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我が子を素敵な大人に育てる方法_section5(全25)13〜15

こんにちは。

スーパーで買い物しているときにたまに見かける「卵を2パック買う人」を見ると「え、そんなに使う?」と思って私生活が気になってしまう、トッププロ家庭教師の酒匂です。

「我が子を素敵な大人に育てる方法」を紹介します。
※「子育てベスト100」をもとに書いています

今回はsection5 その13〜15です。
※過去記事一覧はこちら

section5 学力をつけるには?
〜効果的なフィードバックで「やる気」を引き出す〜

section5 その13 子どもに教わる
〜人に教えると「知識」が頭に入る〜

「教えることは、二度学ぶことである」というフランスの思想家ジュベールの言葉にあるように、私たちは人に教えることで、自分の理解不足に気づいたり、あらためて理解を深めたりします。
 人に教えるときには「話す」「書く」という動作をともないますが、これは「読む」「聞く」といった動作にくらべ、脳に記憶を定着しやすくするといわれています。
 ワシントン大学の心理脳科学者、ジョン・ネストイコ博士は、教えるという「心がまえ」があるだけで、学習効率がよくなるといっていますり
 彼の実験では、被験者を2つのグル ープに分け、第1グループには「後で、覚えた情報をテストする」と伝え、第2グループには「後で、覚えたことを別の人に教えてもらう」と伝え、同じ学習をさせました。
 実際には、両方のグループが同じテストを受けたのですが、結果は第2グループのほうが良い成績でした。
 私たちは「自分が学んだことを誰かに教えなければならない」と自覚すると、新しい情報を吸収する能力が高くなります。つまり、子どもも人に教えることを習慣にすれば、学習効率がアップし、知識の定着が期待できるのです。

うまく子どもに教えてもらうにはどうすればいい?

■子どもに質問する
 子どもが取り組んでいる問題を一緒に見ながら、「これってどうやって解くの?」と聞いてみます。答えを聞いても、ちょっとわからないふりをして、さらにくわしく質問してみるのも効果的です。
 なぜそうなのかが説明できているかどうかに注意しながら、質問を重ねていきます。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

■間違っていても指摘しない
 子どもの説明が間違っていることもあるでしょう。しかしそこで説明をさえぎって、親が教える側にまわっては意味がありません。
 子どもの指示にそのまましたがって、つまずいたところで「これで合ってるかなぁ?」などと質問してみます。
 子どもはそこで間違いに気づくと、自分で解決しようとします。できるだけ手を貸さず、自分で考えさせるようにします。
『脳が認める勉強法』(ダイヤモンド社)の著者、ベネディクト・キャリーは、「人に教えることによって、混乱している部分、忘れていたことが、あっというまに明らかになる。これは非常に効果の高い学習だ」と述べています。
 さらに、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者、ロバート&エリザベス・ビョーク教授夫妻(大好きな先生です)によると、あやふやになっていたり忘れてしまっている脳の記憶を掘り起こす作業が大変であるほど学習の力が高まるそうです。
 人に教える際はあいまいさが許されないので、この意味でも高い学習効果が期待できます。

■感謝を伝える
 子どもに教えてもらった後には「よくわかった。わかりやすく教えてくれてありがとう 」と感謝を伝えます。これは子どもにとっては「親の役に立てた」という成功体験になります。
 脳は一度この快感を得ると、同じ状況を再現しようとし、子どもは「また教えてあげたい」と思えるようになります。

section5 その14 時間をあけて「復習」する
〜覚える科目に最適の方法〜

 ワシントン大学の心理学者、ヘンリー・ロ ーディガー教授は、一気に詰め込む勉強を習慣にしていると、次の学期に成績がガタ落ちする可能性があるといいます。
 いわゆる「一夜漬け」は、切羽詰まった状況にはそれなりに効き目があるものの、そうして覚えた知識は、長く記憶にとどまってくれません。
 覚える量は同じでも、勉強時間を分散したほうが、知識が脳にとどまる時間がはるかに長くなります
 では、学んだことをより長く記憶にとどめておくには、どのタイミングでもう一度触れるのが最適なのでしょうか。
 2008年、ヨーク大学(カナダ)の心理学者メロディ・ワイズハートは、カリフォルニア大学の心理学者ハロルド・パシュラーとともに、幅広い年齢層の1354人を対象にした大がかりな実験を行ないました。その結果、以下のように試験までの期間に応じて、復習の間隔を変えたほうがよいことがわかりました(『脳が認める勉強法』)。

「復習」はどのタイミングでするのがいいの?

■「復習までの間隔」は次第に広げる
 仮に試験が1週間後で、それまでに「90分」の時間を使えるとするなら、今日90分勉強するよりも、今日30分勉強し、2回目は翌日(もしくは明後日)に30分、試験前日に30分、同じことを勉強したほうが、その記憶はしっかりと頭に残ります。
 試験が1か月後の場合、今日勉強して、復習は1週間後にやり、3回目の勉強は試験前日にやるのが最適だということがわかりました。
 また、目先の試験とは関係なく、長く知識を定着させたいのであれば、ポーランドの研究者ピョートル・ウォズニアックの研究が参考になります。
 ウォズニアックは、今日勉強したなら、1〜2日後に復習し、その次は1週間後、その次は 1か月後(その次はさらに先)という形で、次第に間隔をあけて復習することが、記憶を強力に脳に刻むのに効果的だと示しています。
 脳医学の分野でも、東京都医学総合研究所が2018年にアメリカの科学雑誌『セル・リポーツ』に掲載した研究結果で「間隔をあけて反復学習を行なうと記憶が長い期間、定着する」という脳内の働きが明らかにされています。

■間隔をあけた学習は「暗記」に効果的
 間隔をあけた学習は、覚えたことを記憶にとどめるための効果的なやり方です。
 多くのことを長く覚えていられると理解力も深まるため、この方法は理系科目でも研究が進められています。ただし、いまのところはっきりしているのは、語学や用語、知識の暗記に適しているということのようです。

section5 その15 ほめる
〜何をほめるかで大きく変わる〜

 人はほめられると脳の神経が刺激され、ドーパミンが放出されることで強い幸福感に包まれます。
 また、1960年代、ハーバード大学の教育心理学者、ロバート・ローゼンタール教授は、教師が「君ならやればできるよ」と言うと実際に学習者の成績が伸びることを実験で明らかにし、これを「ピグマリオン効果」と名づけました。

■「ほめ方」しだいで効果が変わる
 一方で、慶應義塾大学の教育経済学者 、中室牧子教授は、アメリカの大学で近年行なわれたいくつかの研究結果をもとに、「むやみに子どもをほめると、実力の伴わないナルシストを育てることになりかねない」といっています(『「学力」の経済学』ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
 ただし、ほめることに効果がないわけではなく、大事なのはそのをほめ方」だといいます。

効果的に「ほめる」にはどうすればいい?

■すぐにほめる
 行動主義心理学の学習へのアプロ ーチで「即時確認の原理」という考え方があります。ほめるにしても注意するにしても「即時」が大事だということです。やったことがすぐに認められるとうれしいのは、意識がいま、そこにあるからです。

■能力より、努力をほめる
 コロンビア大学の心理学者、クラウディア・ミューラー教授とキャロル・ドゥエック教授は、「ほめ方」に関して、小学5年生400人を対象に実験を行いました。
 それによると、テストの結果がよかったときにりあなたは頭がいいのね」と言われたグループはその後の成績が下がり、「あなたはよくがんばったわね」と言われたグループは成績を伸ばす傾向がありました。
 また、「努力」より「能力」をほめられた子は、難題に直面したときにすぐにあきらめる傾向があり、成績へのプレッシャーから自分の成績に関してウソをつく傾向も高いことがわかりました。
 一方、努力をほめられた子は、悪い成績をとっても自分の能力のせいではなく「努力が足りないからだ 」と思い、難題に挑戦し続けるということもわかりました。

■過去と現在をくらべる
 東大合格者数日本一の開成中学・高校の柳沢幸雄前校長は、「子どもの成長を過去と現在で比較すれば、いくらでもほめるポイントが見つかる」といい、これを「垂直比較」と呼んでいます。自己肯定感を高めるためにも、その子自身の成長を垂直比較することが大切だといっています。

今回はここまでです

いかがでしたか?
今回は大人にも効力のある行動プランもありました。「誰かに教える(アウトプットする)」「復習する間隔をあける」は是非やってみてください。
また「ほめかた」については、多くの親が間違っているところを見てきました。「能力をほめる」のはとても危険ですので十分ご注意ください。

また、大人の方で、「英単語を覚えたい」「英文法を覚えたい」「資格を取るために勉強をしている」なとで日々奮闘されているけれど、なかなか成果が出ない方は是非ご連絡ください。学習内容それぞれに適切な学習法を教示いたします。

それでは素敵な一日をお過ごしください。
トッププロ家庭教師の酒匂でした。


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