#5 ものづくりのワクワクを感じて欲しい(橋梁編)
・公務員(土木)は橋やトンネルができる過程を全て特等席で見れる
公務員(土木)は橋などの目的物が設計図通りにできているか段階的に確認しなければならないため、橋やトンネルなどの大規模構造物ができる過程を全て特等席で見ることができます。これは、建設会社が手抜き工事をしないように監督することが主たる目的なのですが、工事中の現場は安全を確保する点でも基本的に部外者の立ち入り禁止なため、間近で構造物ができるのを自由に見れることは公務員(土木)の特権だと思います。
工事現場を間近で見れることは貴重な経験であるため、大規模工事現場では他の建設会社や設計コンサルタント、他県の職員、近くの学生(小学校〜大学まで)など幅広い人達を対象に現場見学会を行っています。様々な人達に現場を見て貰うことは建設会社や設計コンサルタントにとっては技術力の向上に繋がり、学生にとっては土木に興味を持って貰うきっかけになるかもしれないため、非常に良い取り組みです。
・橋ができるぞ凄いぞ
土木の大規模構造物でまず思い浮かぶのは「橋」ではないでしょうか。私もありがたいことに、30m程度の橋から100m超えの橋まで10橋ほど橋を架ける工事に携わらせて貰いました。橋梁工事を受注する業者は、ほとんど熟練した人達ばかりなため、監督員の私ができることは限られていましたが、特等席で現場を見られた経験はかけがえのないものでした。
・橋梁工事の醍醐味は架設!!!
私は橋を架ける工事で最もおもしろいのは架設だと思っています。コンクリート橋(PC橋)であれば、単径間でベント設置が困難な山間部や河川部などでは手延べ機を使用した送り出し架設が一般的です。大きな門構を組み立て架設桁を設置し、セグメント桁を組み立てた後、架設桁の上から桁を送り出し、横取りしながら支承の上に桁を据え付けていく作業は何度見ても迫力があります。セグメント桁や門構などを組み立てる際に使用する大型のラフテレーンクレーンもそんなに頻繁に見るものでは無いので毎回でかいなーと思っていました。
鋼橋もとても面白いです。鋼橋の場合、加工する前の鉄板の搬入から材料の確認をし、その後カットや溶接などを経て桁として出来上がったものを段階確認として見ることができます。私が携わった橋梁は一般的なベント併用トラッククレーン架設が多かったですが、現場に持ち込んだ桁を組んだ後、大型のクレーン(私が経験した最大は550t吊りクレーンでした)で架設する現場を見れたのはとても貴重な体験でしたし、誰でもできる経験ではないと思います。
他にも印象的な橋梁として、カンチレバー架設工法によるラーメン橋やニールセンローゼ橋など、その地域のモニュメントになるような美しい橋梁もとても思い出深いです。
私は運が良かった事もあり、多くの大規模改良事業に携わる事ができました。激務で残業は多かったですが、100年以上地図に残るであろう工事に携わり、間近で現場をみれたことは最高の経験になりました。
◎公務員(土木)だからこそ体験できること
公務員(土木)になれば、こういった工事に携われる可能性は誰にでもあります。都会であればあるほど高いでしょうし、地方でも道路改良工事は常に行なっているため、十分あります。
土木の仕事には測量から設計、施工と様々な仕事がありますが、その全てに関われるのが公務員(土木)です。公務員(土木)以外であれば、これら全てに関われるのは大手ゼネコンかNEXCOくらいではないでしょうか。是非、ものづくりのワクワクを最前線で体験してください。
現在の本記事はここまでです。今後も本記事について、追記したい内容があれば追記していきます。
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