見出し画像

ヒトデはクモよりなぜ強い? #47

こんにちは! 『5分で読めるスキルアップ記事』編集部のリョウです。

皆さんは組織の意思決定の遅さにイライラしたことありませんか?ボクは何度もあります。これだけ変化の激しい時代に、やけにゆったりしているなぁと辟易します。

特に大企業です。その姿勢は進撃の巨人で言うところの超大型巨人です。一撃のダメージはとてつもなくでかいので、後から参入しても規模の大きさで小さい企業を圧倒します。

しかしながら時代の変化とともに、そのような姿勢では生きていけなくなりました。小さな人間が立体機動装置を持ってコマ割り聞かせながら縦横無尽に動き回ることで、超大型巨人は対応できなくなっていったのです。

この大企業特有のゆったりもっさりを変えるにはどうすりゃいいのか悩んでいたところで、この本と出会いました。こちら。

タイトルがやや釣り疑惑がありますが、むちゃくちゃ面白い本でした。クモは頭を切り落としたら機能しなくなりますが、ヒトデは半分に切っても、それぞれが自立して機能することができます。

これからの変化の激しい時代にはこのヒトデ型の変化に柔軟に対応できる組織が生き残ります。ただし、組織が大きくなるとヒトデは機能しなくなります。ならばどうすればいいのか?

以下大まかな概要と個人的な感想を書きましたのでご覧ください。

クモ型組織とは?

トップダウンのいわゆるどこの企業も採用している組織構造です。社長が経営戦略を立て、それに沿って部長が部内用に戦略を噛み砕き伝えていき、課長が課内用に戦略を噛み砕き伝えていきます。こうやって上から下に意思伝達がされていき、ボクら末端の社員が実務を実行していくことになります。

多くの人が組織の構造をイメージした場合、このクモ型だと思います。会社といえばこれだろ、という。ボクもこのイメージが強いですし、今もクモ型の組織に所属しています。ただ、この組織構造にはデメリットはあり、そのデメリットが大きな経営リスクになっていくだろうと言われています。

ではどんな弱点があるのか。
一番大きいのが、意思伝達の遅さと不正確さです。社長の戦略が下っ端まで届くまでにいくつもの「噛み砕き」が発生します。噛み砕くためには数週間の時間を要するので、おおよそ1ヶ月くらいのタイムラグがあるでしょう。

そして噛み砕く質によっては社長の言いたいメッセージが末端の社員に適切に届かない可能性があります。難しくて伝わらないこともありますし、噛み砕きすぎて的をいてないケースも多々あります。それだけ戦略の落とし込みは難しいのでしょう。

そこで着目されているのがヒトデ型の組織です。

ヒトデ型組織とは?

自律分散型の組織です。トップが不在なので全員が末端社員であり、全員が社長です。組織に所属するメンバが自分たちで課題形成し自分たちで対策を実行していくことになります。もちろん誰かが打ち立てた戦略に従う必要はありません。むしろ誰が組織に所属しているのかも知らないパターンもあるかも知れません。

それで組織として機能するのか?という疑問が沸くのは当然です。ヒトデ型が強いというタイトルをつけているので勘違いされがちですが、この本書の結論として「ヒトデ>クモ」ではないからです。ヒトデ型組織で完璧にオーガナイズされ、利益を出している企業はほとんどありません。

例えばウィキペディです。ウィキペディアって誰が運営しているか知ってますか?よく知らないですよね。あれは非営利団体が運営しており、「史上最大の百科事典を作ることを目的にしたプロジェクト」として発足したようです。参加者は全員有志で、ユーザー登録すらしなくても誰でも編集可能なサイトのようです。

明確な代表者は存在せず、ユーザーがユーザー同士で議論しながら運営している。そのために経費の殆どがシステム維持費で、それらは寄付で賄っています。

ただしそれも今や昔。ウィキペディアの存在自体が大きくなりすぎて、一部のエリート編集者によってコントロールされる組織になっているようです。そこには利権が生まれ、その権力者によって成長戦略が描かれていくでしょう。

このようにヒトデ型であっても十分に機能しない。ならば変化の激しいこの時代を生き抜くにはどのような組織であればいいのか。答えはクモ型とヒトデ型のハイブリッド。バランス、スイートスポットを見つけなければならないようです。

集権型と分散型のスイートスポット

規模が大きくなったり、経費を割り当てたりするためにはやはり誰かが責任者となりトップとならなければなりません。ウィキペディアのように自然と階層が生まれてくるように、どれだけ排除しようが組織の規模の拡大とともに階層が自然発生してくるものです。ならばそれは必要な構造なのでしょう。

そのため階層の中の一部に「ヒトデ型:分散」を取り入れることが重要ということです。組織のリスクに関する重要なテーマ(品質やコンプライアンス)はクモ型で管理し、自由な発想と柔軟な変化対応力をヒトデ型が担うというものです。

このスイートスポットは組織ごとに異なります。それを見つけることがより良い組織運営に必要不可欠なのです。

個人的見解

2つの点で学びがありました。

1つ目はクモとヒトデのハイブリッドな組織を目指すと言うこと。ボクはソリューションを開発する部門に所属しているので自由な発想や柔軟な対応力が求められます。市場の変化は激しく、昨日の正解が今日の不正解です。そんなときに1週間、1ヶ月で落とし込まれる経営戦略ではどうしたって判断が間に合いません。

そこでチーム単位でヒトデ型を取り入れるという方法です。特に「新規事業の立ち上げ」のフェーズです。実現したい顧客のありたい姿に旗を掲げ、それに共感できるメンバを集める。そしてそのメンバであれやこれや議論しながら一つの最適解を導き出していく。

その活動の中では投資が必要なケースはほとんど無いでしょうし(人件費は別にして)、一人ひとりが仲間全員の情報を元に様々なクリエイティブを発揮できそうです。

ただ、この時重要なのが「ありたい姿に共感できること」です。ここに共感が生まれなければチームは瓦解するでしょう。何らかの求心力がなければ、人は集まりません。そのため、ありたい姿の必要性を語れるか。なぜその活動が必要なのかを語れるかが重要になってくるのでしょうね。

もう一つは「触媒」という機能です。触媒とはヒトデ型組織に必要な機能で、「アイデアを発展させ、他の人達と共有し模範を示す人」です。彼らは、他人に対する純粋な興味をもち、相手を肯定し、干渉せず、あいまいさに寛容であり、そしてみんなに火をつけたら、そっとその場を立ちさる。そんな人間性を求められています。企業のトップとはおおよそ似ても似つかない機能ですが、これからの社会ではこういった潤滑油の機能を果たせる人材が求められるのでしょう。

ボクはこの触媒という機能に注目しています。どこまでも利他的であり、ギバーな人財です。おそらく最も評価が難しいタイプだと思います。どれだけ触媒として活躍したところで組織から評価されないケースが多いと思います。それでもチームには非常に重要なピースです。この触媒機能を果たせる希少な人材がこれから成長する組織に重要な人なんだと思いました。

最後に

最後まで読んでくれてありがとうございます。(ほぼ)毎日18時にnoteの更新やってるので気が向いたら見に来てください。Twitterもやってます。日々の気づきを適当に呟いているので良かったらフォローよろしくお願いします‼️

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?