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何のために稼ぐ?:サラリーマンが幸せになる方法 その37

これは、サラリーマンが幸せになるために「ありたい自分( being )を軸に持ち、ありたい自分を良好な状態( well-being )にし続けること」について書かれた note です。

今回はお金の話し。
よく「年収〇桁」「月収△△△万円突破!」などとプロフィールに書き、稼ぐことが正義である、という方々をお見掛けします。正直言って羨ましい。しかしその「お金」は何のために稼いでいるのでしょうか。全く稼げていない私なりにお金を稼ぐことについて考察してみました。

目的としてのお金・手段としてのお金

何のために稼いでいるか。
そんなの人それぞれですよね。

ただ、稼ぐことそのものが目的になっている人がいるのも事実でしょう。数字としてのお金が増えた減ったに一喜一憂して、わりとハイリスクな手段も厭わず、稼ぐ手段として投資や副業を頑張る。

こうした稼ぎ方は才能です。足が速い、暗記が得意、絶対音感がある、などと同じで大人になってからこの才能を身に着けるのは難しい。価値観とか人生観とか、その人の根幹をなす人格形成による要素が大きいからです。

逆にお金は手段としている人の方が多いと思います。
生きるため。
家族を養うため。
何かを実現するため。

今回は後者の方を対象にした記事となります。なにせ私自身が後者に当てはまりますから。お金をじゃんじゃか稼ぐ方法はここには書かれていません。悪しからず。

お金とは何か

資本主義ではお金は絶対的なモノサシであり、生きるよるべです。安心安全を買うために不可欠。基本的人権を満たされたうえで、より価値のある人生のために必要な原資です。衣食住、教育、医療などの保障、そして人生を豊かにする付加価値を得るために必要です。

しかしモノサシではありますが時間と距離は越えられません。

東京などの首都圏と地方での価値。地方でも都市圏と田舎での価値は違います。同じ年収でも、東京23区の中心地と、地方の田舎暮らしでは全然価値が違います。国境を超えてしまえばもっともっと違います。

さらに、独身20代と妻子のある50代ではお金の価値は異なります。身分(ステータス)によっても違いますよね。

つまり一概に「年収〇桁」などで語るのはナンセンスなんです。大多数の人にとっては、自分自身にとって幾らが最適なのかを認識しておくことが大切だと思われます。

では、最適な収入とは何でしょうか。

最適な収入と何か

ずばり使い道の総和です。
使い道は大きく3つあると思います。

1.生きるために必要なお金。
2.有事に備える保険としてのお金。
3.付加価値を得るためのお金。


項番1は絶対的に必要ですよね。
項番2はいくら必要なのかを見極めるのが大切です。進学・傷病・介護・事故・災害・冠婚葬祭。考えればキリがありません。でも自身のライフステージで自ずと幅は決まるものだと思います。

問題は項番3です。
ここが人生を豊かにするためのお金になります。
well-being から見た人生を豊かにする価値は、環境・健康・人間関係です。環境はすなわち「住まい」「職場」「サードプレイス」です。健康は身体と心です。人間関係はそのままですね。人生を豊かにするお金の使い方が何となくイメージできるのではないでしょうか。健康の「心」以外は。
そこで心に注目してみましょう。

心理的 well-being には6つの要素があります。

① 人格的成長
② 人生における目的
③ 自律性
④ 環境制御力
⑤ 自己受容
⑥ 積極的な他者関係


お金が関係しそうなのは①②⑥でしょうか。
成長を得る学びに使うお金。
人生の目的に使うお金。
人間関係に使うお金。


一旦まとめてみますと、
1.生きるために必要なお金。
2.有事に備える保険としてのお金。
3.成長・人生の目的・人間関係に使うお金。
これらに必要なお金が最適な収入と言えそうです。

幸せになるためのお金

よく年収800万円を上限に、それ以上お金を稼いでも幸福度は上がらないと言われます。(2010年のアメリカにおいて75,000ドルまでは幸福度は収入に比例するという調査が根拠です。調査年がリーマンショック直後なので現在の価値観ではもっと上限が高いかも知れません)

とは言え収入に比例して自己評価は上がり続け、不安も解消されることも分かっています。ですから年収800万円以上は稼いでも意味がない、という論調はある意味では間違っていると思うのです。

ただ幸福に着目するとそうではありません。
週33時間以上はたらくと、幸福度にネガティブな影響を与えることが分かっています。これ日本のサラリーマンはほぼ当てはまりますよね。

つまり労働時間と最適な収入のバランスをとることが大切なんです。

週60時間働いて年収800万円の人は不安が減少し自己評価も高いですが、週40時間勤務で年収500万円の人より幸福ではないのかも知れません。

すると「豊かさ」について考えざるを得ません。

豊かなお金

基本的にお金は道具です。
そしてその道具の使い方によって豊かさに差が出るようです。

ダニエル・カーネマン博士によれば人の幸せの感じ方は2種類あります。「記憶による幸福」「経験による幸福」です。

記憶とは「体験」と「期待」です。
過去の体験からなる記憶による幸福感と、それと同等の未来への期待による幸福感からなります。記憶という言葉で分かりますが、この幸福感は長く続くことも分かっています。

経験とは「現在進行形で感じる」ことです。
美味しいものを食べていたり、高価な物を買った瞬間に感じる幸福感になります。残念ながらこの幸福感はすぐに下がってしまう事も分かっています。

人は今現在の状態よりも、過去の記憶で人生を評価するというのです。「今が幸せならいいじゃない」とはならないのです。
つまり良い記憶に残る体験にお金を使うことで、即物的なお金の使い方よりも豊かになると言えます。簡単に言うとモノより思い出

さらにこの思い出も、自分のためより、他人のためにお金を使った方が2倍も幸福度が上がることも分かっています。成功者がやたらと若者に銀座で寿司を奢りたがる理由が分かる気がしますね。

ここで先に考察した「まとめ」を振り返ってみましょう。

1.生きるために必要なお金。
2.有事に備える保険としてのお金。
3.「成長」「人生の目的」「人間関係」に使うお金。

項番1・2は不幸にならないためのお金。そして項番3の幸福になるためのお金を、他人のために、良い思い出を残すために使うことが、もっとも豊かなお金の使い方になるのではないでしょうか。

最も不幸な年齢

この考察をはじめた切っ掛けは、2020年1月に発表されたダートマス大学の「最も幸福が低い年齢は47.2歳」という研究でした。このニュースを知ったとき正に私が47.2歳になろうとしていたのです。

でも私はその時めちゃくちゃ幸せを感じていました。
まだ新型コロナも大事になっておらず世界も概ね平安でした。

(こんなに幸せな今が一番どん底なら、これからいったいどれだけ幸せになっちゃうんだろう!?)

と思ったものです。
私自身のお金事情は貧乏ではないですが決して裕福でもなく、まともに払い続ければ定年後何年も残り続ける多額の住宅ローンを抱え、自転車操業的な日々。この状況でなぜ私は幸福を感じてられているのか不思議でした。

しかしそのローンも、家族との豊かな暮らしのために払った(払う予定の)お金です。他人のために良い思い出を残すために使ったという訳です。なるほど。たまたま偶然、私は幸せになる選択ができていたと気が付いたので、解像度をあげて言葉にしてみたのです。

まとめ

1.お金で不幸は減らせる
2.高収入は自己評価を高める
3.「他人」と「思い出」にお金を使えば幸せになれる


もう少し違った考察も頭にはあるのですが、まだうまく言語化できません。お金のテーマはまたやりたいですね。何にせよお金は大事です。なぜ大事なのか色々な人に聞いても明確な答えはなかったのですが、ようやく今回それなりに言語化でき、少しホッとしています。

この考察が、あなたのヒントになれば幸いです。

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