ryo_toyoshima

生きた意味を創出するための戯言に、お付き合い下さい。

ryo_toyoshima

生きた意味を創出するための戯言に、お付き合い下さい。

最近の記事

サザンクロスライフ

二秒前、すれ違った。 どんな顔をしていただろう。どんな服を着ていただろう。 ただ、電話の声が優しかったことを覚えている。 肩が触れた。 僕の隣に座るまで、楽しい一日を過ごせていただろうか。 おもちゃ屋さんの袋の中に、緑色のリボンが見えた。 写真の中に写っていた。 もう名前も思い出せない君は、朝9時、起きているだろうか。 とびきり早く登校した日、体育館に君がいたのを覚えている。 たった一瞬の人生の触れ合いに、気付かないほどの熱があった。 私も、かすかに放熱しているのだろうか。

    • 無くなったことにすぐに気付けるのなら、それが宝物だってことなんじゃないか。

      • 光の果てのチャコールグレー

        知らない星、愛の招待、大きな波にのまれる寸前、その期待は絶望に変わり、一方はその絶望を新たな希望とし、飛び立つ。 時刻は朝の9時前で、誰かの夢が途絶え始め、壮大な物語をめいいっぱいの想像力で脳にかきこむ。 1次元、2次元、3次元、4次元、5次元まで来たところで君が僕に語りかける言葉はきっと耳では聞こえない。ここは多次元。想像力では届かず、科学の進歩が足場となって壁の上からサインを送る。 加速、加速、加速する。光の果ては何色だろうか。赤青黄色。好きな色は緑色で、おなかをすかせた

        • パピコと春

          目の前に長い長い坂がある。この上まで、自転車で行かなければいけない。 春になったので、有名な桜が見たくなった。車は持っていないので、移動手段は徒歩か自転車である。 Google Mapで目的地までの経路を確認すると、徒歩3時間3分と表示された。往復6時間はさすがに足が棒になりすぎてしまうので、自転車を選んだ。 家の周りは盆地のようなっていて、少し離れたところに行くためには山を必ず越えなくてはいけない。そして今回上らなくてはいけないのは弱虫ペダルに出てきそうな激坂である。こ

        サザンクロスライフ