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試合がない日でも人が集まる場所

「試合がない日でも人が集まる場所」

これは先日放送のFOOT✖️BRAINでもテーマとして挙げられていましたが、スポーツ施設を作る際には毎回と言って良いぐらい連動して出てくる課題です。

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スタジアムやドームがあるスポーツチームのホームとなった場合でも年間の試合数は限られています。その他の日数でどう稼ぐかにより、維持費が割に合うのか計算されていくことでしょう。

世界中にはこの課題に対して様々な形でアプローチし、成功してきた例も多くあります。ワシントン・ウィザーズの本拠地であるキャピタル・ワン・アリーナもバスケだけでなく、アイスホッケー、ライブなど様々なイベントで日々稼働している施設のうちの1つです。その施設内にはスポーツベッティングを楽しめるスポーツブックが導入されたのも最近の話です。

その中で先日福岡に仕事で訪れました。空き時間が出来てどうしようかなと思っていた時にファナティクスの川名さんからEzo Fukuoka行った?というリプライをいただきました。何度もスカウティングの仕事では訪れていて、実は行こうかなと一瞬考えてもいましたが試合もなく、オフシーズンでわざわざ移動して行こうと踏み切れていないタイミングでした。

ですが、川名さんにこう言われては行かないわけにはいかないと思いすぐさま移動を決断。以前福岡でドームに行った時にはまだ出来ておらず、2020年7月に開業したエンターテイメントビル。

福岡ソフトバンクホークスが手掛けるエンターテイメント施設であり、私は時間の関係で他の施設は足早にチェックしつつも、王貞治ミュージアムに時間を費やすことにしました。

通常のミュージアムにはテクノロジーを駆使した仕掛けもいくつかあり、文字だけでなく実際に手を使って楽しむ展示物も。

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そしてこのミュージアム内には89PARKと呼ばれる体験型スペースもあり、大人から子供まで野球や関連動作を楽しめる空間が含まれています。子供たちがピッチングからバッティング、さらには動体視力をテストするエリアで楽しみ過ぎて、親が「もうそろそろ帰らない」と呼びかける声がちらほら聞こえてきていました。

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球団がこのようなエンタメ施設を手掛けることで試合がなくても、シーズンが終わってもドーム周辺に人が集まってくる。だがこの集まった人をドームに見向きもさせず返してしまうのは勿体ない。

ドームの周辺では少しでも来ていただいた人を楽しみませようという仕掛けが行われていました。イルミネーション、そして牡蠣をドームをバックに楽しむことが出来る屋台。試合がないし、シーズンオフだし、行ってもなーと思っていた部分が大きく裏切られました。

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人が集まる施設を隣に作り、ドーム周辺に人が残り続けたいと思う理由を作り出す。こういう取り組みはオフでも試合がなくても、本当に色んな可能性があるなと思うことが出来ました。辺りが暗くなってきても、電気を付けておくだけでそれが映える空間にもなります。ドームもEzo Fukuokaもそれを意識したかのようなライティングでまんまと写真を撮ってしまいました。

そして忘れてはならないのが、ファナティクスが手掛けるチームストア。これほどの規模で展開するチームストアはおそらく米国のスポーツチームに比べても引けを取らないと思いました。日曜日の午後でしたが、部活帰りの高校生から親子連れまでいろんな人たちが来季への思いを込めてグッズをチェックしていました。

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ドームの周辺には色々とした遊び心も含まれており、喫煙所まで一周すると様々な福岡名物が彩れているストーリー仕立てで楽しめるようになっていました。この空白のスペースにも”地元色”を加える遊び心がありました。

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順序が逆になってしまいましたが、駅からドームへの道のりからもパートナー企業、さらには行政との連携を感じさせられる看板等がいくつか。

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試合がない日でも人が集まる場所。この課題に対してのヒントが多く詰まった福岡PayPayドームでした。

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