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入会地(コモン)としての地域自治組織

先日、野添コミセンでの意見交換会を経て、もやっと考えていた仮説が実証されたような気分でいます。それについて考えをまとめてみます。野添コミセンでの意見交換会についてはこちらの記事を御覧ください。

いきなり混ぜるな危険!

 地域自治組織は多様な住民が関わりながら、地域の課題解決を進めるというのが良いことだとされています。そもそも課題解決を目的にすることがどうかと思っていますが、それはまた別の機会でまとめます。
 そんな中で地域自治組織と若者または新たな参加者の関係についてモヤモヤしていることがありました。地域内の若い世代やこれまで地域自治組織に関わっていなかった方が「なにかやってみたい」や「まちづくりに関わりたい」という想いで、地域自治組織と関係を持とうとしている場面に幾度となく遭遇してきました。ただ、ほとんどの場合で良いつながりにならず、時間とともになかった話になることが多いと感じていました。関わり方は、意見交換会に参加したり、地域の事務局に相談に行ったり様々です。ただなぜかつながっていかない。
 そこで思ったのは、そもそも「なにかやってみたい」や「まちづくりに関わりたい」と思った人がつながっていく先が地域自治組織で良いのか?ということです。地域自治組織はどうしても自治会等を中心にした地縁の色が濃い組織形態をしています。高齢化とともに担い手不足と言われる状態に陥っており、新しい参加者は歓迎したいところだと思います。そこに関わってみたい!という方が現れるのは双方にとって良いことだと思うのですが、つながるとあんまりうまくいきません。
 そこで思ったのは、最初から一緒にするのはうまくいかないのではないかということ。いきなり混ぜるな危険!という仮説をもちました。

「なにかやってみたい」ならまずはやってみてから

 先日の野添コミセンでの意見交換には新しい参加者がたくさん来ていました。これまでなら、地域自治組織の中心的なみなさんが音頭をとってしまい、なかなか対等な議論ができなかったのですが、その場は多くの人が対等に話していたように思います。
 落ち着いて考えると、新しい参加者は小さいながらも自分で活動をはじめてみた方々でした。「なにかやってみたい」を小さく実現し、いろんなつながりができてきた中での意見交換だったのです。そうおもうと、「なにかやってみたい」と思う人は、まずはやってみる。その活動を進めていく中で地域自治組織をうまく利用するという視点で動いてくいのが良いのではと思います。つまり、「なにかやってみたい」から「わたしは〇〇をやってます」といえる段階になってから地域自治組織に合流したほうが良いということです。

入会地としての地域自治組織

 そう思うと、入会地(コモン)としての地域自治組織というあり方が見えてきました。「なにかやってみたい」という人がいきなり参加していくのではなく、ちょっと活動している人が次のステップや次のつながりをつくるためにお互いに情報を持ち寄る場です。そうすれば、上下の関係にならず、お互いの立場を認めながら対話ができるのでは?と思ったのです。ポイントは双方の文化を理解して対話を進めるということです。
 若者や新しい参加者を担い手として迎え入れるのではなく、地域で活動をはじめたパートナーとして迎え入れることで、新しい関係性やつながりになっていくと思っています。
 ちなみに、本当であれば地域自治組織は「なにかやってみたい」という人の相談に乗りながら、一緒に事業をつくっていくことが理想だと思っています。ただ、そうなることはなかなか難しい。だからこそそれぞれの背景や活動を持ち寄るような入会地としての地域自治組織という形が見えてきます。

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