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こんなこともあろうかと:サラリーマンが幸せになる方法 その36

これは、サラリーマンが幸せになるために「ありたい自分( being )を軸に持ち、ありたい自分を良好な状態( well-being )にし続けること」について書かれた note です。

先日ある切っ掛けで、東京防災救急協会の講習を受け、上級救命技能認定証を取得しました。そこで救命技能とサラリーマンとニューノーマルについて書いてみることにします。つまり備えよう、という事です。

何もできなかった

あれは何年も前のこと。
仕事の帰り道、東京テレポート駅がざわついていました。見てみると、なんと心臓マッサージ(胸骨圧迫)をしている最中。横たわっているのは女性で、施術しているのも恐らく素人の女性でした。
やがてAEDが運ばれてくると、辺りにいた女性たちが一斉にザーっと周りを取り囲み壁を作りました。そうAEDは服を脱がさなければなりません。傷病者を人目から守るための行動で、中にはコートを足元で広げスキマをなくす気遣いをする人もいました。

やがて傷病者は蘇生し、状況を理解していない様子で起き上がったのでした。

なんと美しく尊い人達だろう。
大変不謹慎ながらその一連の流れに感動しました。また「自分だったら何もできなかっただろう」という事実にショックを受けました。なにせ人の壁を作るという知識・意識すら持ち合わせていなかったのです。そして救命技能講習を受ける決意をしたのでした。

しかし忙しさにかまけ、また当時の感動も薄れ、何年も受講せずに過ごしてしまってきたのです。

どうする?

そんなある日。
私の所属しているオンラインサロン(澤サロン)で、以下2つの事柄から「いったい何を正しい行動と定義するのか」考えてみよう、という投稿がありました。

泣く7歳、助けない大人 「何とかしないと」小5が保護
昨晩110番を利用してしまった。帰宅途中20時くらいに住宅街で結構小さい子(小1~2年くらい)が泣きながら一人で歩いていた。迷子か何かかと思って声を掛けようと思ったが「声かけ事案」とか言われても困るので声を掛けられなかった。かといって放置するのも困るので仕方なく110番した。

本筋の議論はさておき、私が考えたのは「備えられていないな」という感想でした。私自身がです。

なにか不測の事態が起きたときにどのように行動するのか?という自分の指針が定まっていないことに気が付きました。私の妻は「備えられている」人なので余計にそう感じました。

といっても妻は何かの資格や技能を持っている訳ではありません。考えるより先に行動する人なのです。先日も公園で迷子を保護していました。この2つの記事の話をした日にも、老婆を道案内しようとして果たせなかったと言っていました。

良い悪いではなく、そうしないと後悔するから行動しているのだと思います。一方私は「何が正しいのか?」ばかり考えてしまい、トロッコ問題のような正否で答えられない事態に対応できないな、と思ったのです。

そこで自信をもって行動できる軸を手に入れるため、遅まきながら救命技能講習を受ける予約を取り付けたのでした。

しかし網羅はできない

これで東京テレポート駅で出会ったのと同様の事態に直面しても迷わずに動けます。多少まごついても何をすれば良いのかは最低限知っています。

ただ地震や火災、恐慌、テロ、遭難、毒蛇に咬まれたり、身内が行方不明になる等の事態に直面したらどうでしょう?起こり得る全ての厄災に個別に対応できるスキルや知識を身に着けるのは不可能です。

でも手をこまねいて何もしないというのも違う気がします。
ではいったいどうしたらいいのでしょう?

そこで「備える」です。
マインドを備えたいと思ったのです。

こんなこともあろうかと

上級救命技能講習では、心肺蘇生・AEDによる除細動・気道異物除去・応急手当(ファーストエイド)を教わります。逆に言うと、それ以外の事態には対応できません。

しかし抽象化すれば、様々な事態に適用できる教えもあります。
例えば「救命の連鎖の重要性」という言葉があります。

1.心停止の予防
2.心停止の早期認識と通報
3.早い心肺蘇生とAED
4.救急隊や病院での処置


緊急の傷病者を救うには、4つの救命の段階が鎖のように途切れず繋がっていくことが重要、という考えです。これを抽象化してみます。

1.予防
2.早期発見・助けを求める
3.早い暫定措置
4.専門家の恒久措置


これなら火災や事故やビジネストラブルでも適用できます。

また「2.心停止の早期認識と通報」ではまず第一に自分自身の身の安全を確保し、要救助者の安全を確保する、というステップを踏みます。まずは自分の安全を最優先という考えは、あらゆるシーンで適用できそうです。

こうした備えるマインドは、サラリーマンとしてあらゆるビジネスシーンで活かすことが出来るのではないでしょうか。

そんなの普通の大人なら皆わかっているのかも知れません。ただ私としては、フワっとしたイメージがあるだけなのと、体系立てて学び、各段階の対処を具体的に当てはめることのできる体験があるのとでは大きな開きがあると思っています。

こんなこともあろうかと

ネットミームとして流行った言葉です。死ぬまでに何回そのセリフを言ったかで人の価値が決まるというのです。宇宙戦艦ヤマトのメカニック真田志郎の名台詞です。

私も救命技能講習を受けマインドをアップデートできたおかげで、何度か呟くことが出来そうです。

ニューノーマルに備える

時代はリセットされニューノーマル、ノーノーマルの時代に突入しました。今までの経験・知識が役に立たないシーンがこれからも何度も訪れるでしょう。トロッコ問題のような正解のない事態もあらわれると思います。

そうしたときに私達はどう立ち振る舞えばいいのか。

軸足をもち備えましょう。
その軸が私にとって救命技能だったという訳です。

あなたの軸足は何ですか?

まとめ

1.マインドをアップデートする
2.抽象化して一般適用する
3.軸足を持ちニューノーマルに備える


泣いてさまよう小児の事案を聞いたとき、私と妻が真っ先に考えたのは、実の親による虐待問題でした。子供を保護することが子供の命を危険にさらすかもしれない、と考えました。この問題にはまだ備えられていません。しかし、予防→早期発見&助けを求める→暫定対応、という軸は得られました。もし同じような事態に直面しても何らかの行動ができるでしょう。

私の学びが、あなたのヒントになれば幸いです。

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