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光の果てのチャコールグレー

知らない星、愛の招待、大きな波にのまれる寸前、その期待は絶望に変わり、一方はその絶望を新たな希望とし、飛び立つ。
時刻は朝の9時前で、誰かの夢が途絶え始め、壮大な物語をめいいっぱいの想像力で脳にかきこむ。
1次元、2次元、3次元、4次元、5次元まで来たところで君が僕に語りかける言葉はきっと耳では聞こえない。ここは多次元。想像力では届かず、科学の進歩が足場となって壁の上からサインを送る。
加速、加速、加速する。光の果ては何色だろうか。赤青黄色。好きな色は緑色で、おなかをすかせたクジラが地球の裏で泣いている。
黒ではちょっと単調で、グレーは少し地味すぎる。間をとったチャコールグレーが光の先を照らしてる。
君の色は何色か。そんな問いに答えは出せないけれど、髭を生やしたおじさんが、髪を固めて何色にもなれると嘘を吐く。
何色になれるわけではない。きっと自分の色なんて生まれる前から決まってて、変えられるのは濃淡くらい。
そんな世界で赤を青だと認識したい。みんなが赤を青だと思えばそれは青で、まぶたの奥を無色の風が吹き抜ける。

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