我が子を素敵な大人に育てる方法_section5(全25)16〜18
こんにちは。
トートバッグよりも圧倒的にリュック派の、トッププロ家庭教師の酒匂です。
「我が子を素敵な大人に育てる方法」を紹介します。
※「子育てベスト100」をもとに書いています
今回はsection5 その16〜18です。
※過去記事一覧はこちら
section5 学力をつけるには?
〜効果的なフィードバックで「やる気」を引き出す〜
section5 その16 「フィードバック」する
〜ポジティブに課題を伝える〜
子どもの勉強やお手伝いなどをほめることは、「やればできる」という気持ちを育むためにはとても大切です。
ですが、現実にはほめてばかりというわけにはいかず、改善してほしいこともあれこれと出てきます。
ではどうやったら改善すべき点を効果的に伝えることができるのでしょう。カギとなるのは「フィードバック」です。フィードバックとは、どんな行動をしてどんな結果がもたらされたのかを具体的に伝え、ふりかえってもらうアドバイスです。
うまく「フィードバック」するにはどうすればいい?
■「ほめる→要改善点→ほめる」のサンドイッチにする
フィードバックの手法で、PNP(ポジティブ・ネガティブ・ポジティブ)法というものがあります。これは、ポジティブなフィードバックのあいだにネガティブなフィードバックをはさむので、サンドイッチ法ともいわれています。
最初は「ほめること」から始めます。具体的にどこがよかったかをほめます。その次に、「改善できそうなこと」を伝えます。ここがとても大切な部分です。そしてふたたび、最初に挙げた「ほめポイント」をくりかえす、場合によってはそこに新しいほめポイントを加えて、気持ちよく締めくくります。
画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著
■「How」と「What」を明確にする
いうまでもなく、このフィードバックで大切なのは、サンドイッチの「具」の部分。つまり「子どもがこれから改善できそうなこと」です。ポイントは、どんな方法で(How) 、何をすればいいか(What)を具体的にわからせてあげること。
一方的に押しつけるのではなく、問いかけながら、子どもが自分なりの結論を導き出せるまでつきあいます。
■「でも」より「だから」を使う
フィードバックはら子どもの成長のチャンスです。まわりの言葉の使い方ひとつで子どもの行動は変わります。
フィードバックをする際、「でも」「だけど」といった逆接の接続詞を使うと、子どものやる気をくじいてしまいます。
フィードバックをするときは、意識的に「だから」や「……」ならどうかな」といった表現を使うようにすると、子どもは前向きに受け止めることができ、モチベーションが高まります。
■フォローも忘れずに
フィードバックしっぱなしではなく、少しでも改善が見られればすぐにほめるようにします。
画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著
section5 その17 「優先順位」をつける
〜やることリストで行動を整理する〜
私たちはつい、やりたいことを優先し、やるべきことを後回しにしてしまいます。子どもならなおのこと「やりたいことが最優先!」に決まっています。そもそも子どもは「優先順位」とは何かさえわかっていません。
そこで、鳥取大学の応用行動分析学者である井上雅彦教授は、毎日やることを「ふせん」を使って整理し、見える化することで、優先順位がつけやすくなるとアドバイスしています。
「優先順位」をつけるにはどうすればいい?
■時間帯ごとに区切る
まず、時間帯を「朝・昼・夜」に区切って考えます。それぞれの時間帯に子ども自身がやりたいこと、やったほうがいいと思っていることをすべてふせんに書き出していきます。
■「必ずやること」と「やりたいこと」に分ける
1つのふせんには1つの行動を書きます。洗顔、歯みがき、食事、入浴、宿題、計算、漢字ドリルなど、「毎日必ずやること」と、友だちと遊ぶ、ゲームをする、本を読む、テレビを見るなど、「時間があればやりたいこと」を色で分けます(例:必ずやることはピンク色、やりたいことは緑色、など)。
■「必ずやること」ばかりで埋めない
学年が上がるにつれ、習い事が増えて帰宅時間が遅くなり、さらに家でもいろいろなことをやらせようとすると、子どもが「やりたいこと」をする時間がなくなってしまいます。
スタンフォード大学教育学大学院の上級講師で若者の成功や動機付けが専門のデニス・ポープは、「幼い子どもは、毎日放課後の決まった時間に『遊びの時間』が1時間必要だ」と語っています。遊びが脳を活性化し、子どもの創造力や共感力も高めることはすでに実証されています。あれもこれもやらせようとする前に、優先的に自由な時間を確保することが大切です。
■マグネットシートを使って達成感を
毎日のリズムが整ってきたら、ふせんではなく、両面が磁石になっているマグネットシートで、子どもと一緒に「やることリスト」をつくってみます。
100円ショップでは、カラフルなマグネットシートが売られています。マグネットシートもふせんと同じように「必ずやること」と「やりたいこと」を色で分け、ふせんの内容をそのまま書き込みます。
マグネットシートは裏も使えるので、裏には「やったね!」「できた!」といった言葉やニコニコマークなどを描いておき、1つ終わるたびにひっくり返すようにすると達成感を覚えやすくなります。
こうした子ども向けの「やることリスト」は、多くの親御さんが工夫を凝らして実践されているようで、インターネットで「子ども計画ボード」などと検索すると、たくさんのアイデアが公開されていて参考になります。
画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著
section5 その18 「音読」する
〜間違っても良いから「楽しく」読む
本を読むとき音読をすると、脳内で「読む」「話す」「聞く」という作業を同時に行なうことになるため、とくに、前頭葉という部分が刺激を受けます。
前頭葉は、記憶、意欲、自制心をコントロールするところです。つまり、音読によって前頭葉を刺激すると、記憶力、集中力、注意力などが鍛えられます。
また、音読をすると、脳内に「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが多く分泌されるようになり、精神が安定するともいわれています。
画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著
うまく「音読」をするにはどうすればいい?
■手を止めて聞いてあげる
子どもが音読をするときは「ながら聞き」はNG。親は手を止めて聞いてあげます。
■すぐにほめる
読み終わったらすぐに「ちゃんと読めたね」「えらいね」とほめます。脳科学者の川島隆太教授によると、親がすぐにほめると、それだけで子どもの脳は活性化し、やる気がアップするといいます。
■「勉強前」が効果的
すぐにほめることで脳が活性化し、やる気もアップするため、音読は勉強前のウォーミングアップに最適です。川島教授の研究によれば、音読をすると「記憶」の容量が2〜3割ほど増えるそうです。
とくに子どもの場合は脳の器が大きくなり、記憶力だけでなく、創造力や論理的な思考力、自制心なども伸びていくと川島教授はいっています。
■間違えてもその場で訂正しない
30年にわたり、小学生 〜高校生の作文指導に携わっている「言葉の森」の代表、中根克明氏によると、子どもが低学年のうちは、言葉の読み方や区切り方を間違えたとしても、その場で訂正せずに最後まで聞いてあげるべきだといいます。
もし、つっかえてしまったところで音読を中断させて間違いを指摘すると、子どもはその後緊張して読むようになります。これでは子どもが「読むことが苦痛になり長続きしなくなる」と中根氏は指摘します。
中根氏によると、子どもが間違ったところを指摘する代わりに、子どもが読んだ後に親が同じところを音読し、子どもに聞いてもらうとよいそうです。親も最後まで楽しく、そして正しく読めていれば、自然と子どもも間違いを正すようになるといいます。
少々間違えたくらいで文章全体の意味が大きくくずれることはないので、「まずはほめてあげること」「なによりも子どもが楽しく取り組めること」が最優先だと中根氏はアドバイスしています。
■くりかえし、スピードを上げる
川島教授によると、読むスピードを上げることで頭の回転速度が上がるそうです。
脳に負荷をかけると前頭葉がますます活性化し、文章を理解するスピードがアップします。
目から文字情報を入れて、声に出して読む、つまりインプットとアウトプットをすばやくくりかえすことで、目で読んだ記憶と声に出して読んだ記憶がつながりやすく、記憶力も高まっていきます。
今回はここまでです
いかがでしたか?
「優先順位をつける」は子どもはもちろん、大人の方でも効果が大きいです。
大人でも優先順位の付け方を間違えて「今日も忙しい」と勘違いしている方が多いように思います。やることは同じでも、やる順番を変えるだけでスムーズに進むこともあります。
ぜひ試してみてください。
それでは素敵な一日をお過ごしください。
トッププロ家庭教師の酒匂でした。
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