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マーケティングと人の成長は似ている説

ふと立ち返ったときに、マーケティングと人の成長はとてもその筋肉の使い方が似ているのではないかと思ったことがあったので、そのことを書きます。

マーケティングは<ing>をつける

「マーケティング」を学問として捉えるとき、Market-ingとあるように、進行形の学問として捉えられています。これがマーケティングに対して僕がとてもゾクゾクするポイントなんです。

つまり、マーケティングは常に正解がない。それは社会構造(人口規模や分布)や情報環境、そして人々の価値観が時代とともにめまぐるしく変化していき、人々の消費行動が変わっていくからです。これが意味するのは、マーケティングは必ずしも知識を蓄えるだけで勝てる分野ではないということです。マーケターにとっては当たり前ですが、でもだからこそ面白いと思うわけです。

ちなみにマーケティングという進行形の分野で次の一手をリードしていくためには、過去からマーケティングというものを学んでいく必要があります。過去から現代までのマーケティングの流れを学ぶのに、こちらの「グロービスMBA集中講義 [実況]マーケティング教室」という本が最高にオススメですのでぜひ!

良い「仮説」と正しい「問い」が成否を分ける

人の消費行動が目まぐるしく変化していくなかで、マーケティングの次の一手を判断していくために、僕は「良い『仮説』と正しい『問い』」がすべてを決めると思っています。

マーケティングは今の状態「A」をよりパフォーマンスの高い状態「B」に変化させるための試みです。その変化をもたらすのがアイデアですが、決してアイデアそのものを見ただけで良し悪しを判断することはできません。アイデアは必ず何かを解決するもの。そのアイデアがどんな仮説をもとに、どのような問いを解決するためのものなのかをセットにして判断していく必要があります。

マーケティングはどれだけ最新の理論でも、理論を取り入れてそのとおりに実践すれば必ず100%成果が出るというものではありません。常に変化する人の価値観と向き合っていく仕事なので、従来の理論を超えたところに人の琴線に触れるマーケティングがあると思っています。届けたい相手のことを誰よりも想像し、その相手を想像したうえで仮説を立て、解決すべき課題を設定する。それを超えていくものがアイデアです。

そのように一般的なマーケティング理論を超えて実践を繰り返していくなかで、またひとつのマーケティング理論が体系化され、さらにそれを実践に応用し・・・という具合に、「実践」と「理論」を繰り返していきながらマーケティングは進化していきます。

この「実践」と「理論」の両輪をぐるぐると回していくためのミソが、マーケターの「仮説を立てる力」です。届けたい相手への想像のなかから生まれる仮説のセンスがよいかどうか、これこそマーケターとしての野性が問われるものだと思っています。

人の成長も「仮説」しだい

ひるがえって、人の成長の質もこの「仮説」「問い」をどう立てるかによって大きく変わると思います。たとえばとにかく何も考えずに年間100冊の本を読んでいる人と、その本を読むことによって自分がどんな状態になれるかを仮説立てしている人では、本を読んでいる時間は同じでも得られるインプットの質は変わってくるはずです。

身の回りの成長している人を見てみると、自分というプレイヤーを客観視して、人生の仮説検証を徹底的に繰り返している人が多いように思います。

だいじなのは、知識や理論を実践するスキルではなく、実践したなかから仮説をつくれるスキルだということです。下の図の「知識・理論」→「実践①」の箇所のように、知識や理論を実践するところまでは多くの人がやります。でも実践した行動のなかで仮説を立てて、「実践①」から次の「実践②」に移せる人はごく一部。実はここが成長の質を分ける境界線だと思います。

人の理論を実践するだけでは、自分自身は今よりも成長できるかもしれませんが、他人よりも成長することはできません。なぜなら他人もその理論を実践しているから。

人の理論に頼らずに成長するために、まずは小さな「仮説」がその一歩をつくってくれると信じてます。もちろん実践さえすれば仮説を見つけられるとは限りません。だからこそ何よりもまず経験が大切。他人よりも多くを経験して、仮説のセンスを磨くことが成長の質を高めるのではないかと僕は思います。

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