見出し画像

花き産業の市場規模「1.1兆円」花屋について調べてみた_その3

ども、株式会社スマレジの新垣(あらかき)です。
早寝早起きが得意です。「早い」だけではなく「速さ」もあります。布団に入ってから「ものすごい"速さ"で寝る」のが得意なのです。

さて、
その1では、花屋の一人当たりの売上高は八百屋より低いが、労働生産性は八百屋より高いということを書きました。
その2では、一人あたりの労働生産性や廃棄率を下げるために商品管理を徹底する必要性を書きました。

今回の記事では、市場規模から1店舗当たりの年商を割り出してみようと調べてみました。

調べて「考察・仮説立て」したこと

  • 「1店舗あたり従業員3.5人」で「年商3,080万円くらい」の店が多いのではないか。

  • 法人契約や冠婚葬祭の契約があるなしで売上規模に差がありそう。

  • 花屋には在庫管理能力が求められる。

国内消費「1.1兆円」

農林水産省の資料「花きの現状について」によると国内消費は「1.1兆円」とあります。個人消費が77%を占め、業務用需要(葬儀、婚礼、稽古)は23%です。※この「1.1兆円」には「卸売市場取扱金額:3.175億円」「国内生産者の販売額:3,296億円」なども含まれるようです。

花きの生産・流通・販売の流れ 市場規模は1.1兆円
※農水省「花きの現状について」より

「1.1兆円」と言われても…あまり想像できないですよね。ある程度想像できるように「外食産業」と「国内旅行消費額」「百貨店」の市場規模と比べてみます。

外食産業市場:26兆439億円
国内旅行消費額:11兆円

百貨店市場:4兆2204億円
花き産業市場:1.1兆円
比べると、おおよその規模が解りますよね。
花は嗜好品であることから、市場規模が割と小さいのが解ります。外食産業ってものすごく大きいですね。国内旅行消費額も調べてみると「11兆円」のようです。国内旅行市場より外食産業市場のほうが大きいのですね。
※外食産業市場、百貨店市場、国内旅行消費額については、日本経済新聞社の業界地図2022を参考にしました。

小売販売額は「4,558億円」

資料を「花きの現状について」戻します。

花き等取扱小売の箇所を見るとこうあります。
事業所数:19,644
年間販売額:4,558億円
4,558億円の構成比をみると「図1」のようになります ↓

図1 花き等取扱小売
法人事業所の販売形態別構成比
インターネット販売「2%」とかなり少ない

私としては「店頭販売の中の内訳」や「インターネット販売の中の内訳」を知りたいと思ったのですが、さすがにそこまでは書かれていませんでした。
構成割合をみて意外だったのが、インターネット販売の割合です。たった「2%」しかありません。

販売額ベースでいくと「4,558億円」×「2%」=「91億円」です。
花のインターネット販売て、まだまだ可能性がありそうですね。

物販系分野の BtoC-EC 市場規模は

経産省の資料を見ると「2021年」の物販系分野の BtoC-EC 市場規模は「13兆円」ですから、花のインターネット販売はほんのわずかであると解ります。まぁ、そりゃそうだよねと思う。これからどう伸びるか、どう伸ばすか注目ですね。野菜で言う「食べチョク」のようなサービスを始める企業が現れるかもしれません。

1事業所の年間販売額を考察

事業所数:19,644
年間販売額:4,558億円
この数値から、1事業所あたりの年間販売額を出してみます。

「4,558億円」÷「19,644」=「2,320万円」

その1の記事で書いた「従業員一人当たりの「975万円」で計算すると、1店舗当たりの従業員は「約2.4人」となります。「TKCのデータ」と「農水省のデータ」と、元が異なるデータを使ってザクっと割り出したものなので、決して正確ではないことは悪しからず。
ですが、
おおよそ想像することはできるのでは思います。

街の小規模な花屋さんなら「従業員2~3名で、年商2,500万円~3,000万円くらいかなーっと想像しながら「J-Net21の業界別開業ガイド」も調べてみると、およその「損益イメージ」が掲載されていました。

※「J-Net21の業界別開業ガイド」からキャプチャ
データの出典は「東京商工リサーチ TSR中小企業経営指標」のようです。

この損益モデルの「年商:3,840万円」と農水省の資料から平均した「2,320万円」を足して2で割ると「3,080万円」

「3,840万円」+「2,320万円」=「6,160万円」
「6,160万円」÷「2」=「3,080万円」

1店舗あたり「年商:3,080万円」くらいの店が多いだろうと予想できます。
とはいえ、法人契約や冠婚葬祭の契約があるなしで売上規模に差がありそう。小さな個人店なら年商500万円くらいかもしれないし、会社や冠婚葬祭の契約がある店なら5,000万円くらいかもしれない。ばらつきはあるかもしれないが、およそ3,000万円くらいと思っても、そう大きくは外さないと思われる。

上の図の人件費「1,000万円」を、その2の記事のグラフにある2022年11月のTKC BAST経営指標の「従業員一人当たりの人件費:282万円」で割ってみる。

「1,000万円」÷「282万円」=「3.5人」

「1店舗あたり従業員3.5人」で「年商3,080万円くらい」の店が多いのだろうと予想できる。(かなりザクっとしていますが、それほど大きく外してはいないと思います)

花屋には在庫を管理する能力も求められる

J-Net21には、花屋は在庫を管理する能力も求められるとあります。

また、ロス率の平均が30%と高いため、仕入れに関しては開拓だけではなく、在庫を管理する能力も求められる。

引用:J-Net21業種別開業ガイドより

私は「その1」や「その2」で、花屋には技術が求められ、かつ「商品管理、在庫管理」が重要なのではないかと考察しました。「J-Net21」にも「在庫を管理する能力も求められる」明確に書いてあるということは、花屋ビジネスの重要なポイントは「在庫管理」であると言ってほぼ間違いないでしょう。「売る力」も大事ですが「在庫を管理する能力」も重要なんですね。

調べて「考察・仮説立て」したこと

  • 「1店舗あたり従業員3.5人」で「年商3,080万円くらい」の店が多いのではないか。

  • 法人契約や冠婚葬祭の契約があるなしで売上規模に差がありそう。

  • 花屋には在庫管理能力が求められる。

おすすめリンク

最後に、花屋業界についてもっと調べたいかたむけに、農水省のページをお知らせして本記事を閉めたいと思います。
コチラ→ 農林水産省 花き振興コーナー

産業で何が起きているのかを知るには「花産業のマーケットでは何が起きているのか」もおすすめです。

【PR】在庫管理もできる「高機能クラウドPOSレジ」

【PR】「スマレジ」×「アプリ」で「店舗DX」を実現させよう!

【PR】無料で始めるクラウド勤怠管理システム

ではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?