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人材派遣営業のコツ② 基礎知識編 part12 「派遣法における同一労働同一賃金とは」

今日のnoteは人材派遣営業のコツシリーズ第二弾、基礎知識編のpart12として、「派遣法における同一労働同一賃金とは」について、お話しします。

「ひたすら具体的」というのがこのシリーズの狙いなので、知っておくべきことについて超実践的に解説していきます。

コツコツと積み上げていけば、つらくなく、楽しく貢献できる人材派遣営業になれること、間違いなし!周りに、人材派遣営業をしていて、辛そうにしている人がいたらこのnoteを紹介してください。

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2つの選択肢

前回のnoteでお話ししましたが、↓

同一労働同一賃金とは、

同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すもの

でした。

当然、派遣労働者は非正規雇用労働者になります。

そこで、不合理な待遇差をなくすために、2020年4月に、派遣法が改正されました。そして、その派遣法には、派遣労働者の待遇決定方式が二通りあります。

わかります。なぜ、派遣労働者には2つの待遇決定方式があるのか・・・うちの会社は労使協定方式とやらのようだが、それはいったい・・・ってなりますよね。とってもわかりにくい。今日は、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2つの待遇決定方式がある理由を解説します。


派遣における同一企業・団体が特殊

2通りの待遇決定方式がある理由はただ一つ。

派遣と言う働き方における同一企業・団体が特殊だから

です。


ここで、概念を改めて図にしたものを見てほしいのですが、

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間違いなく、同一労働同一賃金のイメージはこの通りなんですよね。(僕作ったスライドだけど。)

ところが、派遣労働者が所属している(雇用されている)のは派遣会社です。そこで問題となるのが、同一企業ってなんやねんと言うことで、正確に言うと派遣労働者の周りは

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こんなことになっています。

2つの待遇決定方式がある問題は、この

①派遣先企業を同一企業・団体とするのか

②派遣会社が同一企業・団体なのか

という問題がベースにあります。


派遣先の正社員と比べるか、派遣元の正社員と比べるか

もう少しかみ砕いて表現すると

①派遣先の正社員と待遇を比較するか

②派遣元(派遣会社)の正社員と待遇を比較するか

(ここでは分かりやすく正社員と言う表現にします)

という問題があり、

派遣先均等・均衡方式は①の派遣先の正社員との待遇を比較していて、労使協定方式は②派遣元の正社員と待遇を比較しています。労使協定方式は、派遣元均等・均衡方式と考えても分かりやすいかと思います。

つまり、同一企業・団体がややこしい説への答えとしては、2つとも対象ということになっているということです。

これが2通りの待遇決定方式がある理由です。理解しておかないと、この先が全く理解できなくなるので、この概念は必修です。


労使協定方式は例外規定

次回以降で派遣先均等・均衡方式と労使協定方式の解説をしていきますが、その前にもう一つだけ知っておくとスッキリするのが、「労使協定方式は例外規定」ということです。

同一労働同一賃金における派遣法改正が議論される過程でもそうだったのですが、まず前提として存在したのは「派遣先均等・均衡方式」です。

いわゆる直接雇用のパートや契約社員と同じ考えなので、最も自然だと思われますが、さっきも出てきた概念通りの考えだったわけです。

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↑こんなイメージで派遣先企業の正社員と待遇を比較して、待遇を決定していきます。(いわゆるパートタイム・有期雇用労働法と同じアプローチ)

派遣先均等・均衡方式は、次回解説しますが、まぁ、ガイドライン、一回は読んでおきましょう。↓

でね、労使協定方式は例外規定なんです。

派遣先均等・均衡方式が原則で、労使協定は例外。なぜか?

それはガイドラインに以下の通り記載があります。

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つまり、A社(従業員数1万人)で経理職として派遣されていた派遣労働者がA社の従業員と均等・均衡を図って待遇を決められているという状況で、そのA社との契約が終了したためにB社(従業員数10名)の会社に派遣されて、B社の従業員と均等・均衡を図ったら、大幅に給料が下がった・・・(ここでは大企業より中小企業のほうが待遇が低かったという偏見ともいえる設定でお送りしています)というような不整合が起こりうるということです。

本当はB社のほうが、経理部門の立ち上げの業務であり、本人のキャリアにもプラスで、難易度も高かったとしても、「給料が下がるなら、大企業の、簡単で勉強にはならないけど給料高い仕事のほうが良いわぁ」となりかねないということですね。

これは、確かに派遣の現場では頻繁に起こりうるシチュエーションです。

これでは、キャリア形成を妨げてしまう本末転倒な状況になってしまいます。なので、原則は派遣先均等・均衡方式だから、労使協定をちゃんとできてなかったら派遣先均等・均衡方式に則ると言ってまでも、派遣労働者のキャリア形成のためであれば、派遣会社内で待遇を決定していく労使協定方式という選択肢を選んでもいいよと言うのが、労使協定方式が誕生した流れなのです。

さて、例外・・・って何かで聞いた覚えはありませんか?

そう!(ってたぶん誰も答えられてない!!w)

派遣法は職業安定法44条の例外でしたね。そして鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律は銃刀法の例外法。

いづれも、厳しく細かいルールで運用されていました。

そして、同じく、労使協定方式も非常に細かいルールや厳密な運用が必要とされています。(元気があるときに追って解説していきます。)

ここで覚えておきたいのは、労使協定方式は例外規定なので

①しっかり運用しないといけない細かいルールがある
②労使協定方式をちゃんとできてなかったら即、派遣法違反ではなく、労使協定方式をちゃんとできてなかったら、原則たる派遣先均等・均衡方式に立ち戻る

ということです。

勘のいい営業パーソンならお気づきかもしれませんが、②は営業の差別化に使えます。

「派遣先均等・均衡方式に立ち戻るなんてことになると、あれやこれやとご負担おかけするので、僕らはこんな風に〇〇しています。orお手数ですが、〇〇の対応お願いします。」

というトークは労使協定方式について、クライアント企業にお願いごとをするときも、コンプライアンス重視の企業へ営業活動をするときもかなり使えるトークフォーマットなので、覚えておいてください。(この後、2つの待遇決定方式の解説とともに説明する予定です。)


最後に

2つの待遇決定方式についてだけだったら、2行で解説終わるわーって思ってたら終わりませんでした・・・

本当は例外規定である話だけではなく、パートタイム・有期雇用労働法の規定も重なるということを書きたかったのですが、正直、人材派遣1年目の人とかが読んでも理解できるような内容にできませんでした。(今回、書き直してます)

派遣の同一企業・団体が特殊なので、キャリア形成のために労使協定方式と言う方法が生まれた

と理解いただければ、とりあえずはOKかと思うのですが、そこにパートタイム・有期雇用労働法の適用もあり、(これは派遣会社の中での均等均衡)そこを説明し始めたら、派遣先均等・均衡方式の内容の説明も始まり・・・と収拾がつかなくなったので、いったん今回の内容で、待遇決定方式が2つあるという部分の説明とさせてください。

次回以降で、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式について、それぞれ解説していきます。

最後に、厚労省HPの派遣労働者の同一労働同一賃金についてのリンクを貼っておきます。↓

では、また明日!





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