自己紹介④大学生

私は高校の社会の教員になるつもりで大学へ入った。というか、教員になると言えば祖父母が安心してくれると思い、そう自分に言い聞かせていた。だが大学に入って実感した。自分は日本史や世界史そこまで好きじゃないな、と。高校のテストで点を取れていたから好きなのかと思ったが、どうやら好きと得意は違うようだ、ということに気がついた。このまま中途半端な気持ちで先生を目指すのは自分にも、本気で頑張る先生にも、教えられる生徒にも申し訳ないと思い、大学2年の途中でやめることを決断した。

ただ教員という道を失ってから、祖父母を安心させるために次は公務員を目指すと言っていた。特に目指していたわけでもなかったが。周りも公務員を目指している人が多かった。多くの人は公務員講座を受けていたが、あれは20万円以上かかる。「無理だ」と思い、独学で勉強を始めた。独学でやっていると、ふと思うことがある。「本当に公務員でいいのか?」。一人で考える時間があるからこその葛藤だ。世間一般の大人はよく言う。「公務員は安定しているからなった方がいい」「公務員なの!すごいね」。実際公務員は素晴らしい仕事だ。ただ私が出会った一人の公務員はこう言った。「公務員はやめておけ。今、財政も厳しいし」。世間と中の人の意見のギャップに違和感を持ち、この時から本当に公務員でいいのかとモヤモヤするようになった。

私はこれまでの人生、祖父母の期待に応えることをモチベーションとしていた。そのために欲望に蓋をして、我慢していた。そうすると自分が何をしたいのかわからない。何が好きなのかわからない。でもこの時はわかっていた。「このまま公務員になったら後悔する気がする」。ただ決断ができなかった。そんな時、ある先輩が話を聞いてくれた。家庭事情からこれまでをすべて話した。その先輩は「それはその家庭がおかしい。お前は自分がやりたいことをやっていい権利がある」。そういわれた瞬間、心が開けた気がした。「自由にしていいんだ」。私には「おかしい」と言ってくれる人が必要だったのかもしれない。

今、就活はとても楽しい。決してすべてが上手くいっているとは限らないが、多くの刺激や学びがある。人間は生まれたからには自分が何を得るかよりも何を残せるかに価値があると思う。私は「全員が当事者意識を持てる社会」をつくりたい。自分の夢を諦めない、自分が頑張れば社会が変わるんじゃないかと一人でも多くの人が思えるような社会をつくりたい。そのためには、全員が主体的に選べる機会をつくる、あらゆる場面での選択肢の広げられるようなことをやっていきたい。また、祖父母を喜ばせたいという気持ちに変わりはない。まずは自分が活き活きと働いてる姿を見せられたらなと思う。

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