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プロフェッショナル経営参謀になる覚悟

経営戦略推進部に来て1年半。親愛なるメンターにおすすめされ「プロフェッショナル経営参謀」を読了。できていないことだらけで絶賛学び中というのが現在のステータス。能力としては幅広く培っていかなければいけないが、この本ではその更に前、経営に関わる人間は前提として持っていなければならない考え方やスキルについて整理されて書いてあり、定期的に自分を振り返る際に活用したいと想う。(経営参謀って響きかっこいい!!)

書き始めるとネタバレになってしまうのでトピックスのみ記載。

経営参謀とは「経営にとって今最も重要な問を設定し、解くべき課題を見極め、議論の材料を経営層に突きつけて意思決定を迫ること」

「何が課題かを見つける」「意思決定を迫る」という点は常に意識している。本当の課題は何なのか、一番大事な部分であり、一番意識しないとできないところ。WHYとHOWで行ったり来たりするが、WHYの深堀りが重要と感じる。一見異なる意見を言っているように見えてもその部分は手段だとすると、その背景にある問題は一緒かもしれない。ディスカッションの前に抱えている課題を共有し掘り下げると同じ課題認識かもしれない。そこを整理できるようになると強いだろう。意思決定を迫る、という部分はよく話を聞いていて「で、何を求めてる?」という状況が本当に多く感じる。情報共有なので聞いといてなのか(それならメールかチャットで済ませて)、ここで悩んでいるからアドバイスほしいなのか、これをやりたいので予算くださいなのか、経営層に対して提案していくのであれば明確にした上で臨みたい。プレゼンとピッチの違いも書いたとおり、意識することで変わっていけると思う。

VUCAの時代といわれる昨今、「たとえ経営層でも、自分たちだけで簡単に答えを出せる時代ではなくなっている」「そもそもこの事業モデルを続けるべきなのか?」といった前提条件にまで立ち返り、「そもそもこの問はうちの会社にとって正しい問いなのか?」を見つけることが重要だ。

まるで禅問答!?のようにも感じるが、「そもそも自分は何ものなのか?」といった自分を見つける、見つめる作業同様、繰り返し問いかけていくことが必要と感じる。自分自身を見つめるのは一人でじっくり振り返りながらが大切だが、企業に至っては同じように悩む仲間がいるので、是非一緒になってやってほしい。個人的には付箋を貼っていく形がおすすめ。本書内の「典型的なコケる10のパターン」の一つに「立場の弱い少数意見を無視」があるが、付箋で貼ることですべての意見が付箋のサイズに統一される。そこに声の大きい、小さいは関係なく、あるのは張り出された付箋の数々だ。そこから議論すべき論点の構造化:ディシジョンツリーを作成するのも目に見える形で整理しやすくなるだろう。

「コケる10のパターン」「参謀として必要なセンス」「明日からもできるトレーニング」とチェックリストのように使える内容満載。自分ができていること、できていないことを整理することにも役に立つ。

特に現状、自分自身ができていない、経営層を「はっ」と感じさせられているか、「その方向でいこう」という言葉に満足していないかは常に問いかけていきたい。本質的な部分はどこにあるのか、投げかけをきっかけに議論が広がっていく良いコンテンツを提供できているか、静かな会議が起きないように心がけたい。

終わりにある未来のリーダーへのメッセージ2つ目「ネガティブケイパビリティ」には深く共感した。答えがない問いを問い続け、未来へ向かっていく不安。正解がわからない中で、ぐるぐると試行錯誤しながら自分の世界を広げた先に見ててくる未来。このネガティブ・ケイパビリティを身につけることでタフに生きていきたいと想う。

・目の前の事象について、無理に理解の帳尻合わせをせず、不思議だと感じる気持ちを忘れずに持ちこたえること
・わからないことに直面した時、希望的観測を持って意義付けする傾向を理解し、避けること
・浅煎り会にとどまらず、物事を観察し、うまく説明できるかどうかの検証をし続け、より深い理解に到達できるよう、不断の努力を続けること

「自分が社長になったらどうするか」、若いうちからその視点で行動していくこと。幸いに、3年目に「社長になる」と宣言した私としては親近感が湧く。当時の偉い人に「なんだこいつは」と言われた記憶が蘇る。伝えたかったのは「自分が社長だと考えて視座が高いところから物事を見て判断していくこと」をしていくことだったのだが。一つ上の役職から物事を見る、それを飛び越えて社長だったら、是非挑戦してほしい。宣言したはいいものの、いざ、経営参謀なるポジションに来たら自分の至らなさを痛感する。何が足りなかったのか、私は「覚悟」だったと思う。口だけ、思想だけで本気になって自分ごと化して考えられてはいなかった。これからも問いかけ続けようと思う。「さぁ、覚悟はできたか?」

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