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時間とキッズコーナー

「時間」という概念は、自分が仕事で携わっている「キッズコーナー」と、どのような関係性にあるのか考えてみる。

有料、無料のキッズコーナー

キッズコーナーとひと言で言っても、有料で時間制限のあるものや、無料で自由に過ごせるものなど様々な種類があるが、ざっくりと有料と無料の特徴が何か考えてみるとこのような項目が浮かぶ(思いっきり主観です)

◆有料のキッズコーナー
〈こども〉
・遊びたい遊びを選ぶ(手当り次第遊ぶ子も多い)
・集中して遊ぶ
・時間が足りなくなり、延長したくなる
〈親〉
・時間いっぱい遊んで元をとってほしい
・一緒に楽しむ or ホッと一息いれる
〈企業〉
・延長を促したい
・リピートしてほしい

◆無料のキッズコーナー
〈こども〉
・遊びたい遊びを選ぶ(自分のペース)
・集中するとき、しないときがある
・飽きてしまうこともある
〈親〉
・自由に遊ばせたい
・一緒に楽しむ or ホッと一息いれる or 別の目的がある(商談など)〈企業(店舗内にキッズコーナーある場合)〉
・商談を順調にまとめたい
・こどもには静かに遊んでいてほしい
・こどもに飽きて「帰りたい」と言われたくない

また、「キッズコーナー」というものを考えると、「良いキッズコーナー」という定義も、こども、親、企業と主体が変われば「良い」の定義が違ってくる。

私が働くレンタルキッズコーナーの会社「リトルツリー」も企業である以上、企業(顧客)にとっての「良い」を追求しているし、しなくてはならない。
それはもちろんなのだが、やはりこども、親にとっての「良い」、さらにいうとこども、親、企業の3者間のそれぞれの関係性にとっての「良い」の定義を目指していきたいと思っている。

集中と飽きる

遊びには楽しいこと、つまらないことがある。また、どちらかに次第に変化していくこともある。
「時間」との関係を見てみると、

楽しい = 集中 = 「時間」が短く感じる
つまらない = 飽きる = 「時間」が長く感じる

こどもに時間を忘れて遊んでもらえる「キッズコーナー」とは、いかに飽きられず「ワクワクできる場所」であり、「集中できる遊び」があることが前提なのではないかと思っている。

「リトルツリー」の考えとして、集中できるなら何でも良いという訳ではなく、いかに飽きの来ない場所、遊びを提供できるかを大事にしている。

特に、集中はするが刺激が強く、短時間で飽きてしまう遊びは提供しない。
刺激の強い遊びももちろん素晴らしいものはたくさんあるのだが、うちがこだわっているのは、想像力を発揮するようなもの。
例えば、大好きなママになれるごっこ遊びである「おままごと」。
思い描いた世界を創作し、のびのびと旅をする「レール遊び」。
場所としては、こどもの秘密基地になるような「木のおうち」などがある。

「五感を肌で感じ、想像力を自由に発揮できる場所」
そんな場所なら、「飽きないキッズコーナー」ではなく、「長時間ワクワクが続くキッズコーナー」になるのではないかと思っている。

過去、現在、未来という繋がり

「キッズコーナー」「遊び」における「時間」について、「長さという時間感覚」とは違う「時間の前後感覚」という視点で見てみる。

時間の前後、すなわち「現在」のことだけではなく、「過去」や「未来」との関わりが、「遊ぶ体験」や「見守る体験」には生じているのではないかと考えている。

現在と未来
こどもが遊ぶ体験は「未来」に繋がりやすい。
五感を肌で感じ、想像力を自由に発揮できる場所での遊ぶ体験は、感受性の育みという「未来」に直結している。

また、「リトルツリー」ではサスティナブルな観点から、木製の遊具やおもちゃを、汚れたら削り、塗り直し、使い続けている。
そして次のキッズコーナーで出会うこどもに受け渡している。
これも「未来」と繋がっていると言える。

現在と過去
現在体験している遊びは、「過去」の体験や感情の積み重ねの延長線上にあり、繋がりがあるからこそその遊び方ができている訳で、繋がりがあるからこその達成感などの感情が生まれている。

視点を変えて、遊ぶこどもを「見守る親」の目線から考えてみる。
・こどものとき同じ遊びしてたなぁ
・自分のときはこんな場所やおもちゃ無かったなぁ。羨ましい。
等など、自分の中の「過去の記憶」と繋がってくる。

また、ミラーニューロンという神経細胞がある。

脳内で自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞。

これは、こどもが遊んでいるのを見ていると、自分はその行為をしていないのにもかかわらず実際に遊んでいるこどもの脳内神経細胞と、同じ脳内神経細胞が同様の反応をしているということなのだろう。
それは「過去」に自分が同じ体験をしていることが条件で、同様の反応が生まれているということらしい。

こどもの遊びを見て、ミラーニューロンが反応している場合において「過去」と「現在」が繋がっている。

このミラーニューロンというものは詳しくは分からないが、
友達と同じ遊びをすること、別の遊びをしていても同じ空間に友達がいることで、ミラーニューロンは反応しているのかもしれない。

子供が小さいときに、同年代の友達と遊んだり、同じ空間にいたりすると、急に今まで出来なかったことが、出来るようになるということも何か関係していそうだ。

また、同じように神経細胞が反応するということは、こどもだけではなくお年寄りの「ボケ防止」に何か活かすことが出来ないか。
ボケ防止に効くような動作を取り入れた遊びを作れたら、その遊びをしているこどもを見るだけで、似たような効果が生じるのではないかと妄想してしまう。

時間の捉え方は他にもたくさんあるので、「キッズコーナー」「遊び」との関係性をこれからも考えていきたいと思う。

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