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#6 今必要な人材を考える(公務員(土木))


・近年の新採用職員の年齢層

私が勤めていた県では、土木職の新採用職員が毎年10〜20名程度採用されていました。その内訳は、採用人数が20名だとしたら、高卒が2名、高専卒が2名、大卒が12名、中途採用が4名といった感じでした。これはどこの地方の県でも似たような人数なのではないでしょうか。

私が採用された頃と大きく異なるのは、中途採用職員の増加です。私が勤めていた県の中途採用職員は、前職が設計会社や地質調査会社、市役所、建設会社などの方が多く、年齢は30代〜40代後半まで幅広かったのを覚えています。また、土木には詳しい人が多かったですが、公務員(土木)の仕事は特殊なため、なかなか即戦力になれる人は少なかったように感じています。

・高卒・高専卒・大学卒の新採用職員に求めたいこと

1:体調管理をしっかりと!!!

当たり前ですが、私は1年目からバリバリ仕事ができる必要はないと思っています。採用された職員の中には、今までバイト経験がなく、初めて職場を経験し、お金を稼ぐ人もいます。最初は体調管理をしながら毎日元気に出勤することだと思っています。

採用されてすぐの頃は研修も多く、与えられる仕事量も少ないため、時間を持て余してしまい、土木の基準書を読んだり研修資料に目を通したりと、どうしても1人で勉強する時間が多くなってしまいます。そうすると眠くなってしまい、ウトウト居眠りしている新採用職員をよく見かけていました。退屈な作業をさせてしまっている職場も悪いのですが、あまり夜更かしせず、勤務時間内はベストな体調で臨めるようにすることが最初に求めたいことです。

2:分からない事は分からないと言えるように

新採用職員はどんな仕事でも分からなくて当然のため、分からない事は恥ずかしいことではありません。私が採用された頃は、あまり優しく教えて貰えるような雰囲気ではない職場もありましたし、そんな事も分からないのかと怒られる事もしょっちゅうありました。2回同じ事なんて怖くてとても聞きづらかったです。笑

分からないと言えない職員が増えた理由の1つには、人生の中で怒られたり注意された経験が少なくなった事があるのではないかと思います。実際私も新採用職員と話をした際、何人かは学校でも親にも怒られた経験は無いと言っていたため、衝撃を受けた記憶があります。

怒られた経験がほとんどない場合、普通以上に怒られたり注意されることを恐れ、分からないと言えないのでは無いでしょうか。また、先輩や上司は怒ったつもりがなくても、怒られた、注意されたと感じ、ショックを受けてしまうケースもあると感じています。他にも高学歴な職員はプライドが高く、プライドが邪魔して分からないと素直に言えないケースもあると思います。

今は良くも悪くも若手や後輩に気を使う時代なため、分からないと言えないような職場は少なくなってきているのではないかと思います。ただ、先輩職員は常に忙しくしている人も多いため、気を使ったり遠慮して分からないと言いづらいところは昔と変わらずあるかもしれません。

ただ、新採用職員は勇気を持って分からない事は分からないと言わなければならないと思っています。私達は仕事として働いており、対価として給料を貰っているため、成果を出さなければなりません。公務員は民間企業と異なり利益を生むためだけに仕事をしている訳ではないため、その感覚が薄くなってしまうことはあるかもしれませんが、給料を貰っている以上、分からない事は分からないと言い、仕事を少しでも前に進めなければならいと思います。

3:周りの職員が今どんな仕事をしているのか、どんな話をしているのかを気にしてほしい(耳をダンボに!!)

まず自分に与えられた仕事をしっかりこなすことが重要ですが、少し余裕があれば、是非周りの先輩職員たちがしていることを気にするようにし欲しいと思っています。特に先輩職員同士が話している会話や電話の内容は気にするべきだと思っています。この時、立って近づいたり、積極的に会話に入る必要はありません。座って仕事をしながら、聞こえる範囲で会話を聞いておけば良いと思っています。

先輩たちの会話の中には様々な仕事のヒントや自分にも関係あることが多々あります。場合によっては、先輩職員は新採用職員が聞き耳を立ててるか試していることもあると思います。先輩たちの会話に聞き耳をたて、自分にも関係することであれば、積極的に「私もやりますよ」「私今手空いてますよ」と言ってみてくただい。きっと先輩職員は「こいつやるな」「気が利くな」と思うはずです。

公務員(土木)の職場は持ちつ持たれつであるため、新採用職員が気づかないうちに先輩職員は新採用職員の仕事をしてくれているものです。地域住民からの苦情の連絡が入った際も、新採用職員だけに対応させるような事はないと思います。なので、常に聞き耳をたて、面倒くさがらず、少しでも自分が役に立てることはないかと考える姿勢はとても重要だと私は考えています。

・中途採用職員に求めたいこと

市役所や国家公務員から県に転職した人は即戦力になる可能性が高いですが、前職が土木工事や設計に携わっていただけでは、公務員(土木)の即戦力にはなれないと思っています。それだけ公務員(土木)の仕事は特殊です。また、積算業務の経験があるかどうかは即戦力になれるかの大きなポイントの1つです。

1:新採用職員の気持ちで仕事に臨んでほしい

中途採用職員のため年齢層が幅広く、私が一緒に仕事をした人の中には50歳目前の方もいました。私が勤めていた県では中途採用職員で年齢が高かったとしても最初は高卒や大卒の新採用職員と全く同じ業務が与えられます。というのも、新採用職員と同じ業務を経験し、それらの業務内容を理解していなければ係長以上の仕事はできないからです。

採用されてすぐは1番もしくは2番目に下っ端の役職となり、雑用から比較的規模の小さな工事を担当することとなります。場合によっては、教育係の先輩職員だけでなく係長も年下です。そこで、設計書のつくり方、積算の仕方、県職員ができる仕事内容、予算管理、苦情対応などを1から学ぶこととなります。当然全てPCでの作業となるため、PC作業が苦手な中途採用職員は残念ながら使い物になりません。。。

年下の上司がいる職場は働きづらいと思いますが、そうなるのを覚悟した上で転職してきたでしょうし、同様に上司も年上の部下はやりづらいと思っています。プライドは捨て、分からない事は分からないので教えてほしいとしっかり言いましょう。先ほども書きましたが、公務員(土木)の仕事は特殊です。特に予算管理や苦情への対応の仕方(苦情や要望に対して県が対応できるかの判断)、工事などの説明資料の作成(物事を分かりやすく端的に文章にまとめる力)などは公務員をやった事がなければ絶対できません。

年齢を重ねている分、新卒の子達より覚えが悪くなっている可能性もありますが、中途採用職員は即戦力として採用されているため、1日でも早く1人前になることが求められます。給料も公務員は年功序列であるため、先輩の年下職員より高い給料を貰っている可能性が高いです。よって、少しでも早く通常業務がこなせるよう努力しなければならないと思っています。

2:前職の経験や得意分野を活かしてほしい

これは中途採用職員にしかできない事です。前職が土木関係だった場合、必ず得意分野があると思います。その内容が必ず公務員(土木)として活かせるかは分かりませんが、活かせるならどんどん活かし、他の職員に教えてあげて欲しいと思います。

私が一緒に仕事をした中途採用職員の中には、建設会社で長く現場代理人をしていた方もいました。当然工事について詳しいため、私が担当している工事を発注する際、こういう場合は一般的にどういう重機を使うか、誘導員は何名くらい配置した方が良いかなど、前職の経験を活かしたアドバイスを貰っていました。

他にも、前職が地質調査会社に勤めていた職員には、一緒に現場に行って貰い、出現した土質をみてもらったり、前職が設計会社に勤めていた職員には、設計成果に問題がないかみてもらったりしていました。

こういったアドバイスができるのは中途採用職員の強みであり、特に新卒の職員にとっては貴重なため、積極的に前職の経験を活かして欲しいと思っています。

他は、「高卒・高専卒・大学卒の新採用職員に求めたいこと」に記載した2、3と同様です。

◎「自分が周りに何を求められているか」「何をいつまでにしなければならいか」の意識を強く持ってほしい

初めて転勤してきた職場でさえ分からない事が多いのに、新採用職員ともなれば分からないことだらけで当然です。ただダラダラと与えられた仕事をこなすのではなく、「自分が何をしなければならないか」「何を期待されているのか」を常に意識しつつ、分からないことを少しづつで良いので減らし、1つ1つ確実に業務をこなしていけば、問題なく一人前になれると思います。

失敗を恐れる必要もありません。運転中の事故や飲酒運転、地域住民や受注業者を軽視したような対応は絶対ダメですが、新採用職員ができる業務上の失敗なんて実際は大した事ないことがほとんどです。失敗することより、失敗しそうな事が分かった時や失敗してしまった後、直ぐに上司や先輩に相談したかの方が私は重要だと思っています。

新採用職員の成長は、公務員だけでなく県にとっての明るい未来に直結する重要事項だと私は思っています。

現在の本記事はここまでです。今後も本記事について、追記したい内容があれば追記していきます。

最後まで私の記事を読んで頂き、ありがとうございました。

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