CoderDojo のメンターを始めたことで初心を思い出した
私は2019年初め頃から CoderDojo五反田@freee のメンターを始めました。私は CoderDojo のメンターを通じて、エンジニアとして忘れていたことを思い出すことができました。CoderDojo とは何か、どんなことをやっているかなども踏まえて、記事にまとめてみました。
そもそも CoderDojo とは
CoderDojo とは「子どもたちのためのプログラミング道場」です。Dojo は全世界にあり、Dojo ごと定期的に開催されていて(五反田の Dojo は月に1度)、いろんな 企業さんにもサポートいただきながら 完全ボランティアで運営されています。
対象は7〜17才くらいの若い世代で、学校のように何か特別な教材やカリキュラムがあるわけではなく、子ども達それぞれがやりたいことをメンターに伝えメンターはそれをサポートするといった形式で運営しています。ちなみに、参加している子どもたちのことをニンジャ、ニンジャをサポートする人をメンター(私など)、Dojo を運営する人をチャンピオンと呼ばれています。(五反田のチャンピオンは @tomotomobile さん)
CoderDojo は2011年にアイルランドで始まり、執筆時点では世界で110ヵ国2000のDojo、日本には40都道府県167以上のDojo があり、年々増えています。また、Dojo は 憲章 を守り CoderDojo Faoundationで申し込みさせえすれば、誰でも立ち上げることができます。
どんなことをするか
主に Scratch と呼ばれる、ブロックを組み合わせてプログラムを組み立てるビジュアルプログラミングの学習環境を使用することが多いです。
言語プログラミングとは違い、GUIでブロックをドラッグアンドドロップしながらコードを組んでいきます。構文などを覚えることなくプログラミングを始めることができるため、初めてでもとても入りやすいです。また、現エンジニアでも十分に楽しめる要素もあり、 micro:bit と呼ばれるマイクロコンピューターと接続することが可能であったり、 です。
ニンジャとメンターが Scratch をやっている様子
もちろん必ずしも Scrach をやらなければならないということはなく、他の Dojo では Ruby や JavaScript をやっている子もいたり、我々の五反田の Dojo には iOSアプリ を作りたいとやってきた中学生がいて私の方でサポートしています。
メンターが自慢げに micro:bit を教えている様子
また、メンターをするニンジャにもよりますが、付きっきりでサポートするわけではなく、何かニンジャに聞かれたらサポートをし、それ以外はメンターも自分が作りたいことに専念できます。私は最近 CoderDojo Japan のページの改修のお手伝いをしたり、他のメンターは Node.js や Processing 、ドローンをやったりと自由にやりたいことに取り組めます。
ドローン制作に没頭するメンター
最後の30分は発表タイムとなります。ニンジャに限らずメンターも、自分が作っているプログラムがどういったもので、どのようなところを工夫していて、今後もっとこうしたいなどをみんなの前で発表、自慢します。(ニンジャは恥ずかしがることかく堂々と発表します。メンターもまた大人気なくガチで制作したものを見せます)
メンターが自慢げに発表している様子
発見、気付き、学び
メンターはサポートする立場なのでもちろん何かしら教えてあげることは多いのですが、我々メンターもニンジャからたくさんのことを教わります。
例えば、ニンジャは分からないことは分からないと素直に聞いてきます。しっかりとした知識が無いと答えられないため、正確な情報を改めて調べ直すことで復習につながったり、教え方の順序などを工夫することが勉強になります。他にも、ニンジャの発想はとてもユニークで、大人のこり固まった頭では想像もしないようなアプローチやアイディアが思いつくため良い刺激になります。
ある時、Music Blocks という Scratch と似たUIで音楽を作ることのできるアプリをやりたいというニンジャが来たことがありました。私は触ったことはなかったのですがメンターすることになり、2人それぞれで曲を作ることとなりました。初めは私が「こうやってやるんじゃないかな?」と教えることが多かったのですが、徐々にニンジャからも「こうやったら楽器の種類を変えられたよ!」、「これをいじると音階を変えられるよ!」といったように教えてもらうことが多くなりました。なんだかまるで友だちと試験勉強でそれぞれの得意教科を教え合うような感じで、お互いが知り得た知識を教え合いながら作っていくのがとても楽しく感じました。こういったことが CoderDojo の醍醐味なんだと私はこのとき強く感じました。
ニンジャと共に Music Blocks に没頭する私の様子
また、とにかくニンジャは「これを作りたい!」と好奇心旺盛だったり、「おぉぉ!できたぁあ!」と純粋無垢に喜び、「いや、もっとこうしたい!どうすればいいのかなあ?」といった尽きることのない無限の欲があります。無邪気に本能のままにプログラムで物づくりを楽しんでいる様子を見て、私は学生時代の忘れていた気持ちが蘇りました。
私は二十歳からエンジニアとして働き始め、苦しいことや辛いことも多く、決して楽しいことばかりではありませんでした。もちろん、それが仕事なのですが、ニンジャが夢中にプログラミングに打ち込んでいる様子を見て、根本にあった物づくりの楽しさというのを思い出させてくれました。
私がこの記事を通して伝えたかったのは、CoderDojo は慈善事業でもなんでもなく、ニンジャと共にプログラミングを純粋に楽しむ場ということです。
まとめ
あれやこれや書きましたが、私は執筆時点で CoderDojo まだ4回しか参加してません。まだまだメンター初心者ではありますが、これからもニンジャとともにプログラミングを全力で楽しみ、いつか自分の Dojo を作れたらいいなと思っています。
こちらの記事を読んで CoderDojo に興味が湧いたニンジャ、メンターは Twitter で DM いただければと思います。