考えることが楽しめるような謎が生まれたり。
あくまでもユーザー目線で考えること。
それは偶然に限らず、いつも考えていたいですよね。
という感じで、今日の記事は終わり!
今日は「偶然」についてお話ししました。
皆さんの創作活動へ参考になれば幸いです。
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見返りはないけど、私のモチベーションが爆上がりします。
では、また次回お会いしましょう。
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