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投資を決定する前に、必ず確認したほうが良い4つのポイント

今回は投資を決定する前に確認すべきポイントを書きました。投資検討時に、必ず事業家に話を聞くようにしていることでもあります。

「投資決定をするときにみるポイント」

その❶事業家のオタク度

 事業家のオタク度=自社事業への関心の強さです。
 まず、事業への愛を確認します。事業家が本当にその事業にのめり込んでいると、5時間話し込んでもまだ足りないよという顔をします。事業を愛する人は目を輝かせながら永遠とも言える時間話せるものです。そんな時は僕の方もずっと聞いていたい気持ちになります。
 熱い話のなかで、事業家が事業の流れや現在の状況をどの程度詳細に把握しているかも確認します。たとえば、売上、原価、粗利、販売管理費などに関する数字を把握していることはもちろん、原材料の仕入れからお客さんに販売するまでの一連の順序を説明していただきます(財務諸表の説明を求めるわけではありません)。キャッシュフロー(収入と支出)が会計と乖離しやすいビジネスの場合はお金の流れも詳しく聞きます。数字がざっくりしてたり、多少間違っていたりしても問題ありません。お話するなかで、事業家がビジネスの状況を毎日のように数字とともに気にしているかどうかを知れることこそが重要です。
 最後に、その人にしか考えつけないことに取り組んでいるかを見ます。事業を突き詰めた人は、他の誰も気づいていない課題やチャンスを知っています。すでに取り組んでいることもあれば、今から始めることもあります。いずれの場合も事業家は「そのアイディアを試さずにはいられない」という心境にあります。

その❷お客さんが買う理由(商品やサービスの存在理由)

 なぜその会社から商品やサービスを買うのかを検討します。大原則として、価値>=価格であるときに私たちは商品やサービスを買います。価値の定義は事業によって変わります。美味しい食事と落ち着いた空間、安全に使えるミキサー、使いやすいパソコン、サポートが良いECサービス、手間がかからないキャンプ、五感を刺激するコンサート、美肌に効果がある化粧品などお客さんから見た価値で測ります。ときに、事業家自身もお客さんが自社から商品やサービスを買う理由をはっきりと言葉にできていないケースもあります。しかし、いい商品やいいサービスは必ず存在理由を持っているので、話す中でだんだん明確になっていきます。なお、お客さんが買う理由がはっきりしていて他に真似できないビジネスほど無理なく伸びていきます。

その❸儲かりやすさ、儲ける効率の良さ


 儲かりやすさを判断するには、商品やサービスが、コストの何倍で売れるかをみます。この倍率が高ければ高いほど利益率がよいビジネスということです。目安として、3倍以上あれば勝負しましょう。ビジネス書では「儲かりやすさ」を〇〇率など難しい言葉を使ったり数式に分解したり、さらにはエクセルまで持ち出して説明しようとしますが、かけたコストの何倍で商品やサービスが売れるかが正確に議論できれば十分です。

その❹市場規模よりもビジョン


 市場規模は本音では割とどうでもいいと思っています。よく事業家と投資家の間で話題になりますが、僕は投資判断においてあまり重視しません。どれだけ根拠を集めて見積もっても、市場規模は幻想に過ぎないからです。ビジネスが実際にどのような経路をたどって、どの程度まで成長できるかが本当に知りたいことです。
 
もちろん未来予知ができるわけではありませんが、限りなく詳細にイメージする努力はできます。そのために事業家がどのようにしてチーム、資本、技術、信用など利用可能なあらゆる経営資源を使って目標を実現しようとしているのかを具体的に思い描いて話してもらいます。これをビジョンと呼んでも構いません。事業家のビジョンが大きければ大きいほど、投資家としても共に実現を目指す気持ちが高まります。ビジョンが未実現であり、事業も成熟していないのに市場規模を気にしても仕方がありません。幻想を議論する前に、実際に事業家が実現しようとしているビジョンを理解しましょう。

以上、僕が投資を決定するときに必ず確認している4つのポイントでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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