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『映画を全部描く』という活動について

僕は『映画を全部描く』という活動をやっている。

それが何かと言うと、
毎日映画の気になったシーンを一時停止させて描く、
というシンプルだけどもなかなか根気が必要となる制作のことである。
画材はアクリル絵の具を使用。

現在描いている映画は、『E.T.』『東京物語』で以下のような絵。
(昔は『LA LA LAND』も描いていた)
一時期は活動をストップしていたのだが、最近になってまた再開している。

『E.T.』106枚目
『東京物語』92枚目

2023/10/18現在で『E.T.』が130枚。『東京物語』が95枚。
それぞれ以下の僕のHPからすべて見ることができるので、もし興味があればぜひぜひ。

活動を始めるきっかけとなったのは、パレットクラブ
細かいことは割愛するが、2019年当時映画のワンシーンだけを描いていた僕は講師の方にその絵を見せた。
そうすると、「ワンシーンだけではなく全部描きなよ。」という恐ろしいアドバイスが返ってきた。
正直かなり躊躇したが、僕は始めることにした。
(昔、知り合いに「石橋くんは脳がシンプル」と、悪口とも捉えられるようなことを言われたことがあるが、逆にそれが功を奏したのかもしれない。)

しかし、この活動を通して僕に与えたものは大きい。

まず単純に絵が上達した。
毎日ある程度密な絵を描くので当然といえば当然である。

以下が個人的に面白い比較だ。

上が2019年の『映画を全部描く』活動を始めた初日の絵で、
下が2023年の1月に描いたもの。

どうだろう。
勿論、この間に他にも絵は描いているが、
正直自分でも笑ってしまうほど変化が出ていると思う。
(一応補足を加えると、上の絵は約7年ぶりに絵の具を使った。)
また、具体的に制作時間の計測はしていないが、
2枚にかけた時間はそれほど大きな差はない。

とにかく毎日描くのでトライアンドエラーがしやすかった。
これはとても大切なことだと思う。


あと他に良かったと思うのは、
この活動を見てお仕事をいただいたということ。
それまでは絵の仕事なんて夢のまた夢だったので、本当に嬉しかった。

また、僕にぴったりな映画を描く仕事を頂いたりもした。
やったことはこの活動と何ら変わらないが、お金が生まれたのだ。
この時は本当に活動を続けていて良かったと心の底から思った。
勿論、他のお仕事も同じくとても嬉しかった。

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良かったことの3つ目としては、
『映画を全部描いてます』と自己紹介がしやすいことである。

地味にこれは助かる場面が多い。
例えば「どんな絵を描いているんですか?」と聞かれたら、そう答えて絵を見せれば良いのだ。
他にやっている人は多くはないので、覚えてもらいやすい(かも?)し、
僕はコミュニケーションがそんなに得意な方ではないので、ありがたいツー
ルになっている。


と、色々とやって良かったことを書いたが
結局のところ何が言いたいのかというと、
「絵は深く考えずにとにかくたくさん描こう」ということである。

絵は描けば描くだけ上達するし、
それがいつ何かに結びつくかは分からないが、
毎日描いていれば誰かが必ず見てくれている。

僕は『E.T.』は今年中に完了させることを小さな目標にしていて、
そのあともまた何か継続してできる活動を考えている。
まだぼんやりとだけど、それがまた何かに結びつけば良いなあ。

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